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熱量の算出方法は、食品表示基準について(平成27年3月30日 消食表第139号)(以下、食品表示基準)における算出方法と日本食品標準成分表2015年版(七訂)(以下、食品成分表)における算出方法では異なる。それは、熱量の算出の際に使用する換算係数が異なること、また、含有される食品成分によっては、どの成分をどこから差し引くかが異なることなどがあげられる。 食品表示基準において分析結果に基づいて熱量を算出する方法では、定量したたんぱく質、脂質及び差し引きによって得られた炭水化物の量にそれぞれ指定のエネルギー換算係数を乗じたものの総和とするとされている。また、糖質と食物繊維の含量を表示する場合においては、糖質と食物繊維の量にそれぞれ指定のエネルギー換算係数を乗じたものの総和を用いて計算すると定められている。 一方、食品成分表における熱量の算出方法では、可食部100g当たりのたんぱく質、脂質及び炭
タウリンと言えば、栄養ドリンクに含まれる栄養成分として名前が知られており、化粧品、シャンプー、粉ミルク、キャットフードなどにも添加されているが、これらはすべて化学合成されたものである。タウリンは、もともと哺乳類をはじめ生物の体内に存在するアミノ酸誘導体であり、浸透圧調節、タンパク質安定化、Ca2+調節、抗酸化・抗炎症作用などを介して生体の恒常性維持において重要な役割を果たしていると考えられている。生体のタウリンは体内で生合成されるか、摂取する食物を介して補給される。食材の中では、タウリンは魚介類に豊富に含まれる。タウリンの腸管での吸収や細胞内への取り込みには、特異的なタウリン輸送体(タウリントランスポーター)が関与している。タウリンはほぼ全身の細胞に分布しているが、心臓、肝臓、腎臓、脳、筋肉、網膜などに高濃度で存在し、免疫細胞(好中球など)における濃度はミリモルオーダーに達する。ヒトではこ
次亜塩素酸(HOCl)は、食品産業や医療・介護施設で洗浄・殺菌剤として長年汎用されてきた次亜塩素酸ナトリウムの活性因子である。次亜塩素酸ナトリウムは、酸化作用を示す強アルカリ性溶液であり、多くの食中毒菌や病原菌、ウイルスに対して速効的な不活化効果を持つことが特長である。最近では、希薄な食塩水や塩酸を電気分解して調製する次亜塩素酸水や、次亜塩素酸ナトリウムと塩酸を水道水に混合希釈して安全に調製する弱酸性の次亜塩素酸水溶液の使用が普及し始めている。 ここでは、食中毒細菌およびウイルスの制御対策を目的として各種の次亜塩素酸水溶液を正しく活用するための洗浄・殺菌メカニズムに関する基礎知識を解説した後、次亜塩素酸水溶液を微細粒子状に霧化して噴霧する殺菌法について触れてみたい。 次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)は、工業的には水酸化ナトリウム溶液に塩素ガスを吸収させて製造されている。一般に、市販品の次
昨年、SUNATEC e-Magazine vol.139(2017年10月号)において、「不確かさ評価入門」と題して、測定の不確かさに関する必要性や、概要の解説を行ったが、今回はもう少し不確かさの算出法についての解説を行いたいと思う。ただ、「初級編」と銘打っているように、あまり複雑な内容については触れず、不確かさ評価の原理を知っていただくため、平易な内容にとどめている。また不確かさ評価と切っても切り離せないのが統計的手法である。本稿では不確かさ評価に必要な統計的手法についても解説する。 「不確かさ評価入門」にて不確かさについて簡単に解説したが、本項で不確かさの算出法の解説をする前に、簡単に振り返っておこう。 GUM1)に規定された不確かさの定義は、 不確かさ・・・測定の結果に付随した、合理的に測定対象量に結び付けられ得る値のばらつきを特徴付けるパラメータ。 というものであった。つまり測定
食品が微生物の働きによって次第に味やにおい、テクスチャー、外観などが変化していく現象はあるときは腐敗と呼ばれ、あるときは発酵と呼ばれる。いずれも食品がおかれた環境や食品成分に適した微生物が増殖して食品成分を分解することで生じる現象である。 発酵は、ヨーグルトや酒のように、糖類が分解されて乳酸やアルコールなどが生成されるような場合が分かりやすい。一方、魚や肉でみられるように、タンパク質やアミノ酸などの食品成分が分解され、硫化水素やアンモニアのような腐敗臭を生成し、最後には食べられなくなってしまう現象は腐敗と呼ばれる。 しかし、タンパク質やアミノ酸が分解される場合が腐敗で、糖類が分解される場合が発酵かというと、そうではない。腐敗はタンパク質を多く含む食品で顕著であるが、それだけでなく、米飯や野菜、果実類などでもふつうにみられる。また原料が同じでも、蒸した大豆に枯草菌を生やして納豆が作られる場合
食品の苦情は食品関連の業務に携わっている人にとっては悩ましい問題である。しかし、一向に減少する気配はない。東京都福祉保健局食品監視課は東京都、特別区、八王子市及び町田市に寄せられた食品等による苦情を分類集計して毎年まとめてインターネットで公開をしている。 異物を見つけた時や食べている時に何かおかしいと感じた時は多くは販売店に苦情をいう、あるいはメーカーに電話や直接持ち込むことが多いために実際どの程度の事例があるかは不明であるが、都の集計によって傾向はわかる。 東京都立衛生研究所(現:東京都健康安全研究センター)の食品関連部門に長年勤務していた著者も苦情食品には仲間と共にかなり悩まされた。苦情の大半は保健所等で解決されるが、苦情者が納得をしないものや蛍光X線や電子顕微鏡、液体クロマトグラフ/質量分析計等高額な機器を使用する必要がある場合は研究所に搬入される。搬入された異物等の検体はまず食品そ
パンのクラストの水分は32~35%でクラムの水分は40~45%と比較的多いために極めて変敗しやすい。また最近のパンのソフト化志向により焼成方法も変わり、クラストの焼きが甘く、クラムの微生物変敗し易くなっている。生地中や焙炉中でのパン酵母の発酵や挙動、細菌の増殖により風味に影響を与える。これらの発酵生産物でパンの風味に関与するものはアルコール、有機酸、エステル、カルボニル化合物であり、主としてパンの焙焼工程における風味生成の前駆物質の役割が大きい。生地中で乳酸菌、大腸菌群による酸発酵は時間が長引くと過度に傾き、酸度の多い生地またはパンとなる。この時期にタンパク質分解酵素を産生する細菌が増殖すると生地の分解が進むためにガス保持力が低下し、粘性ある生地、不快な風味を生成する。パンにおける最も重要な変敗はカビである。カビは焙焼ですべて死滅しているが、焼き上げ後の冷却工程以降の工程で空中落下菌、器具
アルコールと普通に称しているのは、食品業界ではエチルアルコール(エタノール)を指している。時には酒類一般を指し、また化学的に水酸基を持った物質を指すものである。現在、食品工業はもとより、環境衛生工業、化学工業等広い範囲で利用され、このような広範囲な用途のうち、飲食料関係あるいは薬局方アルコールなど、人体に直接的に使用されるものには発酵法によるアルコールが用いられている。微生物の増殖抑制剤としてのエタノールは非常に古い時代より経験的に用いられて発展してきた。食品保存としては低濃度アルコールが食品に添加されて保存期間の延長に確認され、更に他の保存性向上剤との併用による殺菌効果増大が認められた。これらの食品品質保持剤としての利用の他に、食品工場での二次汚染防止、従業員の手指の消毒、食品製造加工装置・機械及び器具の殺菌及び除菌に利用されている。アルコールは各種細菌やカビの他にウイルスにも作用するが
「食品衛生法等の一部を改正する法律」で、ポジティブリスト制度が平成15年(2003年)5月30日公布され、公布後3年以内に導入することとされました。その結果、ぎりぎりの平成18年(2006年)5月29日に施行されました。ちょうど3年以内でした。 食品中に残留する農薬等については、これまで食品衛生法に基づき残留基準を設定していましたが、従来のネガティブリスト規制(原則規制なし、規制するものには基準値設定)では残留基準が設定されていない農薬等を含む食品に対する規制は、高濃度汚染を除いて困難であるという問題がありました。本来、農薬は生産現場で使用されるものであり、農産物管理は食品衛生法の範疇ではありません。農林水産省が適用作物を決めて、生産者が適正に使用するならばほとんど問題の起こることはありませんし、毎年農水省が実施している農薬使用状況、それにともなう残留農薬検査の結果(国内産農産物における農
そもそも、原子力発電所の事故以前、私たちは放射能ゼロの世界で暮らしてきたわけではない。原子力発電所の事故以前からの、わが国における自然界からの被曝放射線量は1.5mSv/年であり、体重65kgの日本人男性の体内には、炭素、カリウムなどの放射性物質が7,900Bq含まれている。世界平均はわが国平均よりも1mSv/年ほど高い2.4mSv/年である(図1)。こうした事実があるにもかかわらず、食品には極めて高い関心がよせられており、一部には過剰と思われる反応も見受けられる。 図1 自然放射線から受ける線量 放射性物質の食品への影響を議論する際に、そのリスクの大きさ(程度)を把握しておくことが重要である。国立がん研究センター予防研究部長の津金氏によれば、放射線量100mSv以上では、線量に応じて発がんリスクが増大するものの1000mSv程度までは、喫煙、飲酒、運動不足など生活習慣によるリスク増大と同
「動物の臓器を生食するのは愚の骨頂だ。腸管に生息する食中毒菌に感染するリスクだけではない。プリオンや未知のウイルスなど将来何年も経ってから発病するリスクもある。」と焼肉店で一人のプリオン研究者から小生は注意されたことがある。1995年3月のことである。その1年後の1996年3月、英国で若い人々に発生する変異型クロイツフェルト・ヤコブ病の原因は、BSE(牛海綿状脳症)の原因物質であるプリオンが人に感染した可能性を否定できないことが公表された。 また、日本でも1996年初夏から腸管出血性大腸菌O157食中毒が、世界で例を見ない規模で大流行したことはまだ記憶に新しい。その後2001年秋には日本でもBSE発生が確認され、またこの頃から豚レバーの生食によってE型肝炎ウイルス感染症が報告されるようになった。小生は1995年以降牛レバーの生食はしていないが、これまでの食肉関連の様相は、プリオン研究者の指
1979年3月、三重県熊野保健所技師であった小生は、研修旅行で磯部町的矢にある佐藤養殖場を見学した。かきとの初めての出会いであった。佐藤養殖場の創業者である佐藤忠勇さんから、かきの生理生態や浄化施設の説明を受け、またプランクトン研究などの施設であり自らが所長である的矢湾養蠣(ようれい)研究所を案内していただいた。 “かきは1時間に約18リットルの海水を濾過し、プランクトンを鰓で濾して食べる。しかし、かきは消化器系伝染病のリスクがあるので、この習性を利用して紫外線殺菌した海水で約20時間浄化する。これで大腸菌が全くいない無菌のかきとなり安心して食べることができるのです。”佐藤忠勇さんは、かきの筏垂下養殖方式を完成させ、また日本で最初にかきの浄化システムを開発し、1955年に特許を取得した。その後浄化かきの量産化、“清浄的矢かき”としてその事業化とブランド化に成功した。当時91歳とは思えない颯
ヒスタミンによる食中毒は戦後まもなく国内各地で多発した。最近は年間数件、患者100名に減少しているが、どういうわけか、平成20年は急増し、発生件数22件、患者数462名であった(図1, 表1)。とくに学校や保育所などでの給食によるものが多い。その後も平成21年1月には札幌市の小学校で患者数259名の大規模な事件が発生している。 この食中毒はヒスタミンを高濃度含む食品を摂取した場合に、ふつう、食後30~60分位で、顔面、とくに口のまわりや耳たぶが紅潮し、頭痛、じんま疹、発熱などの症状を呈するもので、重症になることは少なく、たいてい6~10時間で回復する(抗ヒスタミン剤の投与により速やかに全治する)。そのため食中毒としての届出は少ないが、今でも家庭などでの小規模な事例は多発していると思われる。
「衛生規範」は、食生活に密着した食品であり、加熱等の処理がされることなくそのまま食べることができる「弁当・そうざい」などの食品について、食中毒の発生の未然防止のため営業者の指針として厚生労働省が定めているものです。 これまで、「弁当・そうざい」のほか、「漬物」「洋生菓子」「セントラルキッチン/カミサリー・システム」「生めん類」などについて定められています。これらの基準は、規格基準とは異なり指導基準です。
一般財団法人食品分析開発センターSUNATECは、確かな技術力と豊富な経験による各種検査・分析、それをもとにした問題提起からご提案まで、食に関する幅広いコンサルティングが可能です。 お客様とともに、食の安全、安心、健康、おいしさをワンストップ・サービスで実現します。
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