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災害への備え
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今日は久々にだらだら過ごせる休日。てなわけで、テレビと読書三昧。 今日読んだのは、北田暁大『嗤う日本の「ナショナリズム」』(NHK出版、2005)と、荷宮和子『バリバリのハト派』(晶文社、2004、こっちは拾い読み)。この2冊、同時に読んだら北田君のほうはもしかしたら嫌がるかもしれないけど(確か彼、ブログで荷宮さんをちょっぴり批判していた記憶が…。僕も彼女の「くびれの世代」という世代論は却下だが)。まあ、ともに、サブカルチャーとナショナリズムの関係に着目した論考である(僕は、ナショナリズムが「サブカルチャー」化しているのが昨今だと思う)。そして、教えられること、考えさせられることが多かった。以下はその備忘録。 まず、北田君の本は、前に読んだ大塚英志の『「彼女たち」の連合赤軍』、大澤真幸の一連のオウム論(「第三の審級」云々というやつです。『虚構の時代の果て』ちくま新書、とか)の系譜に位置付け
何か、安倍政権がダッチロール中である(もちろん、同情などしないが)。特に先日の赤城農水相の辞任はタイミングといい態度といい、政権与党にとっては考えられる最悪の「置きみやげ」だったといえるだろう。赤城さん、ニュースで知ったけど、東大法学部出て、官僚も経験した人だったんですね。やれやれ。 さて、安倍氏が首相になってから、ネットのあちこちで彼の「学歴」を云々する声を聞いた(というか、読んだ)。まあ、僕も彼のやり方や答弁があまりに稚拙なので、「安倍は所詮成蹊で(しかもエスカレーター)」というネット上の揶揄もそれほど気にとがめず聞き流して、時には「あの我妻栄と東大法学部の首席を争ったお祖父ちゃん(岸信介)を尊敬するのは良いけど、もうちょっとお祖父ちゃんを見習って(もしくはお父さんでも良いけど)お勉強しなかったのかね」と冷笑していたのも事実(念のため付け加えておきますが、僕は成蹊大学に対して含むところ
先日、別ブログでパワポのプレゼンには向き不向きがあるよねとか書いたら、予想外の反響があったが(僕の意図を取り違えているのも見受けられたが、そういうのもネットの定め、仕方なし)、昨日東京大学出版会のPR誌『UP』5月号を読んでいると、我が意を得たりというエッセイがあった。 松浦寿輝先生の「かつて授業は「体験」であった」というエッセイである。 パワポを使った分かり易いプレゼンなどというのとは位相(というか次元)の違う「体験」の思い出話である(松浦先生は「最近は学生による授業評価も盛んで、パワポを使ってわかりやすい講義を、などという声も聞かれるけど・・・」という感じで話の枕にしている)。 その先生の喋ることが殆ど判らないのにもかかわらず何故か耳を傾けてしまう、そして震撼させられてしまうような体験。松浦先生が提示するのは、そのようなある意味「戦慄する講義」の体験談である。 具体的に松浦先生は東大駒
さっきネットをウロウロしていて、とんでもないサイトの存在を知ったので、怒りにまかせてエントリを書きます。 明治学院大学の稲葉振一郎先生のブログ経由で知ったのですが、レポートや卒論を代わりに書きます、というサイトを知ってしまったのだ。なんてことしやがる。 今までも、みんなからレポートを集めて、それをアーカイヴ化して「知的財産」をみんなで共有、などという聞こえの良い言葉で言いくるめているサイトの存在は知っていたのだが、代わりに書きます、というサイトの出現は、さすがに衝撃的だった。 まず、「Web Teacher」とかいうこのサイト、何でも「東大生」が関わっているらしい。マジかよ。「大学院入試の支援」というのはまだ許せるが(これも業務の一つだそうです)、単位がかかっている卒論やレポートの代行ですよ。全部書かなくても、雛形の提供だけとしても、充分ひどい。利用規約に 「WebTeacherは、あくま
5月20日に大阪市立大学で行われた国際高麗学会のシンポジウムに参加してきました。僕はこの学会、参加するのは初めてでした。 シンポのテーマは「どうなる日韓関係:韓流と嫌韓流、二つの潮流を読む」というもの。パネラーとして、以前からの知り合いの先生方が参加していたので、そのお顔を拝見しに行ったのでした。 シンポジウム「どうなる日韓関係:韓流と嫌韓流、二つの潮流を読む」 コーディネーター 朴 一(大阪市立大学) 第1報告 姜誠(ノンフィクションライター) 第2報告 綛谷智雄(第一福祉大学) コメンテーター:藤永壯(大阪産業大学)、高吉美(兵庫部落解放人権研究所) コメンテーターを務められた藤永先生とはもともとの知り合い(僕から見れば、朝鮮近代史研究のの先達です)、綛谷先生とは、ネット上でやりとりをしていたのですが、実際にお会いするのは初めてでした。実は、このシンポは、『まじめな反論 『マンガ嫌韓流
東大文学部のサイトに「私の選択」という、先生方がなぜその専攻を選んで研究者となったのか、というのを回顧するエッセイコーナーがあります。僕も良く学生から「先生はなぜ宗教学(宗教研究)」をやることになったんですか?」という質問を受けることが多いので、ちょっとそのエッセイコーナーを真似して自分の来歴を振り返ることにしました。あと、こっちのブログはほとんど休眠状態なので、たまには記事を書いてみようかな、と思って書いてみました。ご笑覧ください。 -------------------------------- なぜ「宗教学」という学問に惹かれ、宗教学科(正確には宗教学宗教史学専修課程)を進学先に選んだのか。この問いに対しては、複数の回答を既に用意している。だが、こういう理由は要するに後知恵で、本当は何となく進学して、そのまま居座ったというのが真実に近い。だが、取り敢えず自分なりに過去を振り返ってみよ
ネット上での署名活動がもとで日本公開が決まった映画「ホテル・ルワンダ」を見てきました(実は、僕も及ばずながら、ネット署名した一人です。)。 昨日同僚のA先生(アフリカをフィールドとする文化人類学者)が「日曜日に夫婦で見てきたんだけど、あれはすごい映画だよ。僕なんか、モデルになったあのホテルに泊まったこともあるから、感情移入してしまってねえ」と熱くおっしゃっていたので、これは急いで見なければと思い、京都みなみ会館に行きました。 この映画の内容及び、素になった凄惨な実話については、公式サイト及び、「ホテル・ルワンダ」公開に一役買った映画評論家の町山智浩氏のこのエントリをご覧ください。 『ホテル・ルワンダ』は現実版『ドーン・オブ・ザ・デッド』だ 以下では、僕がこの映画を見て思ったことを箇条書きにしてみたいと思います。 1)普通の人ができる「抵抗」 まず感動したのは、主人公のポールの人柄でした。彼
昨日本屋で色々物色していたら、例の『マンガ嫌韓流』の解説本のようなものが出ていたので少し立ち読み。あ、これだ。出版社は同じですね。 パラパラ見たけど(胸くそ悪くなって、数ページで止めた)、ディベート形式で「白黒つけましょう」という姿勢を貫いているわけだけど、この姿勢こそが怪しいと思う。ディベートでは「あなたはこう言いましたね」と相手の議論を単純化させて、矛盾をついたり例外を提示してやりこめるという手法が採られがちだけど(向こうの意見を単純化させてからなんだから、簡単だ)、そういうのって、端的にアンフェアだと思う。「するの、しないの、どっちなの」とパネラーを問い詰める人相の悪い深夜番組の司会者を見れば、判ると思うんだけど。 あのね、歴史ってそんな単純なものじゃない。一つの歴史的事象も、立場が変われば全然違うものに見えるっていうのは、嫌ほど実感していることでしょ?判りやすい例を出すなら、「加害
昨日、植民地時代の台湾と朝鮮半島において、強制収容・断種など様々な被害を受けていたハンセン病患者たちがその補償を訴えていた裁判で、同じ東京高裁でこれまた対照的な判決が出てしまった。韓国側原告は控訴したそうだ、それは当然だろう。 一応新聞記事はじっくり読んだつもりだが、裁判所的な作文(悪文の極みであろう)もあって、全く判らない。単純に「法の下の平等」ってのに反しているんじゃないの、この判決は。僕は韓国研究者でもあるので、韓国に関してのイシューについては、普通の日本人よりも韓国側に同情的になってしまうきらいがあるが、それでももし、今回の判決で韓国側が勝訴、台湾側が敗訴という結果でも、全く同じ感情が湧き起こったことであろう。それには自信がある。「そりゃないよ」と。 言うまでもなく、僕は法律に関してはド素人も良いところだから、法解釈がどーたらこーたら、という具合には、文句が付けられない(裁判員制度
今日、一つ簡単な講演をしました。 8月2日から7日まで、京都の立命館大学国際平和ミュージアムにおいて、第二十五回「平和のための京都の戦争展」という展示が、市民団体によって行われています。そのプログラムの一つに、日本史研究会主催シンポジウム「植民地・戦争と問いなおす-知の暴力と可能性」という催しがあり、僕がお話をすることになりました(もう一人、京大院生の小林敦子さんが高見順を中心に、戦時期の日本知識人についての問題をお話しなさいました)。 自由に話してくれて良い、ということで、僕は、ちょっと敢えてポレミカルな話題として、「親日派」という問題を語りました(タイトルは「いわゆる「親日派」問題について」)。ポレミカル、というのは、このところの「教科書問題」に代表されるような「歴史認識問題」において、避けて通れない部分を敢えて「つつく」という意味でです。親日派、というのは字義通りに取れば、日本に親し
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