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衆院選
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「わたしは、人間の自由というものはその欲するところを行なうことにあるなどと考えたことは決してない。」 これは、したいことをすることが自由なのではない、ということをルソーが言っているわけです。では自由とは何か、竹内は考えます。したいことをするのが自由であれば、人間でもっとも自由だったのは、自分の気分にまかせて大量虐殺を行なったヒトラーは、もっとも自由な人になる。だから、そうではない、とルソーは言っている。 あるとき竹内は気がつきます。自由とは奴隷の言葉だと。奴隷が、これだけは人間として、したくないと言い切ったとしたら、奴隷に待つものは死ぬことです。いいつけに反しているわけなので殺されます。しかし、死を覚悟してまでも、「したくない」と言い切ったらとしたら、そこには本当の自由がある。自由とは、その場、その瞬間の人間の尊厳なのだ。 つまり、したいことをするのが自由なのではない、「したくないことをし
独立行政法人 国立精神・神経医療研究センター主催の、「弁証法的行動療法(Dialectical Behavior Theraphy: DBT)とマインドフルネス」研修を受けるためです。精神科医、病院心理職が対象の専門家向け研修でした。DBTはアメリカのリネハンが始めた境界性パーソナリティ障害(BPD)に効果的な認知行動療法と言われているセラピーです。私のカウンセリングは認知行動療法はほとんど使わず、使ったとしても治療がゴールする寸前で、隠し味のように使うだけですが、その私がどうしてこの研修に参加したのかと言うと、『マインドフルネスがどのように弁証法的に、行動療法で使われているのか』ということを確認するためでした。 以前、マインドフルネス認知療法の研修にも参加したことがあるのですが、そのときも同じ理由でした。そのときの研修で疑問として残ったことは、「マインドフルネス認知療法はヴィパサナー瞑想
幼児期は1歳半〜3歳までの前期と、3歳〜4歳までの後期に分かれます。 前期に学習することとして2つのことがあります。1つ目は「ひとりでいられる能力」(私はこれを「おんぶお化け能力」と言っています)、2つ目は「自己主張の獲得、怒りを納める能力」です。両方ともとても大切な能力です。 一人でいられないから、一人で居ると安心感を得られないから、他のものに依存してしまいます。それは薬物であったり、アルコールであったり、食物であったり、権威であったり、他人や異性であったりします。 また自分を主張できないと、嫌なものを嫌だと言えません。自分の中で不満をいつも持ってしまうことになります。それを意識の上にのぼらせるのは社会的な対人関係においてマイナスとなってしまので、避けなければなりません。そのため、自分をごまかします。それは大したことではないのだ、それを考えるのは面倒くさい、自分というものがわからない、生
DVとは、Domestic Violence ドメスティック・バイオレンス、同居関係にある配偶者や内縁関係や両親・子・兄弟・親戚などの家族ばかりでなく、元配偶者や恋人から受ける暴力のことを意味します。 恋人からの暴力は、「デートDV」とも言われたりしています。結婚していない男女間での体、言葉、態度による暴力で、親密な相手を思い通りに動かすために複合的に使われるあらゆる種類の暴力のことです。 身体的、性的、経済的、言葉など、さまざまな形で暴力を受けると、まず身体的な症状が出てきます。肩の痛み、腰痛、腹痛、頭痛、慢性疲労などの心身症の症状が出てきます。その後、大半の人はうつ状態になります。これは当然です。誰でも暴力を受け続けるとうつになっていくのです。うつ以外では、不安、パニックが出てきます。強迫症状も出たりします。いつも不安でイライラし(これはうつがかなり進行した状態とみることもできますが)
この記事では、境界性パーソナリティ障害、AC(アダルトチルドレン)などの情緒が不安定な症状をお持ちの方を支える、身近なご家族やパートナー、友人のためのものです。どのように対応すれば良いのかを簡単に紹介します。 まず一番大切なことは、あなたの言動に一貫性を持たせることです。どんなことがあっても揺るがないこと。これは頑固ということではありません。相手を思いやって、Iメッセージを送り続けるということです。(Iメッセージについては下の③を見てください。)また、守れないような約束は軽々しくしないことです。守れないということで一貫性が崩れます。Iメッセージは自分の気持ちを正直に言うことです。相手を変えようとすることではありません。自分を主張するということはとても難しいことです。自己愛に流れずにIメッセージを送り続けること。これは相手を思いやる気持ちがなければできないことです。是非、ご家族、パートナーの
そこから治療はスタートします。 そのため当センターではクライエントさんにマインドフルネス呼吸法をホームワークしていただく場合があります。マインドフルネスになる方法は呼吸法だけに限ったわけではありませんが、まず呼吸法が一番やりやすいので紹介しています。 ここでは一般的なマインドフルネス呼吸法の紹介のほか、当センター独自で使っている呼吸法やスキルを紹介します。 【マインドフルネス呼吸法】 呼吸をコントロールする利点は感情の爆発を鎮めることにあります。感情コントロールに一番簡単な方法です。呼吸法は色々ありますが、ここでは特に有効と思われる呼吸を数種類紹介します。 その前に呼吸の大原則をお話します。 西洋では呼吸するとき、まず吸うことから始めます。吸って、吐いて、です。ラジオ体操のときも同じですね。けれど東洋は逆です。日本も逆です。呼吸という字を見てください。呼吸とは、呼んで吸って、と書きます。呼
ADHDは、ある意味、仕事で成功するためには不可欠な障害であるとも言えます。創造にあふれ精力的に仕事をこなしていくにはADHD的な要素が不可欠だからです。その特性が周囲の対人関係において順調に機能しているときは病識は(さほど)感じませんが、ひとつ歯車が狂い仕事が回らなくなってくると、その障害に直面せざるを得なくなります。(ここが躁うつ病とは違うところです。) さて、大人のADHDはどのようなところに現われてくるのでしょうか。主に、次の3つのことに着目すると、その様相がわかります。 ①セックスの問題 ②職場での問題 ③趣味の問題 ①セックスの話はなかなかしにくいところがあるかと思いますが、この部分にまず典型的なADHD的なものが現われやすいものです。女性、男性に限らず、ADHDの方は、性欲が亢進しやすい。そして何回しても満足できない傾向があります。肉体的にはすっきりしてはいるのですが物足りな
こないだ星和書店という精神医学・臨床心理系の出版社の主催する、ランディ・クリーガーという人のワークショップに行ってきました。2009年にこのワークショップの内容を書籍化するそうです。 彼女は「境界性人格障害=BPD」はれものにさわるような毎日をすごしている方々へ の著者の1人で、作家でもあり、BPDのメーリングリストを主催しています。彼女のBPDCentralというサイトをご紹介しておきます。彼女の笑顔も見ることができます。 http://www.bpdcentral.com/index.php このワークショップは、家族、パートナー、友達、親戚にBPDの人がいる方および、BPDの援助者が対象で、BPD本人のためのワークショップではありません。 午前中がBPDに現在有効とされているアプローチの話、午後がクリーガー氏が来年出版する書籍にある「5つのパワーツール」の話とクリーガー氏の通訳をされ
精神分析はご存知のようにジグムント・フロイトが始めたものですが、100年以上の歴史があり、その間、様々な流派が育ちました。フロイトは神経症圏の患者さんだけを扱っていたので、境界性パーソナリティ障害の病態をそれで説明することはできませんでしたが、イギリスのメラニー・クラインという人が対象関係論という精神分析の流派を立ち上げました。ここには、後日、ビオンとかウィニコットとかいう有名な精神分析家が集うことになります。対象関係とはなんだかよく分からない言葉ですが、対人関係と読みかえてもさほど間違いではないでしょう。 さて、その対象関係論では、生まれたばかりの子どもは母親の全体像が見えていないと言います。子どもはお腹が空いたり、不安なときはミルクを欲しがり、母親のおっぱいに吸い付くわけですが、その自分の満足を満たしてくれるおっぱいは母親のものであるという実感を持っていません。 ここでちょっと専門用語
大人の発達障害の代表として取り上げられるものに、アスペルガー障害(自閉性障害の一つ)と注意欠損/多動性障害(AD/HD)の2つがあります。 アメリカ精神疾患の分類と診断の手引き DSM-5にも「通常、幼児期、小児期、または青年期に初めて診断される障害」として、【自閉症スペクトラム障害】の一つとしてアスペルガー障害、【注意欠如・多動性障害】として、注意欠陥/多動性障害があげられています。 アスペルガー障害などの自閉症は、現在の研究では脳の扁桃帯の機能障害であり、前頭葉にあるミラーニューロンの不活性によって対人関係が作りにくくなっていると言われています。(うつ病のセロトニン仮説と同じような仮説です。実証はされていません。)この機能低下によって「空気が読めない(KY)」状況を作り出します。アスペルガー障害を発見したオーストリアの精神科医アスペルガーは、当初この病態を「自閉性精神病質」と名づけまし
そのようにカウンセラー側では思ってはいるんですが、油断をしてしまうんですね。カウンセラーのほうも人間ですから、相談者の方が元気になっていくのを見て、つい嬉しくなって油断をしてしまう。 しかし、カウンセラーの役割は症状を納めることではありません。それで相談者の方が満足されるのでしたらいいのですが、本当のカウンセラーの役目は、症状を納めながら、次にやってくるだろう課題を見据えて、自分を内省していくこと。つまり、カウンセラー自身が自分の内面へ踏み込みながら、クライエントさんが問い掛けてくるだろう次なる問題の下準備をしていくこと、この体制がカウンセラーには必要なのです。クライエントさんの内面の問題を話し合っていながら、カウンセラーが自分自身の内面へも降りていくのです。 なぜなら、次にクライエントさんから問われる問題こそ、カウンセラー自身の存在が問われる難しい問題だからです。 次なる問題とは、「人は
3歳までは母子一体になって生活しており、母親との融合している合体感がありましたが、幼児期後半には、自分と他人との区別と、見捨てられ不安による怒りの表現方法を身につけることがテーマとなってきます。 まず「自他の区分」ですが、 3歳頃までは、幼児的合体感の中で生活しているので、自分と他人の区別はまだあいまいな状態です。このあいまいなものに境界を引いていくのがこの時期です。これは西欧的には自立ということですが、東洋的にみるとあまり適切な言葉が見当たりません。これは私のボキャブラリーの不足によるものですが、どうして、ここで自立という言葉が合わないのかというと、日本語の自立にはとても強烈なインパクトがあるからです。昨日までおっぱいを吸っていた赤ん坊に対して急に断乳するようなインパクトがあります。千尋(せんじん)の谷に突き落とされるライオンの子どものようなイメージがつきまといます。 自立というのは、幼
いわゆる幻聴が聞こえる、幻覚が見える、という病態です。 ムンクの叫びという有名な絵をご存知かと思いますが、あの絵は幻聴を聞いて恐れおののいている人の絵です。 幻聴、幻覚というとなかなか腰が引ける人もいるかと思います。統合失調症と短絡的に結びつけてしまう専門家もいますが、この感覚の障害は、統合失調症ばかりでなく、うつ病、解離性障害、認知症のせん妄・もうろう状態などにも見られ、認知面・心理面に異常のない人が体験する幻視をシャルル・ボネ症候群といいます。 幻覚の前段階として、物が大きくみえたり(大視症)小さく見えたり(小視症)歪んでみえたり(変視症)することがあります。また普通の人がよく体験するものとして、デジャブがあります。なんだかここ前にも来たような見たような気がするな、あの感覚です。 このような体験よりもっと頻繁にある感覚の異常としては錯覚があります。電信柱のシミが狐に見え
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