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<< 2021夏プロ「新しい世界観の概念装置を組み立てる:ホワイトヘッド哲学を学び、アレグザンダー思想の理解を深める」 | main | 2021年秋学期 井庭研 各プロジェクトにまつわる文献リスト >> 井庭研では、たくさん本を読みます。難しいものも読みます。重要なものは、何度も読み直し、読み込みます。 本を読むのは、単にそこに書いてあることを知るということではありません。本を読むのは、考え方の型を知り、考える力をつけるためであり、それを自分の創造の道具・基盤とするためです。概念・知識は単体ではあまり役に立ってはくれませんが、他の概念・知識とつながって豊かなネットワークに育っていくと、ものを考える力、創造的に発想する力の源泉となります。 そのためには、ある程度の量を一気に読むことが重要となります。《量は質を生む》のです。ある程度の分量の本を短期間にどんどん読むことで、概念・知識のつながり
井庭研2021夏の特別研究プロジェクト 「新しい世界観の概念装置を組み立てる:ホワイトヘッド哲学を学び、アレグザンダー思想の理解を深める」 担当:井庭 崇(総合政策学部教授) タイプ:特別研究プロジェクトA(4単位:2021秋学期に履修申告) 実施形態:オンラインですべて実施 2021年8月5日〜9月30日の間の15回 【概要】 本プロジェクトでは、クリストファー・アレグザンダーがしばしば参照する哲学者アルフレッド・ノース・ホワイトヘッドの哲学について、文献読解を通じて理解を深めます。単にホワイトヘッドの哲学を理解するだけでなく、全体性、有機的秩序など、アレグザンダーに通じる概念を改めて深く理解する機会としたい。 アルフレッド・ノース・ホワイトヘッド(1861-1947)の哲学がどういうものかは、『ホワイトヘッドの哲学』(中村昇, 講談社, 2007)の次の紹介がわかりやすい。 「われわれ
パターン・ランゲージ一覧(慶應義塾大学 井庭崇研究室&株式会社クリエイティブシフト制作) ラーニング・パターン:創造的な学びのためのパターン・ランゲージ コラボレーション・パターン:創造的コラボレーションのためのパターン・ランゲージ プレゼンテーション・パターン:創造を誘発する表現のヒント 探究パターン:創造的な探究のためのパターン・ランゲージ Life with Reading - 読書の秘訣:創造的読書のパターン・ランゲージ ミラパタ(未来の自分をつくる場所:進路を考えるためのパターン・ランゲージ) アクティブ・ラーニング支援パターン 対話のことば:オープンダイアローグに学ぶ問題解消のための対話の心得 プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための 企画のコツ32 おもてなしデザイン・パターン インバウンド時代を生き抜くための「創造的おもてなし」の心得
2018年3月1・2日に早稲田大学で開催される国際学会AsianPLoP2018 (7th Asian Conference on Pattern Languages of Programs)で発表する(ライターズ・ワークショップにかける)論文の2つ目は、「『全体性のたまご』によるデザイン技法:全体から分化させるワークショップとプレゼンテーションのつくりかた」です。僕や井庭研が日々実践し、授業「ワークショップデザイン」で教えている、ワークショップ(そして、創造的なプレゼンテーション)のつくりかたです。 「『全体性のたまご』によるデザイン技法:全体から分化させるワークショップとプレゼンテーションのつくりかた」 (井庭 崇, 宗像 このみ) Abstract: 本論文では、ワークショップやプレゼンテーションなど、参加者(聴き手)の創造的な学びを促す活動のデザイン(設計)において、「全体性」を重
2018年3月1・2日に早稲田大学で開催される国際学会AsianPLoP2018 (7th Asian Conference on Pattern Languages of Programs)でいくつか論文(日本語)を発表する(ライターズ・ワークショップにかける)のですが、その論文、これまでにないかなり面白いものが書けたと思っています。そこで、ここでも紹介したいと思います。(このブログでは、僕がファーストオーサーの論文3本だけ紹介しますが、この他にも、創造的読書のパターン・ランゲージやパターン・アプリなど、井庭研の成果の論文も発表されます。) 最初の論文は、「パターン・ランゲージによる無我の創造のメカニズム:オートポイエーシスのシステム理論による理解」です。ここ数年僕が興味をもってきたテーマを扱った本格的な論文です。「無我の創造」(egoless creation)とは、自分の身体や感覚を
井庭研では、以下の本で語った・書いたことをベースとして活動しています。春休み中に、以下の本を読んでおいてください。 『パターン・ランゲージ: 創造的な未来をつくるための言語』 (井庭 崇 編著, 中埜 博, 江渡 浩一郎, 中西 泰人, 竹中 平蔵, 羽生田 栄一, 慶應義塾大学出版会, 2013) 『社会システム理論:不透明な社会を捉える知の技法』(井庭 崇 編著, 宮台 真司, 熊坂 賢次, 公文 俊平, 慶應義塾大学出版会, 2011) 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』 (井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016)の第1部 すでに授業の課題として読んだことがある人も、井庭研に入るにあたり、より深く理解をするつもりで再読してください。継続生もパターン・ランゲージやスタイル・ランゲージ作成の経験の上で読むと、理解でき
僕は、いま行なっているパターン・ランゲージの研究や社会システム理論 / 創造システム理論の研究を通じて、未来の社会をかたちづくる「新しい学問」をつくることに寄与したいと考えている。 学生時代、当時できたばかりの慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)で学び、研究し、現在はここで教員をしている。SFCという既存学問分野にとらわれない研究・教育の場にいたからこそできる知と方法の探究を、さらに推し進めたい。 未来の社会をつくる「新しい学問」とは、どのようなものだろうか。それを考えるために、ここでは次の3つの軸で構成される空間を考え、位置づけを試みたい。ここでは、この空間を「Vision Cube」と呼ぶことにしよう。 以下、走り書きのようなかたちになってしまうが、いま考えていることをまとめておくことにしたい。 (1) Academic-oriented ←→ Issue-oriented (2)
慶應義塾大学SFC(湘南藤沢キャンパス)の授業「創造社会論」(担当:井庭 崇)では、毎週、これからの社会をつくる創造的な活動・生き方をしているゲストをお呼びして、対談をしてきました。 この授業は、教員やゲストのモノローグではなく、その場で生成される「ダイアローグ」(対話)を聞き、参加するなかで学ぶという授業。そして、最後にはそれを、今後自分が実践したり語ったりしやすいパターン・ランゲージの形式でまとめるという授業です。 2014年から始まり、5年行い、34回 計38人のゲストの方と語り合いました。 この授業は、すべての回の映像が公開されています。 興味があるところから、ぜひご覧ください。 「創造社会とパターン・ランゲージ」 井庭 崇 レクチャー (2017年4月)【映像:前半/ 後半】 「デザイン」 水野 大二郎 × 井庭 崇 対談 (2014年4月)【映像:前半/ 後半】 「空間」 中川
僕がパターン・ランゲージのパターンを仕上げるときに、こだわって意図的にしていることがある。それは、主語(人称代名詞)をうまく抜いて、内言(inner speech)的に読めるようにするということである。 これは日本語だから成し得ることであり、日本のなかでもそのことにこだわってパターンを書いている人にはこれまでに会ったことはない。 例えば、僕らがつくったパターン・ランゲージ『旅のことば』の「なじみの居場所」のSolutionは、次のものである。 自分ひとりで行けて、家族も知っている行きつけの場所をつくります。すでにそのようなお気に入りの場所があれば、そこを自分の《なじみの居場所》だと家族に伝えておきます。まだない場合には、家の近くの喫茶店や小さな美術館など、居心地のよさそうな場所を探すことからはじめます。家族や友人と一緒に探すと安心です。よさそうな場所が見つかったら、その場にいる店員さんや常
2016年4月1日に、翔泳社より『プロジェクト・デザイン・パターン』を出版しました。 『プロジェクト・デザイン・パターン:企画・プロデュース・新規事業に携わる人のための企画のコツ32』(井庭 崇 , 梶原 文生, 翔泳社, 2016) この本では、「企画のコツ」をパターン・ランゲージの形式で、32パターン紹介しています。 これらのパターンは、キッザニアなどの空間デザインを手がけたUDS株式会社の創業者・�現会長の梶原文生さんの企画のコツについて、何度もインタビューを行い、そこから井庭研の方法をつかってパターン・ランゲージとしてまとめたものです。 事例は建築に関わる話がほとんどですが、すべての分野の企画に通じる話です。 この本は、翔泳社のPOD(Print On Demand)書籍で、現在は Amazon.co.jp のみで購入可能です。 ぜひ読んで、それぞれの分野で活用してみてください。反
一昨日、書店で出会った『天才たちの日課: クリエイティブな人々の必ずしもクリエイティブでない日々』は、いままさに僕が求めていた本だった。 最近「書く」ということにまつわるパターン・ランゲージをつくり始めていて、これには作家たちがどのような生活を送っていたのかということが含まれる。この本には、小説家、詩人、作曲家、思想家など、なんと 161人の創作生活のスタイルが紹介されている。1人あたり1ページ〜3ページくらいで、伝記やインタビューからの引用も多い。 ふだん自分の好きな作家のエッセイや伝記は読んでも、なかなか幅広く情報を収集するのは難しい。そのとき、本書のような文献は、その幅を広げてくれるので本当に助かる。しかも、1人あたりの記述が短く、創作生活のスタイルだけに注目して書かれているため、共通点がつかみやすい。 この本を読んで、まず感じたのは次のことである。 �� それは、午前中に書いている
先日、ロイス・ホルツマンの『遊ぶヴィゴツキー:生成の心理学へ』 (Vigotsky at Work and Play)を読んだ。異色のヴィゴツキー研究者でありアクティビストである著者が、通常着目されるのとは異なる仕方でヴィゴツキーに着目し、ソーシャルセラピーや即興的なパフォーマンスと絡めて論じている本である。 この本のスタンスというか方向性に、僕はかなり共鳴する。そして、そこで取り上げられるヴィゴツキーの引用やその解釈にしびれた。 例えば、本書で何度も取り上げられるヴィゴツキーの次の言葉。 探求の方法は、人間独自の心理活動の形態を研究するという企図にとって、最大限に重要な問題となる。この場合、方法論は、前提であると同時に産出物でもある。つまり研究の、道具であると同時に結果そのものなのだ(Vygotsky, 1978, p.65) これを受けてホルツマンは、「私たちはヴィゴツキーの道具と結果
<< July 2024 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >> 最近、パターン・ランゲージの研究・実践の経験を踏まえて、「フューチャー・ランゲージ」(Future Language)という新しい方法を構築中である。今年の春頃に僕が言い始めて、現在も構築中なのだが、徐々に実践も開始しているので、現段階の考えを一度まとめておくことにしたい。 「フューチャー・ランゲージ」(Future Language)とは、未来ヴィジョンを、パターン・ランゲージのパターンのように小さな単位で記述する方法である。パターン・ランゲージでは、過去の成功例に見られる共通パターンを言語化するが、フューチャー・ランゲージでは、未来ヴィジョンを構成する要素を言語化する。 フューチャー・
パースの「プラグマティズム」と「探究」 前回の考察に引き続き、チャールズ・S・パーズの「プラグマティズム」と「探究」の考え方から、パターン・ランゲージについて考えてみたい。 今回は、『パースのプラグマティズム』(伊藤邦武)と『プラグマティズムの思想』(魚津郁夫)を手引きとして、パースのプラグマティズムと探究についてみていくことにしたい。 プラグマティズムでは「行為」と「思考」のむすびつきに注目する。その特徴を伊藤は次のようにまとめている。多くのプラグマティストが掲げるテーゼは「人間の『思考』とはそれ自体で意味を生み出す独立した内的過程ではなくて、むしろ本質的に『行為』と結びついたものである」ということである。 パースは、「思考のはたらきは、疑念(doubt)という刺激によって生じ、信念(belief)が得られたときに停止する。したがって信念をかためることが思考の唯一の機能である」と考え、そ
パースの「アブダクション」 井庭研の必読文献の一つに『アブダクション:仮説と発見の論理』(米盛裕二, 勁草書房, 2007)がある。プラグマティズムの創始者であるチャールズ・サンダース・パースの提唱する推論概念「アブダクション」をわかりやすく魅力的に紹介している本である。今回はこの米盛裕二『アブダクション:仮説と発見の論理』を手引きとして、アブダクションとパターン・ランゲージの関係について考えてみたい。 パースは、推論の種類として従来から言われてきた「演繹」(deduction)と「帰納」(induction)に加えて、「アブダクション」(abduction)という推論形式を見出し、それが科学的思考において重要な役割を担うと主張した。 「推論」とは「いくつかの前提(既知のもの)から、それらの前提を根拠にしてある結論(未知のもの)を導き出す、論理的に統制された思考過程のこと」(米盛)である。
アマルティア・センとの再会 アマルティア・センの著作は、15年ほど前に初めて読んでからというもの(当時の僕は新しい経済学の潮流と方法論についての研究をしていた)、研究のなかで様々なかたちでセンに再会し、3年おきぐらいに再読している。今回のきっかけは、ヒラリー・パトナムの文献を読んでいるときであった。 最近、パターン・ランゲージ3.0をプラグマティズムの考え方と結びつけて考えたいと思い、その手の文献を読み漁っている。そして、ヒラリー・パトナムの『事実/価値二分法の崩壊』を読んでいるときに、再びセンに出会った。 この本では、現在の私たちの思考・思想の奥に根付いている事実と価値の二分法、つまり「事実の認識は客観的であるが、価値判断は主観的なものである」という考え方に異議を唱えている。パトナムいわく「事実の知識は価値の知識を前提する」というわけである。 その著作の冒頭からアマルティア・センが登場す
井庭研では、井庭研での研究活動に関係が深い書籍を50冊選び、在学中に読んでもらうことにしています(その50冊のリストは、「井庭研 必読文献リスト(2014年1月更新版)」にあります)。 2014年1月時点での39名の読破状況を調べ、まとめてみました。 グラフ:各人の読破冊数[クリックで拡大] これを見るとわかるように、50冊を読破した人は3人だけでした。40冊台が5人なので、間もなく50冊完了するでしょう。 これを学年別に見ると、以下のようになります。全体的としては、学年が上であるほど読んでいる冊数は多い傾向にありますが、個々に見ると、学年が下でも上の学年の人よりも多く読んでいる人もいます。学年内でみると、どの学年でも最高と最低の差が20冊ほどあります。これはひとえに、日々自分で読み進めているかどうかの違いでしょう。(約1年前にアナウンスをしたため、まだ移行期の段階なので、4年生でも50冊
井庭研 必読文献リストを若干変更・加筆し、2014年1月更新版のリストをつくりました。 修正点は、以下の通りです。 書籍『形の合成に関するノート』と論文「都市はツリーではない」が合本として出版されたので、それらを合わせて1冊としました。 それによって減った1冊分として、新たに『言葉の箱:小説を書くということ』(辻邦生)を追加しました。 『Fearless Change』の翻訳が出版されるので、その情報を追加しました。 翻訳本には原著の情報を追加しました。 井庭研 必読文献リスト(2014年1月更新版) 「創造社会を支える方法・道具をつくる」研究活動を行う井庭研の必読文献50冊を選びました。井庭研の研究活動は、これらの文献で論じられていることや提唱されている概念をベースに行われています。よりよい成果を生み出すために、井庭研在籍中の早い段階でこれらの文献を読み進め、知識を身につけ、考えを深め、
2013年秋に、SFC生協で「SFC生なら読んでおきたい10冊の本」というブックフェアが開催されました。教員が、あるテーマのもと、SFC生におすすめする本を10冊選ぶという企画で、その第一弾として僕が10冊選びました。僕が掲げたテーマは「創造的であり続けるために」というものです。 こういう企画はぜひ現場で本を手に取ってほしいので、僕はネットに情報を書かない方針なのですが、フェアが終わったので、ここに選んだ本と理由を書き残しておきたいと思います。10冊のうち数冊ずつ取り上げて紹介していきます。 興味が出た本は、ぜひ入手して読んでみてください。 ●『未来を創るこころ』(石川 忠雄, 慶應義塾大学出版会, 1998) 1980年代に慶應に新しい学部(後にSFCで開設される総合政策学部・環境情報学部のこと)をつくることを構想した当時の塾長 石川忠雄先生の本です。石川先生は、4期16年間慶應義塾の塾
2013年11月22日・23日に、六本木・東京ミッドタウンで、SFCの研究発表フォーラムである「ORF」(オープン・リサーチ・フォーラム)が開催されます。 今年は、僕と井庭研関係では、パターン・ランゲージについてのトークセッションが3つ、井庭研の展示ブースが6カ所、高校生向けのトークセッションが1つあります。 それぞれの企画については、今後、詳細情報を書きたいと思います。 まずはこの2日間、ぜひ会場にお越し下さい! 慶應義塾大学 SFC OPEN RESEARCH FORUM "創のbazaar" 2013.11.22 (金) - 23 (土・祝) 東京ミッドタウン ホール&カンファレンス(六本木) http://orf.sfc.keio.ac.jp/ SFCを体現する言葉の一つに「創」があります。創には、創造、創発、創意、創見など、はじめる、つくるという意味があります。まさに、常に新結合
「創造社会を支える方法・道具をつくる」研究活動を行う井庭研の必読文献50冊を選びました。井庭研の研究活動は、これらの文献で論じられていることや提唱されている概念をベースに行われています。よりよい成果を生み出すために、井庭研在籍中の早い段階でこれらの文献を読み進め、知識を身につけ、考えを深め、感覚を磨いてください。 遅くとも3年生の終わりまでに、すべての文献を読み終わることが、4年生の「卒業プロジェクト」開始の前提条件となります。また学年に関わらず、1年以上在籍して「自主プロジェクト」を立ち上げる場合にも、これらの文献を読んでいることが求められます。 「井庭研 必読文献一覧(2012年12月現在)」のリストにもとづいて既に読み進めてきた人は、それらの文献と以下の文献を合わせて50冊読破すれば、目標達成ということにします。 以下のリストでは、【井庭研の基本の基本】、【パターン・ランゲージ】、【
僕が、創造社会(Creative Society)における「未来をつくるための基本スキル」として考えているのは、次の3つである。 ・Fab(パーソナル・ファブリケーション) ・PL(パターン・ランゲージ) ・SI(ソーシャル・イノベーション) ■創造社会における「未来をつくるための基本スキル」 Fab(パーソナル・ファブリケーション)で物理的なモノができて、PL(パターン・ランゲージ)で認識・感覚・方法がシェアされ、SI(ソーシャル・イノベーション)で仕組みがつくられる。これらが、未来をつくるための基本スキル(広義のリテラシー)だと僕は考えている。 Fab(パーソナル・ファブリケーション)が、創造社会における、人々の「ものづくり」だというのは、わかりやすい。 PL(パターン・ランゲージ)も、一部の専門家がつくっているうちは、創造社会という文脈では面白くない。多くの人が自分たちで自分たちのコ
僕の創造システム理論では、「創造」は「発見」(小さな発見、気づき)の連鎖だと捉える。 つまり、ある活動やプロセスが「創造的」(creative)であるというのは、「発見」が次々と生まれているかどうか、だと考えるのである。「発見」が途絶えてしまい、もう生み出されなくなってしまった活動・プロセスはもはや創造的と言うことはできない。 このとき、得られた発見の内容や、生み出した成果が、社会的に見て、新規性があったり、価値があるものか、ということは、ひとまず問わない。それは、創造の観点ではなく、社会的な観点だからである。 なぜそのように考えべきだと考えたかというのを、二つの話でしたいと思う。 ひとつめは、子どもが登場人物である。「積み木」で遊んでいた子が、しばらくしてその積み木でドラムのように音を出したとする。それに合わせて、誰かが歌を歌ったとしよう。この子たちは、創造的だろうか? 僕はその子たちは
アレグザンダーの本『オレゴン大学の実験』には、「マスタープラン」に代わる「診断」の原理が論じられている。昨年から井庭研で取り組み始めている診断システムとの関係を考えてみたい。 何かをつくるとき、マスタープラン、つまり基本計画をつくるのが一般的だが、そのようなマスタープランでは、ひとつの「全体」というものを創造できない、とアレグザンダーは言う。部分を集めた総体性(totality)を生み出すことはできても、全体性(whole)は創造できないという。 全体性は有機的秩序としてのみ形成可能であり、有機的秩序は漸進的成長によって生み出される。アレグザンダーは有機的秩序を「部分の要求と全体の要求との間に完璧なる均衡が存在する場合に達成されるような秩序である」、漸進的成長とは「ごく小さな歩調で前進していくような成長」であると定義する。 同書でアレグザンダーは「有機的秩序の原理」を提案する。 「計画と施
僕は、パターン・ランゲージの進化を、「3つの波」で捉えている。ここで「波」と呼ぶのは、このパターン・ランゲージの進化が断絶的な移行を意味するのではなく、段階が進むごとに新しい特徴が加わっていく加算的な発展であるためである。 そして、これらの波それぞれに、便宜上の名前をつけている。アレグザンダーによって提案された建築分野でのパターン・ランゲージが「パターン・ランゲージ 1.0」、その後ソフトウェアの領域に輸入・展開されたときのものが「パターン・ランゲージ 2.0」、そして、人間活動のパターン・ランゲージが「パターン・ランゲージ 3.0」である。 この3つの波は、「デザインの対象」「デザインの特徴」「ランゲージの使い方」という3つの視点で比較することで、それぞれの特徴が明らかになる。 (クリックで拡大) 1. デザインの対象 3つの波を捉える第一の視点は、「デザインの対象」である。まず、パター
これまで井庭研で作成してきたものは、人間行為(human action)のパターン・ランゲージだった。学び、プレゼン、コラボレーション、いきいきと美しく生きる、社会変革などなど。これらのパターン・ランゲージを、僕は「パターン・ランゲージ3.0」と呼んできた。 パターン・ランゲージ3.0の「3.0」としたのは、それ以前の「1.0」と「2.0」と僕が呼ぶものとの対比を明確するためであった。1.0は、アレグザンダーたちの建築のパターン・ランゲージ、2.0は、ソフトウェアや組織のパターン・ランゲージである。 これまで僕は、パターン・ランゲージを、1.0 + 2.0 + 3.0というかたちで捉えてきたが、これに、新たに 4.0 を加えたいと思う。「パターン・ランゲージ4.0」(Pattern Language 4.0)である。 (クリックで拡大) パターン・ランゲージ4.0は、「社会・コミュニティ」
「創造社会を支える方法・道具をつくる」研究活動を行う井庭研において、必読だと思う文献を選び、リストをつくりました。 ほかにも重要な文献はたくさんあるのですが、特に重要だと思う約50冊を厳選したつもりです。文献は、【パターン・ランゲージ】と、【創造理論】【システム理論】【社会論】のカテゴリに分かれています。 井庭研在籍中の早い段階でこれらの文献をすべて読み、知識を身につけ、考えを深めてもらい、これらの文献を読んで理解していることが、「自主プロジェクト」の立ち上げや「卒業プロジェクト」の受け入れに求められます。 【パターン・ランゲージ】 (パターン・ランゲージの歴史) 『パターン、Wiki、XP:時を超えた創造の原則』(江渡浩一郎, 技術評論社, 2009) 『クリストファー・アレグザンダー:建築の新しいパラダイムを求めて』(スティーブン・グラボー, 工作舎, 1989) 「パターンランゲージ
Creative Media Lab:創造社会を支える方法・道具をつくる (防災、日本的方法、グローバルな生き方、政策、経営、教育、美の支援、診断システム、映像) Creative Media Lab: Designing Novel Methods and Tools for Creative Society 井庭 崇: A型(木曜4・5限) 【重要な日程】 2013年1月15日(火)井庭研説明会(6限)@ λ23教室 ※どちらかの説明会に参加が必須 2013年1月21日(月)井庭研説明会(6限)@ λ23教室 ※どちらかの説明会に参加が必須 2013年1月26日(土):一次エントリー〆切 2013年2月2日(土):最終発表会 @ 大学院棟τ12教室 ※参加必須 2013年2月4日(月):最終エントリー〆切 2013年2月上中旬:面接 【目的・内容】 本研究会では、「創造社会」(Crea
パターン・ランゲージはマニュアルやハウツー本とどう違うのか、という質問をよく受けた。最近はあまり聞かれなくなってきたけれども、4、5年前はむしろこの質問しか来なかった。この質問には実はなかなかうまく答えられなかったのだけれども、最近、ようやく納得できる説明ができるようになってきた。 僕らがパターン・ランゲージで目指しているのは、「これをこの手順でやるべし」というひとつの大きな枠にはめ込むことではなく、「いまの自分のやり方をベースとしながら少しずつ拡張・成長していくことの手助け」をすることだ。たくさんのパターンを含むパターン・ランゲージを前にしたときに、すべてのパターンを実践しなければならないという強迫観念を持たないようにしてほしいと思っている。 パターンは、こうしなければならないというルールではなく、いまの自分らしいやり方を少しずつ拡張していくためのヒントだからだ。「大きな枠にはめ込んで自
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