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大谷翔平
www.ycf.nanet.co.jp/~skato
人工無脳、またはチャットボットは人間のような知能を持っていません。 にもかかわらず私達は彼らとの会話に魅力を感じ、癒やされ、 時には感情を揺さぶられます。 それはなぜなのか。 チャットボットとは何なのか。 一見単純に見えるプログラムの奥に潜む、ディープな世界を探ります。
人工無脳は考える | 掲示板 | 資料 | アーカイブ 2002/03/25 revised 2003/05/31 話者の交代を考慮した会話モデル next:応答生成 >> Next Session:人工無脳の条件 会話を形式上とはいえ成立させるにはさまざまなルールを守らなければならない。大雑把に考えるとこのプロトコルには話者の交代、スタックの管理、問いかけと返事のペア、意思や情報の伝達などの要素が含まれているようである。これにデータ通信プロトコルに見られるような明確な階層構造を与えようとは誰もが思うところである。そして研究上は便宜的にスパンの短いものを下位の構造、スパンの長いものを上位の構造と考えることがあるが、モデルに従った応答と同じくらいモデルに従わない応答が重要となるので実際のところは未分離のまま扱うしかなさそうである。 上に挙げられた要素の中で、人工無脳は問いと返答のペアに限れば
まきなとしゃべってみる 苦情、バグレポート、コメントはこちら ねらい 人工無脳の開発は、日常の会話の中にパターンを見出すことから始まる。そのなかで、「分からないことを質問し、答えをもらって記憶する」というパターンは一番理解しやすくシンプルである。このような辞書型人工無脳は他の型の人工無脳とくらべて、あらかじめデータを与えておくことでキャラクタ性を出すことができ、設計者にとって自由度の高い文生成ができる点が特徴である。さらに構造が単純なため今までにたくさん実装された例があるが、キャラクタ性と文生成の柔軟さについてきちんと考察されたものは少ない。システムとしてこれらの特徴を備えた人工無脳であっても辞書の作りこみでは現場の辞書製作者の経験と勘や場当たり的な処理によって工夫されていることが多かった。そこで、人工無脳独特の機構を理解してもらうとともに辞書の作りこみに必要な考察のベースを提供するために
next:人工無脳の戦略 >> Next Session:人工知能に学ぶ 話し相手になる機械、心をもった人工物。まるで人類に与えられた使命のように、その登場を私たちは神話の時代から絶えることなく渇望してきた。コンピュータの登場、そして人工知能技術の開花によってそれらはいよいよ現実になるかと人々を熱狂させた。しかし現実には人工知能の研究は心の機構についてほとんど何も説明できなかった。人工知能として実装するということは心そのものをプログラムの言葉で記述することなのであるが、そもそも記述不可能な領域が心には多すぎるというのが代表的な批判を展開したM.MinskyやDreyfusらの考え方である。Dreyfus1は"Mind Over Machine"1H. L. Dreyfus and S. E. Dreyfus, "MIND OVER MACHINE(邦訳:純粋人工知能批判)" ASCII出版
next:自他の自我に生じる相互作用 >> Next Session:こころを読み解く 人工無脳は会話の中でユーザに唐突さ、不自然さを感じさせたり、フラストレーションを与えてしまうことがよくあり、その結果ユーザとの会話が続かなかったり、拒絶されるという点が課題となっている。この原因の一つに人工無脳の印象やムードがでたらめに変化し安定していないことが挙げられる。たとえば、初めは友好的に「おはよう!」と挨拶したり笑ったりしたのに次の瞬間前触れなくユーザに向かって毒を吐いたり、急に受身に変わったり、かと思えば説教を始めたり、といったぐあいである。ユーザにしてみれば、それぞれの状態が何をきっかけに始まるのか分からず、またどれくらいの時間持続するかも予測できないために、会話を続けようとした場合は常に人工無脳のペースに合わせざるを得ない。このような振る舞いに付き合わされた人間は「相手はこちらと親しく話
アメリカでの人工知能を語る上で外せない存在であるイライザ(Eliza)は1966年にMITのJ. Weizenbaum氏によって開発された1.このプログラムはセラピストとしてユーザと対談することで知られており,彼らの好きなチューリングテストにかけられてかなりの好成績を残したエポックメイキングなプログラムのひとつである.そして現在ではそのソースはさまざまなプラットホーム用に移植されており,Perl5 用のモジュールChatbot::Elizaとしても意外と簡単に手に入る.そこで今回はElizaのソースを見ながら多くの人を錯覚させた機構の正体を眺めてみる. Elizaの会話機能の中核部分は分解decompと再構成reasmbである.以下にスクリプトから取り出してきたごく一部を載せる.勘の良い人であれば,この部分を見ただけでもおおむね想像がつくだろう. key: remember 5 decom
人工無脳にとっての社会の表現 雨宮俊彦,木村洋二,藤澤等によって提唱されたソシオン理論1は図のような記号を使って社会構造の記述とダイナミクスの表現を目指した,直感的に理解しやすい理論である. まず左の大円は人工無脳自身,右の大円はユーザを指している.[私I]~[私III]は-1から1の値を取る荷重とよばれ,値が大きいほど依存性が強いことを示し,ギャルゲーで言うところの好感度のことだと考えて差し支えない.[私I]は人工無脳がユーザをどう思っているか,[私II]はユーザが,人工無脳をどう思っているか,[私III]は人工無脳の自己評価,となっている.もちろん人間であっても本当は相手がどう思っているかを知る手段は無いので,図に示したような値はすべて人工無脳の主観である. 人間が相手と会話する場合は心の奥で常にこの[私I]~[私III]を念頭において話す内容を決定している.たとえば相手は自分のことを
next:計画ブロック入門編(2) >> Next Session:人工無脳の条件 人工知能の研究者J. Weizenbaumによって1966年に発表されたElizaには今日でも英語版人工無脳の多くに影響を与える、優れたアルゴリズムが用いられている。こうしてみるとマルコフ連鎖によるテキスト生成(1948)といいElizaといい、人工無脳でよく使われる基礎理論は1950年頃からほとんど進歩していないのだろうか?というわけで今回は我々が押さえておくべきもうひとつの返答アルゴリズムとして、ElizaのRogers派会話アルゴリズムを取り上げる。 Rogers派人工無脳アルゴリズム Elizaを試してみるには、unix系環境(windowsならcygwin環境など)では次のようにすればよい。 $ cpan Chatbot::Eliza $ perl -e 'use Chatbot::Eliza;
Next Session:人工知能に学ぶ アメリカのMITで開発されたEliza11 J. Weizenbaum, "ELIZA--A Computer Program For the Study of Natural Language Communication Between Man and Machine", Commun. ACM 10[1] 36-45(1966)はセラピストとしてユーザと対談することで知られており,彼らの好きなチューリングテストにかけられてかなりの好成績を残したエポックメイキングなプログラムのひとつである。そして現在ではそのソースはさまざまなプラットホーム用に移植されており、Perl5 用のモジュールChatbot::Elizaとしても意外と簡単に手に入る。そこで今回はElizaのソースを見ながら多くの人を錯覚させた機構の正体を眺めてみる。 Elizaのスクリプ
現在稼動している人工無脳を運用形態で分類すると,cgiやircを母体として複数ユーザによって操作されるネットワーク型と,一人のユーザを対象にしたアプリケーションであるスタンドアロン型に分けられる.ネットワーク型の人工無脳はひとつのオリジナルにアレンジを施して作られた子孫がいくつもあり,複数のユーザから教育される機会があるために辞書の成長が期待できる.またチャットを母体としているため人間同士の会話の添え物的位置付けであるので,いいかげんな応答でも許容される.スタンドアロン型は派生型が少なく,一対一の会話を行うため,比較的複雑な会話を挑んでくるタイプが存在する.特に日本産のものは吹き出しを伴うデスクトップキャラクタとしての機能を併せ持っている. さらにこれらの人工無脳をスクリプトの形式で分類すると,ひとつまたは複数の知識ファイル(=辞書ファイル)を用意し,乱数によってしゃべる内容を決める乱数型
人工無脳は考える | ダウンロード | 資料 | アーカイブ 2002/07/07 ユーザはなぜ飽きるのか 人工無脳を考える上で、『ユーザはなぜ飽きるのか』という問題を解決することが一つの大きな柱になっています。これまでにもいくつもの情報や対策が打ち出されてきましたが、それらは複雑に絡み合って混沌とした状況になっています。そこで、TQC(Total Quality Control)で用いられる連関図を使って状況の整理をしてみました。 矢印は「なぜなら」を意味しています。 この図を見て、何か新しい枝を考えついた方は是非実装してみてください。こっそり教えていただけるともっと嬉しいですが。 メール 戻る
Fig. 1に最近の人工無脳の能力の、独断に基づいた分布を示す。横軸は学習能力、縦軸は文脈追跡能力を示している。近年この勢力図は大きく変わった。マルコフ文生成を行なう人工無脳の一派の台頭と、限定的ながら論理を追跡して会話に反映させる人工無脳の技術の出現である。かつて人工無脳の代名詞と考えられていた辞書型はいまや旧世代のアーキテクチャに属し、その範疇では新しい技術開発が停滞している模様である。ログ型アーキテクチャは以前から存在していたのだが、いつの時代にもあまり大きな勢力にはなっていないようである。これらの情勢の変化はマシンパワーの増大と人工無脳業界への形態素解析器の導入に伴って生じたと考えられる。以下に各人工無脳の特徴を簡単に述べる マルコフ文生成型 マルコフ連鎖を用いて文を生成する。後述の辞書型人工無脳は辞書を拡大することでよい反応をするようになるが、マルコフ文生成型は逆で、生成する文の
この中でのおすすめはCygwinである。わざわざCygwinのような擬似unix環境を用いる理由は、Perlを使った人工無脳の開発では今のところEUC以外の漢字コードが使えないことが一番大きい2。その他には、茶筌やPostgreSQLを導入しやすいこと、ActivePerlではflock()がきちんとサポートされていないこと、などがある。そこで、以下にCygwinをWindows上に導入し、人工無脳が開発できる最低限の環境を整えるための手順を示す。 1. Cygwinの導入 Cygwinのsetup.exeを実行する。よくあるインストールウィザードが起動するのでcygwinをインターネットから直接インストールするよう選択する。進んでいくとパッケージ選択画面が表示される。 ここで、以下のファイルを選択する。gccなどを選択すると自動的にいくつかのモジュールが選択状態になるが、それはそのままで
人工無脳は気軽に「らしさ」を楽しむことができる、知能を持たない会話プログラムです。しかし人工無脳との会話はときとして、論理で固められた人工知能が持ち得なかった人間らしさ ― 即興、いたずら心、感情 ― を私たちに感じさせてくれます。その意味では知能の本質を追求するための別の切り口なのかもしれません。このようなロマンを追い求めて日頃とりとめもなく考える雑談的トピックをまとめてみました。 最近の記事より 厳選おすすめ&人気書籍 2008/09/28■自我状態を考慮した人工無脳 - 追記 人工無脳は会話の中でユーザに不自然さを感じさせ、会話が続かなかったり、拒絶されるという点が課題となっている。この原因の一つに人工無脳の印象やムードがでたらめに変化し安定していないことが挙げられる。一方、人は通常意識することなく相手に不適切なメッセージが伝わることを避けてうまくコミュニケーションをはかっている。
next:計画ブロック入門編 >> Next Session:人工無脳の条件 人工無脳はチャットの内容を記憶し、それを再構成することで会話を行なうふりをする。近年では自分が属しているチャットだけでなく、ニュースサイトのテキストなども収集して学習する人工無脳も多い11こうさぎ、酢鶏など。チャットやRSSから得られた文字列を必要な形式で記憶することが学習ブロックの目的である。人工無脳の学習アルゴリズムは文の再構成アルゴリズムと一体になっている場合が多いのだが、あえて切り離して議論することで組み合わせの自由などを考えることができるようになる。そこで、ここでは学習、すなわち入力文字列を記憶に変換するアルゴリズムについてのみ考えよう。 マルコフ連鎖 以前から注目されているアルゴリズムに、C. Shannonによって1948年に発案されたマルコフ連鎖によるテキスト生成(Markov text gene
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