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今回もひきつづき就職についてもう少し掘り下げて考えてみたいと思います(僕は就職や仕事について考えることこそが、新しい産業やベンチャーの振興を考えるにおいてまずはいちばん大事なことだと考えているので、このテーマについてはしつこく書いていこうと思っています)。 人生を彩る要素はいろいろありますが、 人がどんな人生を生きるかというとき、仕事は人生において占める時間がもっとも多いもののひとつですよね。その意味で、どんな仕事をするかというのはどんな人生を生きるかということと関係が深いことはまちがいありません。
先日ある大学の講堂で行われたパネルディスカッションに出たときのこと(下の写真は開催前の雰囲気)。新進気鋭の4人のベンチャー起業家がさまざまな質問に答えるというセッションがあり、いろんな質問を壇上からうかがいました。そのとき一番前に座っていた活発で積極的そうな女子学生がはい、と手を上げて「皆さんにおうかがいしたいのですが、皆さんがこれまでに経験した最大の失敗ってなんですか?もしよろしければ目もあてられないようないちばんひどかった失敗を教えてください」という質問をしました。 その質問に対して会社の経営で手痛い失敗をした話をした人もいれば 、火事で家が全焼しすべてを失ったけど、家財道具など失ったモノそのものよりも、それをきっかけにギクシャクした人間関係やこれまでの思い出を失ったことの喪失感など精神的な落ち込みのほうがひどかった、という悲惨な話をおもしろおかしく「すべらない話」にして話した人もいま
「会社を経営していくのはそんなに簡単なものではないし、だからこそおもしろいし、うまくいったときにみんなで分かち合う喜びは何ものにも代えがたいことは言うまでもないことだけど、それなりにひととおり経営を経験してきた僕としては、いったい今後何を目標にすえてがんばるといいのだろう。ひとつの会社を大きくすること?それとも分散型のグループ経営?ゴーイング・コンサーン(企業が永続的に事業を一貫して継続すること)としての礎づくり?それともゼロから新たに作った会社のIPO?CSR(Corporate Social Responsibility=企業の社会貢献活動)のような社会的意義?そもそも、俺はなんのために会社を自分でやってみようと思ったんだっけ・・・?」 だいたいこういうふうに悩んでいるときというのはいろんなことがうまくいかないんですけれども(笑)、このような無邪気に事業を始めた頃には感じることのなかっ
今回はしばらく書き続けてきた「失敗・リスク編」の最終回となります。リスクをとるときの構え、備えについての僕の考えを書いてみたいと思います。 僕が大学生の頃、兄の孫正義とお茶を飲んで世間話をしていた時、ふとリスクマネジメントについての話になったことがあります(なんで茶飲み話からリスクマネジメントの話になるんだ!?と思うでしょう?(笑)うちはそういう家なんですよね。もちろん堅苦しい言い方はしないんですけど、家族が会うと経営に関する本質的な深い話を普段から結構したりして、僕にいろいろと教育をしてくれました。今になってみるとほんとうにいくら感謝してもし足りないくらいありがたいことだと思います)。彼は僕に「不測の事態に備える構え」について質問をしてきました。
前々回から前回まで2回にわたってリスクとはなにか、リスクをとるとはどういうことなのか、リスクテイカーとはどういう人なのかについて解説してきました。少しはリスクとは何かを考えるきっかけになったかと思いますが、それがわかったからといって即、偉大なリスクテイカーになれるかというとそうではありません。皆さんがいちばん関心のあるのは、どうやったらリスクをとって大きな勝負ができるようになるのかということだと思いますが、その本質を一般論として描ききることは残念ながらなかなか難しく、極意はやはり経験のなかで痛い目にあいながら体得していくしかないと思います。しかし、そこで終わってしまっては身も蓋もないので、なんとががんばってもう少し掘り下げてみたいと思います。 なにかこれまでやったことのない大きな挑戦をするとき、そこには必ず何らかのリスクが付随します。しかしほとんどの場合、そのリスクが何なのかがわかりません
意訳すると「俺もかなり大きなリスクをとって勝負して大きなリターンを得て成功したけど、お前も俺に勝るとも劣らないくらい大きなリスクをとって成功してきたじゃないか。そのリスクのとりっぷりを同じリスクテイカーとして心から尊敬しているよ」とでもいうような意味だと思います。 起業家・事業家・経営者にとっては、「偉大なリスクテイカー」という表現はその人の凄さを表す最大級の賛辞なんです。リスクをとってチャレンジし、成功して大きなリターンを得るということがどれだけ難しいかということを彼らは熟知しているからこそ、地位や年齢などに関わらず「リスクテイカー」を心から尊敬しているのです。 偉大なリスクテイカーとは、精密な評価と緻密な計算を司る能力、勝敗を分ける流れやタイミングを察知する感性、失敗を恐れずに勝負をしかける勇気や実行力など、様々な能力や精神力、右脳と左脳のバランスをものすごく高いレベルで兼ね備えている
前回は失敗についてという話をしましたが、その話にちなんで、今回は失敗と隣り合わせの「リスク」についてお話してみたいと思います。ほとんどの人がリスクという言葉を、その意味するところをあまり知らずに無自覚に使っていると思いますので、このわかってるようでいまいちわからない「リスク」について解説に取り組んでみようと思います。これから数回のエントリを読めば、リスクという言葉とそれが表すものについてパッと目が開かれるような思いになることうけあいです。 みなさんは「リスク」という言葉をふだんどのように使っているでしょうか。「いやあ、それって全部パーになるリスクが高いんじゃないの?」とか「こんなに発注したら売れ残って在庫がかさむリスクがあるよ」とか、日本語の「危険」という言葉にそのまま置き換えてもいいような同義語として使っているのではないでしょうか。ビジネスにおいて経営者が「リスクをとる」などというふうに
茂木健一郎さんもさかんにおっしゃっておられますが、新卒一括採用なんて何の意味もない、ただ企業の採用側が効率よく若者を採用するためにできた、高度経済成長期の集団就職の遺物にすぎないと思います。人は皆自分の人生は自分で決めるべきで、そういう決意ができた人間を企業は採用すればよく、そのタイミングは人それぞれなのだから、個人もいつでも誰でも自由に応募でき、企業もいつでも誰でも自由に採用できるようになるべきだと思います。「新卒は4月に就職しなければならない」という日本社会における暗黙の了解がどれだけ世の中に人と組織のミスマッチを生み出していることか。そこから派生して「第二新卒」などという言葉がありますが、なんのこっちゃです。 「第二新卒は新入社員研修などを受けているので、社会人として必要な常識やビジネスマナーを身につけてて教育コストはかからないうえに、通常の中途採用者に比べて若くてまだ特定の企業文化
僕は一度も就職を経験したことがなく、自分で起業し人の起業を支援するという、一貫して就職よりもベンチャーを自分でやってみることを推奨しているような人間なのですが、そんな僕が今回は就職のことについてお話をしてみたいと思います。 就職したことはないとはいえ、就職についてまったく考えなかったということはありませんでした。僕の場合それは1995年の暮れのことでした。今もそうですが当時も「就職超氷河期」と言われており、学生は就職活動に汲々としており僕も悶々とした日々を過ごしていました。氷河期においても同級生たちが官公庁や商社、銀行、コンサルティング会社などきらびやかな組織や企業に次々に内定を決めていくなか、僕は内定まったくゼロ。友達が内定を何個もらったかを自慢しあっているとき「お前は?」と聞かれて「いや・・・ゼロ・・・」っていうと「えっ!?」という怪訝な顔をされ、「どこを受けたの?」と聞かれて「いや・
お話したいことはほんとうにたくさんあるのですが、ここ数年、僕が抱えていた悩みというか迷いというか、それを正直にお話しすること − それはモビーダジャパンの現在の事業を始めるきっかけともなっているのですが − まずはそこからスタートしてみたいと思います。 ふりかえってみれば、インターネット関連の仕事に携わるようになって15年以上の時が経ちました。 1996年、Yahoo! Japanの立ち上げプロジェクトに関わり、会社のオフィスに2ヶ月間テントを張ってそこで暮らしながら死にものぐるいの立ち上げを経験させてもらいました。そして、Yahoo!創業者のジェリー・ヤンに勧められ、自分の会社Indigoを学生当時の仲間たちと立ち上げたのをきっかけに、その後何社ものベンチャーの立ち上げに関わってきました。たまたまその頃第一次インターネットベンチャーブームと呼ばれる時代が来て脚光を浴びることになりました。
先日飲みながら、あるコンテンポラリーアーティストとお話をしていて、昨今のちょっとヒステリックなくらい失敗に敏感な日本社会はなんかつまんないよねという話をした。 厳密に言えば僕がつまんないと思うのは、テレビや週刊誌のようなメディアの昨今の報道の内容ややり方だ。が、仮にそういったいわゆるマスメディアが世相というか人々の気分を反映したものだとするならば「日本社会は〜」と言っても差し支えないのかもしれない。いずれにせよ、そういった風潮はますますみんなを萎縮させるばかりで、だったら何もしないほうがいいという「事なかれ主義」になるのは必定だ。
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