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パリ五輪
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東京大学大気海洋研究所 東京大学大学院理学系研究科 概要 中国の長江デルタでは、約7500年前から世界最古の水稲栽培を基盤とした新石器文明が栄えたが、約4200年前に突然消滅し、その後300年間にわたり文明が途絶えた。多くの考古学者や地質学者が研究を行ってきたが、原因について統一的な見解は得られていなかった。 東京大学と日中の研究機関の共同研究グループは、長江デルタの近傍から2本の海洋堆積物コアを採取し、アルケノン古水温分析を行うことで完新世の表層海水温変動を高時間解像度で明らかにした。コア採取地は沿岸の浅海である。沿岸気温は表層海水温と強い相関がある。そのため、表層水温変動の記録から長江デルタの気温変動を定量的に推定することができる。分析の結果、長江文明が途絶えた時期に一致する約4400~3800年前には、大規模かつ複数回の急激な寒冷化(3~4℃の温度低下)が発生していたことが示された。
UTokyo graduate students unveil large batch of new planets found by the Kepler space telescope ジョン・リビングストン(天文学専攻 博士課程3年) 田村 元秀(天文学専攻 教授) 成田 憲保(天文学専攻 助教) 発表のポイント 本学の大学院生が中心となって、一度に44個もの新しい系外惑星を発見(実証)した。これは日本国内で最多の発見数。別の27個も有望な惑星候補。系外惑星専用衛星プロジェクトからの1000個単位での候補天体リリースを除くと、極めて稀な多数発見の成果を大学院生が主導できたことは、系外惑星研究が若い人の活躍できる分野であることを示す。 発見した系外惑星は、比較的明るい恒星まわりの平均2地球半径の小型惑星で、今後詳しく調べることが可能。金星より小さいサイズの惑星も含まれる。 ケプラー宇宙
〜遺伝子の使い回しによる進化的な多様化の制約〜 入江 直樹(生物科学専攻/附属生物普遍性研究機構 准教授) 上坂 将弘(生物科学専攻 博士研究員) 日下部 岳広(甲南大学理工学部生物学科・ 統合ニューロバイオロジー研究所 教授) 倉谷 滋(理化学研究所 主任研究員) 発表のポイント 脊椎動物の基本構造が5億年以上の進化を通して変化しなかった要因として、遺伝子の使い回しから生じる制約が寄与している可能性が高いことを大規模遺伝子発現データ解析から明 らかにしました。 遺伝子の使い回しが、新しい特徴を進化させる役割があることは良く知られていましたが、逆に多様化を制限している可能性が高いことを実験データから示しました。 動物に限らず、さまざまな生物において進化しやすい/しにくい生物の特徴を理解することに貢献すると期待されます。 発表概要 我々ヒトを含む背骨をもった動物(脊椎動物、(注1))は、5億
- “アダム”を作った小さな設計図 “OSU” の発見 - 浜地 貴志(生物科学専攻 元特任研究員) 豊岡 博子(生物科学専攻 特任研究員) 豊田 敦(国立遺伝学研究所 特任教授) 野崎 久義(生物科学専攻 准教授) 発表のポイント 次世代シーケンス(注1)を用いた4生物の全ゲノム解読で緑藻ボルボックス系列(注2) のオスとメスが誕生した直前と直後に相当する生物(図1)の縮小した性染色体領域(注3)の全貌が明らかになり、1個のオス特異的遺伝子“OTOKOGI”(注4)をもつ極小の領域 “OSU” を発見した(図2)。 オスとメスが誕生した直前と直後に相当する生物の性染色体領域をゲノム解読し、オスとメスの誕生に本領域の拡大・複雑化が伴わないことを明らかにした(図3)。 “OSU” がもつ唯一の性特異的遺伝子“OTOKOGI” の進化が最初のオスを生み出す原因であった可能性が示唆され、今後本遺
中村 栄一(化学専攻 特任教授) 原野 幸治(化学専攻 特任准教授) 発表のポイント 19世紀以来、化学者はアボガドロ数(10の23乗)個の分子の平均像から化学反応の速度を決定してきた。今回、数十から数百個の分子の反応を調べるだけで速度と反応機構を決定できた。 一次元に並べた数十の分子の反応を逐次的に原子分解能顕微鏡で追跡して「分子一つ一つはランダムだが総和を取ると一次反応速度式に従う」という量子力学理論の予測を実証した。 顕微鏡を用いて化学反応を記録し解析できることを実証した本成果は、従来の顕微鏡科学の常識を凌駕し、今後、化学、生物学、材料研究における超微量、超高分解能の構造決定の革新的分析手法として新たな研究分野および産業応用を切り拓くことが期待される。 発表概要 東京大学大学院理学系研究科化学専攻の中村栄一特任教授、原野幸治特任准教授、山内薫教授らの研究グループは、確率論的に起こる一
成田 憲保(天文学専攻 助教) 福井 暁彦(国立天文台岡山天体物理観測所 特任専門員) 発表のポイント 観測史上最も熱い太陽系外惑星を発見した。 この惑星の昼面の温度は摂氏4,300度にも達し、恒星(注1)の温度にも匹敵する。 これほど高温の惑星が発見されたのは初めてで、この惑星の大気がどのような性質を持ち、どのような運命をたどっていくのかがこれから研究される。 発表概要 東京大学大学院理学系研究科天文学専攻の成田憲保助教と国立天文台岡山天体物理観測所の福井暁彦特任専門員らの参加する国際研究チームKELT(注2)は、昼面の温度が摂氏4,300度にも達する観測史上最も高温の太陽系外惑星を発見しました。KELT-9bと名付けられたこの惑星は、摂氏およそ10,000度の恒星KELT-9のまわりを約1.5日という短周期で公転しています。非常に高温の恒星のすぐそばを公転しているため、自ら光り輝かない
文章を書くときに決めなければならないことの一つに,どの順序で伝えたい情報を並べるか,ということがある。科学論文の場合は,「アブストラクト」→「序文」→「方法」→「結果」→「結論」→「参考文献」などの順で全体構造がだいたい決まっているが,もっと細かい区切り,特にパラグラフの中やセンテンスの中で何を先に書いて,何を後に書くかについては明確な基準がない。しかし,情報をおかしな順序に並べると,文章が読みづらくなり,「悪文」として非難されることさえある。 次の2例を比較しよう。 (1)First, the sample was immersed in a saline solution. Next, a pipette was used to stir the solution. まず,サンプルは塩水に浸された。次に,ピペットを使ってその塩水がかき混ぜられた。 (2)First, the sampl
the は、英語でもっとも頻繁に使われている単語だけあって、一つだけの意味があるわけではない。辞書で the の定義をわざわざ調べる人は少ないと思うが、引いてみたら十数以上の語義が載っているのだ。しかし、ここで検討したいのは the のさまざまな特殊な意味ではなく、もっとも基本的な意味、多くの辞書で第1語義として説明されている意味だけである。 the の基本意味は次のように説明できる。 【the は文脈、状況、既存知識などから相手がそれと分かる名詞に付ける単語である】 今回は、「文脈、状況、既存知識など」のそれぞれについて説明したい。 まず、「文脈」というのは、同じ文章や会話の中に出ている言葉や叙述だと考えればよい。例えば、科学論文の冒頭に次の文があったとしよう。 In this study, we examined a colony of bees. (この研究では、ハチの群を調べた。)
この間、東京の新宿界隈を歩いていたら、知らない人に英語で話しかけられた。彼はアジア系の外国人のようで、私に次の質問をした。 Can you help me? I'm looking for the department store. (助けていただけますか。デパートを探しているのです) 私は最初、どう返事をすればいいかわからなかった。20年以上日本に住んでいて、新宿の周辺もよく知っているが、その簡単な質問にすぐに答えられなかった。理由は the だ。 the は、英語でもっとも使用頻度が高い、意味がもっとも深い単語である。それにもかかわらず、日本人など、英語を母国語としない人にとっては、もっとも使いにくい英単語だと思う。私が新宿で混乱したのは、出会った人が英語のネイティブではなく、彼の the の使用が間違っていたからだ。 the department store の the で何が間違っ
the を名詞の前に付けると,読者は具体的にどのものが指されているかを知っているという前提になる。言い換えれば,どれが指されているか読者が分からないときに,the を使うべきではない。そのため,英文を書くときには,読者の知識を常に考慮しなければならない。 前回で説明したように,読者の知識は,その読者が以前から知っていること,または同じ文章の前に書いてあること,文章に付いている図,表,写真などから由来することが多い。しかし,その他に,誰でも知っている常識,または常識ですぐ推測できることも「読者の知識」だから,その場合も the を付けなければならない。 例えば,論文で実験を説明するときに,次のような文章はよくある。 A marble was put into the solution. Ten minutes later, bubbles were observed on the surfa
2024年度 学部聴講生 本学部の授業科目(実験・実習・演習及び教養学部第2学年の専門科目を除く)を聴講しようとする者があるときは、学生の修学に妨げがないときに限り、聴講生として聴講を許可する。聴講は学期又は学年ごとに許可する。聴講生に対しては、聴講した科目の試験を行わない。 聴講資格 大学卒業相当の学歴を有する者で、官公庁又はその他の企業等の委託がある者 日程 2023年11月1日(水)学部聴講生出願要項配付開始 2024年2月2日(金)出願〆切(Sセメスター、S1・S2ターム、通年聴講分) 2024年3月上旬 結果通知(Sセメスター、S1・S2ターム、通年聴講分) 2024年5月31日(金)出願〆切(Aセメスター、A1・A2ターム聴講分) 2024年7月下旬 結果通知(Aセメスター、A1・A2ターム聴講分) 注意事項 内諾で許可となった科目のみ聴講生として出願することができる。 聴講時
国際アフリカツメガエル・ゲノムプロジェクト・コンソーシアム 《 代表:平良 眞規(東京大学)、ダニエル・ロクサー & リチャード・ハーランド(カリフォルニア大) 》 発表のポイント 2種類の祖先種が異種交配して「全ゲノムが重複」したとされるアフリカツメガエル。その複雑なゲノムの全構造を明らかにした。これにより、ついに全ての主要モデル生物のゲノム情報が出揃った。 祖先種から受け継いだ2種類のゲノム(サブゲノム)を特定することに成功し、約1800万年前の「全ゲノム重複」の後に、ゲノムがどのように進化したかを初めて明らかにした。 本ゲノム情報は、生命科学の発展に多大な貢献をするだけではなく、約5億年前に脊椎動物が誕生する過程で起きたとされる「全ゲノム重複」の謎を解く鍵、ロゼッタストーンとなる。 発表概要 さまざまな生物の全ゲノム解読は、全遺伝子の解明を通じて広く生命科学に寄与するとともに、生物進
中野 純(生物科学専攻 大学院博士課程) 清水 貴美子(生物科学専攻 助教) 深田 吉孝(生物科学専攻 教授) 発表のポイント マウスの不安行動は一日の中で時刻によって変化し、脳内の扁桃体に発現するSCOPと いうシグナル伝達因子がこの制御に必須であることを見いだしました。 SCOPが不安制御に重要な機能を持つことを世界に先駆けて明らかにしました。 今回の発見は不安制御の新たなメカニズムを明らかにした点で、不安の科学的理解へ非常に大きな貢献を果たすことが期待されます。 発表概要 地球上のほぼすべての生物が概日時計(注1)と呼ばれる体内時計機能を持ち、さまざまな生理機能が地球環境の24時間サイクルに同調しています。体内時計が外界の明暗環境に同調できなくなると、非常に幅広い生理機能に異常が生じます。近年になって体内時計の異常が情動(気分や感情の状態)に強く影響することが明らかになってきました。
深田 吉孝(生物科学専攻 教授) 清水 貴美子(生物科学専攻 助教) 発表のポイント 学習する時刻によって記憶しやすさが大きく異なることをマウスで見出した。この日内変化は脳の海馬に存在する体内時計が司り、SCOP というタンパク質により調節されていた。 海馬に存在する体内時計が記憶の日内変化を生み出すことを見つけ、海馬におけるSCOPタンパク質の量的変化と学習による分解が重要であることを世界で初めて突き止めた。 ヒトでも記憶しやすさに日内変化があることは知られており、同じ学習時間であっても記憶の効果を高めたり、将来的には老化による記憶障害の改善に役立てる可能性がある。 発表概要 これまで、一日のうちの時刻によって記憶のしやすさに違いがあるのではないかと考えられていたが、それが体内時計によって制御されているのか、また、どのような仕組みで記憶しやすさが変化するのか、わかっていなかった。東京大学
橋本 拓磨(生物科学専攻 特任研究員) 堀川 大樹(慶應義塾大学先端生命科学研究所 特任講師) 國枝 武和(生物科学専攻 助教) 発表のポイント 極限的な環境に耐性を示すクマムシのゲノムを解読し、その中にコードされたクマムシ固有な新規タンパク質の1つがヒト培養細胞の放射線耐性を向上させることを発見しました。 今回同定したタンパク質を導入したヒト培養細胞では、放射線によるDNA切断が抑制されたばかりでなく、増殖能を喪失させる線量の放射線を照射した後も、一部の細胞が増殖能を維持していました。 今回解読したクマムシのゲノムは、哺乳動物などの耐性強化に寄与する有用な遺伝子資源になると期待されます。 発表概要 クマムシは、さまざまな極限環境に耐性を示す1mm未満の小さな動物で、ヒトの半致死量の約1000倍(4000 Gy)の放射線照射にも耐えます。しかし、こうした極限的な耐性を支える分子メカニズムは
東北大学学際科学フロンティア研究所 東北大学大学院理学研究科・理学部 東京大学大学院理学系研究科・理学部 国立天文台 筑波大学計算科学研究センター 概要 東北大学、東京大学、国立天文台、筑波大学からなる研究チームは、アルマ望遠鏡を用いた観測により、世界で初めて、私たちの住む天の川銀河以外の銀河に、生まれたばかりの星を包むホットコアと呼ばれる分子の雲を発見しました。また、発見した銀河系外ホットコアのデータを詳細に解析した結果、天体に付随する分子ガスの化学組成が、天の川銀河内の同種の天体のものと比べて、大きく異なることを明らかにしました。この結果は、生まれたばかりの星を包む物質の化学的性質が、それらを取り巻く銀河の個性に強い影響を受けることを示しています。今回の銀河系外ホットコアの初検出は、星や惑星の材料となる物質の化学的性質の研究に新たな可能性を示す重要な第一歩として、大きな注目を集めていま
〜宇宙の始まりに迫る新理論〜 須山 輝明 (ビッグバン宇宙国際研究センター 助教) 佐々木 節 (京都大学基礎物理学研究所 教授) 田中 貴浩 (京都大学理学研究科 教授) 横山 修一郎 (立教大学理学部物理学科 助教) 発表のポイント 最近の重力波初検出に伴って発見された連星ブラックホールは、宇宙ビッグバン直後に形成した原始ブラックホールであるという仮説を提唱した。 謎として急浮上した連星ブラックホールの起源に、新しい切り口からの説明を与えた。 今後の観測により、今回提唱した仮説が正しいと確かめられると、現代宇宙論に大きな1ページが加わる。 発表概要 東京大学大学院理学系研究科附属ビッグバン宇宙国際研究センターの須山輝明助教および京都大学の佐々木節教授(基礎物理学研究所)、田中貴浩教授(理学研究科)と立教大学の横山修一郎助教(理学部)からなる研究チームは、最近米国を中心としたLIGO-V
松永 典之(天文学専攻 助教) 小林 尚人(天文学教育研究センター 准教授) Michael W. Feast(南アフリカ・ケープタウン大学 名誉教授) Giuseppe Bono(イタリア・ローマ大学トルベルガータ校 准教授) 発表のポイント 天文学において重要な距離指標であるセファイド変光星を、天の川銀河の中心の方向(いて座の方向)の塵で隠されていた領域に29個発見した。 過去に行われていた恒星までの距離測定に星間空間にある塵が大きく影響していたことを示し、過去の研究とは異なる星の分布を得た。 天の川銀河の中心付近(半径約8千光年の範囲)に、若い星がほとんど存在しない「すき間」があることを、世界で初めて恒星の分布図に基づいて発見した。 発表概要 天の川銀河は、太陽を含む数千億個の星が集まる渦巻銀河である。しかし、星の分布を外から見ることのできる他の銀河と違い、我々自身が内部にいる天の川
東京大学大気海洋研究所 東京大学理学系研究科 概要 東京大学大気海洋研究所の横山祐典教授と尾崎和海特任研究員(現:ジョージア工科大学NASAポスドク研究員)、および米国ライス大学とイェール大学の合同チームは、大陸地殻の成長と大気中酸素濃度の段階的上昇の間に密接な因果関係があることを、地球科学的情報の統合的解釈(ジルコン年代、熱力学平衡計算など)、および地球表層圏についての炭素循環モデルを駆使することで明らかにしました。 チームはジルコン(ZrSiO4)と呼ばれる鉱物のウラン−鉛年代測定(注3)結果の再解釈や岩石学的考察などを行い、およそ27−25億年前にかけて大陸地殻の組成が苦鉄質から珪長質へと変化したことを突き止めました。これは、プレートの沈み込みに伴い地球内部に大量の水が供給されるようになった結果引き起こされたと考えることができます。苦鉄質岩石は珪長質岩石に比べて酸素との反応性が非常に
野崎 久義(生物科学専攻 准教授) 豊岡 博子(生物科学専攻 特任研究員) 豊田 敦(国立遺伝学研究所 特任准教授) 藤山秋佐夫(国立遺伝学研究所 教授) Bradley J. S. C. Olson (カンザス州立大学 助教) 発表のポイント 原始的な多細胞生物であるゴニウム(図1、2)の全ゲノム配列を解読し、単細胞が多細胞へと進化する鍵となる遺伝子群を初めて明らかにしました。 ヒトではがんを抑制している遺伝子が、単細胞が多細胞へと進化する初期段階の原因となることを発見しました。 今後、群体性ボルボックス目(図1)の生物の全ゲノム情報を更に解読することで、多細胞化の研究の更なる進展が期待されます。 図1. 多細胞化のモデル生物群「群体性ボルボックス目」。単細胞のクラミドモナス様の生物が2億年で多細胞化し、細胞の役割分担をもつ複雑な多細胞生物であるプレオリナやボルボックスが進化した。今回の
日本の英語教育では,関係節の制限用法と非制限用法の違いが必ずと言ってもいいほど取り上げられる。にもかかわらず,日本人が書いた英語論文などでは関係節の間違いがよく目につく。それはなぜだろう。 まず,制限用法と非制限用法を簡単に見てみよう。次の例で太字で示されている関係節は,制限用法だ。 We weighed several samples, and we analyzed the sample that had the highest density. (いくつかのサンプルを計量して,密度の最も高いサンプルを分析した。) 複数のサンプルの中から,一つだけが分析された。そのサンプルは,that had the highest densityという関係節で「制限」されているわけだ。 次の例は,非制限用法だ。 We took a sample of the substance. Later, we
佐野 雅己(物理学専攻 教授) 玉井 敬一(物理学専攻 大学院生(博士課程1年)) 発表のポイント 整った流れ(層流)が乱れた流れ(乱流)に遷移するときに従う普遍法則を実験で見いだした。 最大級のチャネル実験装置を製作すると同時に、普遍的な法則の検証に必要な新たな測定解析手法を考案したことが発見のポイントだった。 乱流への遷移の理解は省エネルギーなどに不可欠であるだけでなく、自然界に普遍的に存在する不規則現象の理解に繋がる。 発表概要 我々の回りは空気や水などの流体で満ちています。整った流れは層流と呼ばれ、乱れた状態は乱流と呼ばれます。しかし、層流がいつどのようにして乱流に遷移するのか、そこにどんな法則があるのかは、130年以上にわたる未解決問題でした(注1)。流体の方程式が非線形性(注2)のため数学的に解けないことや、実験的にも乱れの与え方にさまざまな可能性があることが理解を阻んできまし
英語と日本語はかなり違う言語である。文字も違うし,文法,語彙,発音も違う。これは,あまりに当然なことであるから,あえて述べる必要はないと思うかもしれないが,両方の言語を使う人にとっては決して油断できない事実である。長年,両方の言語を使ってきた人にとっても,同じに見える英語と日本語の言葉が意味や使用法で違う場合が多いからである。 例えば,英語が達者な日本人が書く論文などには,次のような文をよく見かける。 We examined the effects of gamma radiation on fullerene and so on. 私たちは,ガンマ放射線のフラーレンなどへの影響を調べた。 ここでは「and so on」と「など」に注意したい。この二つの表現はまったく同じ意味を持っていると思っている人が多いようだ。確かに,和英辞書で「など」を調べると,「and so on」がその英訳として
図3. テトラ中性子のエネルギーの関数として、反応した事象数を表したスペクトル。横軸の0MeV(百万電子ボルト)は、4つの中性子がバラバラになるギリギリのエネルギー(しきい値という)を示す。テトラ中性子共鳴状態の候補が0-2MeVに4事象、反応後直接崩壊したと考えられる20あまりの事象とあわせて測定された。 拡大画像 物質質量の大半を担う原子核は、通常、陽子と中性子の組合せで構成されているが、東京大学大学院理学系研究科附属原子核科学研究センターと理化学研究所仁科加速器研究センター等の共同研究グループは、陽子を含まず中性子4個だけからなるテトラ中性子共鳴を初めて発見した。この共鳴は、原子核物理学の重要な研究課題である中性子物質(注3)の性質に直接関わるものとして実験的にも理論的にもその存在の有無が注目されていた。この状態のエネルギーは核力(注4)の性質のうち3つの中性子の間に働く三体力(注5
発表者 梅畑 豪紀(天文学教育研究センター/ヨーロッパ南天天文台 日本学術振興会特別研究員) 田村 陽一(天文学教育研究センター 助教) 河野 孝太郎(天文学教育研究センター 教授) 発表のポイント アルマ望遠鏡を用いて、115億光年彼方に、爆発的に星形成を行っている銀河(モンスター銀河)の9個からなる集団を発見した。 モンスター銀河が、原始グレートウォールと呼ばれる宇宙最大の天体の内部で群れ集まって誕生していることを明らかにした。 モンスター銀河がどのように生まれ、巨大銀河へ進化したのかを紐解く鍵となることが期待される。 発表概要 図1. モンスター銀河の例。左はアステ望遠鏡によって撮影されたサブミリ波の画像で、1個の明るいモンスター銀河が存在しているように見えます。中央は今回、新たにアルマ望遠鏡によって得られた同じサブミリ波の画像です。60倍の解像度、10倍の感度を得たことで実は3個の
概要 全身の細胞で時を刻む体内時計は、さまざま生理機能が最適な時刻に働くベースとなる。現代社会のライフスタイルによる体内時計の乱れは、生活習慣病、癌等のさまざまな疾患の増加の一因となっている。体内時計は、いくつかの時計タンパク質で構成される中核ループと、複数の調節ループが互いに歯車(ギア)として巧みに噛み合って、1日周期で作動している。今回、東邦大学医学部の田丸輝也講師、東京大学大学院理学系研究科の小澤岳昌教授らは、体内分子時計の複数の歯車を連動させるクリティカルな歯車(調節ループ)として、CK2という酵素による時計タンパク質BMAL1の日周性リン酸化反応のプロセスを、光を利用したリアルタイム測定などで捉え、日周性酵素反応の振動メカニズムを解明した。この振動には、時計タンパク質CRY(クリプトクローム)による酵素活性の抑制が重要な役割を果たしていた。 本成果は日周性酵素反応を標的とする新た
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