時期的には初期映画の時代から1960年代半ばまで及び、地理的にはヨーロッパ(フランス、ドイツ、帝政ロシア)、アジア(日本、上海、香港、マレー半島)、そしてアメリカに関わる、東西の映画史における「越境」の6つのケース・スタディを通じて、ナショナルな枠組みを乗り越えた映画史を構想する。 目次 目 次 はじめに (堀 潤之) 第1部 映画は越境する 第1章 歌い、悲しみ、覚醒するカチューシャ ―トルストイ『復活』と中国語映画 (西村正男) 第2章 越境するスターダム ―帝政ロシアと日本におけるマックス・ランデ―の受容 (大傍正規) 第3章 中国人を描くべきは誰か ―アメリカ対中映画貿易をめぐる表象の政治学 (菅原慶乃) 第2部 越境する映画人たち 第4章 ナショナル・シネマの隙間に ―1920年代のマレー半島における中国系移民の映画製作に ついて