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データ収集が進むにつれて、研究日誌や観察ノート、オーディオテープやビデオテープ、資料が増加していき、研究が進んでいるという充実感を感じることがあるでしょう。それに比べ、これらデータの山から焦点化された結果を導きだす作業では、「こんなにデータを集めて何カ月もデータ整理をして、自明な結論しか出てこなかったら、どうしよう」と不安やストレスを感じることが多いものです。データ収集中から、データ分析を少しづつ進め、成果への見通しがつくようにしておくことが大切です。データ収集の途中で行う分析作業には、以下のように、大きく分けて、研究課題に関するものと研究方法に関するものがあります: 1 研究課題について 研究の焦点をどこに絞るかを検討する 研究課題を明確化していく 研究課題に関連する問題や仮説を様々に立ててみる 自分の立てた仮説を随時フィールドでチェックする 2 研究方法について データ収集計画を随時見
概念枠組み(conceptual framework)と研究課題の設定について: データ収集の焦点化と範囲の限定のために A.概念枠組みの設定 現象を分析し理解するという営みは、当該の現象をより捉えやすい諸要素に分解し、それらの要素の間にどのような関連があるかを吟味することです。したがって、自分が関心をもっている現象を分析しようとするとき、その現象にどのような要因、変数、過程等が関わっているのか、そして、それらによって当の現象がどのように構成されるのか、を問いかけることになります。このような研究者の問いかけは、いわば、当該の現象の捉え方を方向づける前提をなし、探究活動をすすめていくための枠組みを設定する営みです。この枠組みを「概念枠組み」(conceptual framework)といいます。研究目的に応じて、研究者は適切な概念枠組みを設定し、その設定理由を説明することが大切です。というの
教育研究のための質的研究法講座 Qualitative Research Methodology for Educational Research (旧:数学教育のための質的研究法講座) (C)1998-2019 by Yasuhiro Sekiguchi. All rights reserved. NEWS AND INFORMATION 2019年3月30日 金沢大学医薬保健学総合研究科・老年リハビリテーション・精神看護学特別研究特別講義「質的研究における非構造的面接および参加観察法について」(於:金沢大学保健学類校舎)を実施しました. 2018年8月29日 徳島文理大学大学院看護学研究科FD研修会にて「質的研究において意味あるインタビューにするために」(於:徳島文理大学徳島キャンパス3号館)を講演しました. 2018年1月25日 平成29年度山口県市町保健師研究協議会市町保健師研修会
質的研究論文の評価 質的アプローチは、量的アプローチとは研究の枠組み、目的、手続き等が異なるため、研究論文の評価の基準も別に考えなければなりません。質的研究論文の評価基準については、研究者の間で様々な見解が提案されています。ここでは、質的研究法について多くのすぐれた著書のある英国Open Universityの教育社会研究学科教授マーティン・ハマスリーの最近の見解を基にして説明します[Hammersley, M. (1998). Reading ethnographic research (2nd ed.). London: Longman]。彼は、まず、質的研究論文の備えるべき基本的な構成について論じ、その後で、評価基準として「妥当性」と「関連性」の2つの柱を提案しています。 質的研究論文の構成 すでに「入門編 ステップ6」で触れましたように,質的研究の論文は,少なくとも評価に値するため
質的研究法関連の文献 このリストは,関口が直接目を通した文献を中心に作っております.分類は単なる目安です.複数の分類に関係する場合は,ウェイトがどこにあるかを考えて,暫定的に決めています.参考のため,部分的にですが,教育研究者向けに簡単なコメントを「*」の後につけておきます。 質的研究法全般についての概説書 Alasuutari, P. (1995). Researching culture: Qualitative method and cultural studies. London: Sage. 平山満義(編). (1997). 『質的研究法による授業研究:教育学/教育工学/心理学からのアプローチ』. 北大路書房. 北澤毅&古賀正義(編). (1997). 『<社会>を読み解く技法:質的調査法への招待』. 福村出版 *質的研究法の新しい流れが手際よく紹介されており、質的研究の基本事項
グラウンデッド・セオリー・アプローチとは,グレイザー&ストラウスによって創始された社会科学の方法論です(グレイザー&ストラウス, 1996)。それは,社会的現象においてデータの収集と分析を通じてデータに根ざした理論(Grounded Theory)の生成を目指すものです。これについては,「事例選出の方法」のページでも触れましたが,ここでは,グラウンデッド・セオリー・アプローチ全体について概説します。グラウンデッド・セオリー・アプローチに関する文献は「質的研究法関連の文献」をご覧下さい。この解説を書くにあたっての,主な拠り所は,比較的新しいStrauss & Cobin (1998)です。 グラウンデッド・セオリー・アプローチをグレイサーやストラウスらの書物を読んで理解することは,初学者には必ずしも容易ではありません。その理由として,1つに,「理論」とはどういうものか,についてイメージが初学
インタビューは、直接観察だけではとらえにくい事柄に関するデータを、当事者との会話を通じて得る方法です。質的研究では、直接観察法だけでは得られないデータが必要になるのが通常です。直接観察は時間と労力をとられるため、それを実際に行える範囲は時間的、空間的、体力的にもかなり限られています。また、過去に起こった出来事などは、観察しようがありません。当事者のプライベートな生活のような研究者がアクセスしにくい場所で起こっている出来事についてもそうです。質的研究では、とくに、当事者の感じていることや考えていること、当事者のものの見方・感じ方・考え方を理解することが重要になりますが、それらは当事者の頭の中にあり、直接観察だけからは必ずしも十分な理解が得られないものです。観察による以外のデータが研究の中心的データになるか補助的なデータになるかは別として、直接観察だけではかならずしも十分な研究ができないもので
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