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買ってよかったもの
www.newsweekjapan.jp/takeda
先日あるラジオ番組の企画で、「こいつはスゴイ! と思う日本の男を挙げてください」と質問された。パッと思いつかず、5分近く悩んでやっと頭に浮かんだのが「龍馬」と「白洲」と「湛山」。悩んだわりにありきたりなのが情けないが、後から思い返しても、山田方谷や上杉鷹山のように有能で勇敢な人物はいろいろあるが、理屈抜きに単純に「凄い」と感じるのはこの3人と杉原千畝くらいしかいない。 坂本龍馬も白洲次郎も、ドラマや小説で美化された部分がおそらく少なからずあり、豪胆な傑物というイメージ通りの人物だったかどうかは疑わしい。しかし信じるに足る史料だけから判断しても、その視野の広さ、時代におもねらない意志の強さは、近現代に政治の舞台にかかわった男たちの中で突出している。 龍馬も白洲も石橋湛山も強烈なナショナリストでありながら、もっぱら日本だけでなく世界全体をスケールとした枠の中でで国の進むべき道を考えた。情や理想
80年代の終わり、池袋の西武百貨店の地下にあったリブロという書店によく行った。家からわりと近い銀座近辺に教文館、近藤、山下、旭屋、福家、改造社、丸善、八重洲ブックセンターなど大きな書店が数々あったのにわざわざ池袋まで通ったのは、ひとえに品揃えや店の造りがユニークで、訪れて店内をぐるぐると歩き回るたびに脳みそがチクチクと刺激を受けるような気がしたからだ。 その書棚は書店員が意匠を凝らした作品のようで、古今東西の歴史と文化と社会をいろいろな角度から切り取った本が、からみ合うように並べられていた(気がする)。こんな小難しいものを誰が買うのだろうと不思議になる思想書を、目の前で手に取ってレジまで運ぶ人が少なからずあり、ニューアカ華やかなりし時代の空気にかぶれていた自分も背伸びして何冊か買って帰ったが、多くは2、3度パラパラとめくっただけであとはしばらく積んだままになった。 そんなことを思い出しなが
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