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問題の多い安能版『封神演義』 おそらく、現在『封神演義』としてもっとも知られているのは、講談社文庫の3冊本でしょう。これは安能務氏が書いているものです。 『封神演義』について論ずる時、これに基づく方も多いようです。しかし、この『封神演義』は、実は翻訳とはとても言えません。 正確には『封神演義』に基づいて、安能氏がまったく別の小説を書き上げたと言ってよいでしょう。それほど、本来の『封神』とは違っている部分がたくさんあります。 例えば申公豹ですが、彼は純然たる悪役で、終始主人公たる姜子牙と対立することになっています。しかし、安能版では、まるで中立のような設定で書かれています。さらに、安能版『封神』には浮いた話が多く、楊戩と龍吉公主との間を疑わせるような記述がありますが、原作では楊戩はひたすら堅物であり、そのようなことはあり得ません。そもそも『封神』自体、土行孫を除いては、そういった話が
中国古典文献における画像と電子テキスト処理 関西大学文学部 二階堂善弘 前言 一般には漢籍と称されることの多い中国の古典文献については、近年膨大な数の電子テキストやデータベースが作成され、研究上不可欠なツールの一つとなっている。 これには、コンピュータやネットワーク技術の発展が大きく寄与している。すなわち文字コードが発展した結果、多くの漢字が使用できるようになり、またインターネットの発展により、世界中の研究機関のデータを扱えるようになったのだ。そして、『四部叢刊』や『四庫全書』などの大規模な叢書のデータベースが販売され、中国学という学問自体が大きく影響を受けるようになった。 ただ、そういったツールが一般化することによって、新しい問題が発生し、またそれに伴う考え方の変化が起こっている。小論では、特に電子テキストと画像データの問題に着目し、漢籍のデータ化について些か検討を加えたい。 1.漢籍デ
On Text Processing for Unicode 3.1 CJK Unified Ideographs NIKAIDO Yoshihiro 1.はじめに コンピュータ上で漢字文書を扱う際には、必ずと言ってよいほど文字コードが問題となった。特に古典文献を電子化する場合、無い漢字をどう表記するかは重要な問題であり、現在でも十全といえる解決策は無いと言ってよい。 しかしながら、パーソナルコンピュータとそのOSの発展により、数多くのツールが開発され、古典漢字文献を表記することも、かなりの範囲まで可能となりつつある。ここでは、現時点(2001年9月)におけるこれまでの多漢字ツールの発展を整理しつつ、新しいUnicode 3.1(及びISO/IEC 10646-2)を使用した漢字文書の利用について考えてみたい(1)。 2.古典漢字文献の利用からみたツール 多漢字を扱うためのツ
<中国語電脳道場Web版> いまや、中国語の学習や活用の場においても、ワープロやインターネットを使うことは当たり前になりました。 このコーナーでは、そういった中国語のコンピュータにおけるテクニックなどについて解説したいと思います。 以前、大修館書店の『月刊しにか』で連載していた「中国語電脳道場」の内容をリニューアルした形で再録します。 中国語の文字コード 中国語入力ソフトとワープロを使う インターネットで中国語 プルーフィング・ツールズ活用 <エッセイ・中国語と中華文化Web版> 中国語を学習していくと、ある時点で文化的な背景を理解する必要に迫られます。 何故なら、日常的に使われるボキャブラリーの中に、歴史物語などを踏まえたものが たくさんあるからです。これについては、アルク『中国語ジャーナル』にちょっとした記事を 連載していましたので、それをリニューアルした形で再録します。 歴史物語と中
・正しい『封神演義』普及委員会 『封神演義』について正しい理解を深めることを目標としたコーナーです。 もっとも、何が「正しい」か「間違っている」かは実際には定義することは不可能なのですけどね。 しかしそれにしても、現在の日本の『封神演義』へのイメージは、どこかおかしくなっているのは確かです。 異文化理解の面からも、本来の『封神演義』の姿が知られていないのは、問題があると思われます。 ここでは、幾つかの翻訳や解説本の問題を取り上げ、また『封神』にまつわる話を雑記の形で載せたいと思っています。 もっと詳しい解説については、大修館書店から出ている『封神演義』の世界を参照してください。 ・知られざるチャイニーズヒーローの世界 日本ではかなり古くから、中国の文化が取り入れられています。そのため、多くの中国の歴史上の人物や、文学作品は、日本でもなじみ深いものになっています。 『三国志』の劉
アジアの民間信仰と道教 亚洲民间信仰与道教 / East Asian Popular Religion and Taoism 関西大学・二階堂善弘研究室 / Kansai University NIKAIDO Yoshihiro / 关西大学 二阶堂善弘
『封神演義』は「3大怪奇小説」の1つなどではありません ここでは安能版の前書きの間違いを指摘します。一言でいえば、この前書き、ほとんどデタラメです。 まず、中国の「3大怪奇小説」の一つが『封神演義』である、などと書いています。 どこの文学史見ても、概説書見ても、まずこんなことは書いてありません。「中国の辞書にある」などと書いていますが、そんな辞書は、どこかおかしいですよ。 『西遊記』と『三国志演義』と『水滸伝』を安能さんは挙げています。これからするに、いわゆる「奇書」のことを誤解しているみたいですね。 「奇書」というのは、中国の著名な小説に対する呼び方で、普通は、「明の四大奇書」といいます。 それは、『三国志演義』『水滸伝』『西遊記』『金瓶梅』の四種の小説です。文学史上、名作といわれるもので、別に「怪奇小説」の意味ではありません。「奇なる書」という意味で、傑出している
申公豹は雷公鞭なんか持ってません 『封神』の原作と安能版とで、一番キャラクターが変わってしまったのは、やはり申公豹でしょう。 はっきり言って、これは申公豹にとってよかったのか悪かったのか、なんとも言えません。 原作では徹底して悪役に徹している彼が、安能版では傍観者的な地位を与えられます。ただ、悪役としての役割が無くなってしまったため、かえって物語の中での重要度が落ちてしまいましたし、それに、「ニヒルな悪役」としての魅力も失われてしまいました。 申公豹と姜子牙の関係は、実は『封神演義』では重要なファクターなのです。 姜子牙と申公豹は、共に元始天尊の弟子で、二人は兄弟弟子の関係にあります。もっともこれは、十二仙なども同じです。 申公豹には才能と自信があります。そして、自分こそが封神の役割を与えられるべきだと思っていました。ところが元始天尊は、封神の役を、平々凡々たる姜子牙
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