サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
ノーベル賞
youkoseki.com
youkoseki.com 受験便乗商品がつらい 年が明けて正月ムードが落ち着いてくると、受験シーズンに便乗したCMや商品が増えてきて、私はいつも憂鬱になる。受験が楽しくて仕方なかったという人には申し訳ないが、少なくとも私は、中学受験も高校受験も大学受験も、もう二十年以上も昔の話なのにも関わらず、思い返すたびにつらい気持ちになるのだ。 クリスマスやらバレンタインデーやらオリンピックやら、タイミングにあわせて商品やサービスを売るというのはマーケティングの基本だろう。恵方巻が話題なら、恵方おにぎりだろうと恵方ロールケーキだろうと売ればいい。 でも受験は、ただの時事の出来事ではなくて、受験生たちの、大げさに言えば人生を左右するイベントである(そんな受験制度でいいのかという話はさておく)。その重圧ゆえに、受験生本人はもちろん、その周囲の人達も、どうしても重苦しくつらい日々を送ることになる。それなの
youkoseki.com [PR] 記事タイトルでどこまで開示すればいいか問題 [ではない] ステマ論争からタイトルにPRつけるか論争が蒸し返されているのを見て、もういっそこれくらいのガイドラインを作ればいいのではないかと思った。もちろん冗談ですので本気しないでください。 スポンサードコンテンツ、ブランデッドコンテンツ、タイアップ、記事広告、いろいろな言い方があるけれど、特定の企業からお金をもらって書かれた記事。たくさんクリックされると嬉しいが、クリックされまくってももらえるお金が増えるわけではないのが一般的。 [AD] スポンサードコンテンツではないが、記事の前後左右や途中にバナー広告や動画広告があるため、記事をクリックされると広告が表示され、それに概ね比例してお金が入る。どういう広告が表示されるのか、記事を書いた人間でも分からないことが多い。 [AD-ビューアブル] 記事の前後左右や
youkoseki.com インターネットおじさんの2019年 叔父と初めて会ったのは90年代の後半で、私がまだ高校生のころだった。叔父は長くアメリカに留学していたが、日本の通信会社に就職が決まったので、帰国してきたのだ。叔父は日本のことがよくわからないからと言って、私達の家のすぐ近くにマンションを借り、しょっちゅう私達の家に出入りするようになった。 叔父と私は、親子にしては近すぎるような、兄弟にしては離れすぎているような、微妙な年齢差で、はじめこそ、お互いにどう接すればいいのかわからなかった。しかし夜になると決まって叔父が家にやって来ては帰らないので、気付けば次第に話をするようになった。たとえば、私がテレビゲームにはまって遊んでいると、叔父はもっと面白いゲームがあると、聞いたことのないアメリカ産のゲームを持ち込んでくるといった具合に。 大学でコンピュータについて学んだという叔父は、私に言
youkoseki.com 飲ま飲まない 今春も新入社員が二人、うちの部に配属されたので、さっそく歓迎会をやろうということになった。「好き嫌いはあるか? 君達の歓迎会なんだから、食べたいもの、飲みたいもの、なんでも言ってくれ」私は笑顔で言う。 「あの……そのことなんですけど」今年の新入社員は男女が一人づつ。女性のほうが、私の顔色を伺いながら切り出す。「私達、二人ともお酒が苦手で……」 「ああ、なるほど」私は言う。「もちろん、無理に飲ませるようなことはしないよ。うちの部にも何人か飲まない人がいるし、ノンアルコールの美味しい店も知ってるから」 「いや、そうではなく……」男性のほうが言う。「お酒のない店にして欲しいんです。臭いが苦手だし、お酒を飲んでいる人と一緒にいるのも、あまり……」 若者の酒離れというのは、もう何年も前から耳にしていた。やれ日本人の平均酒量が減っているとか、やれ居酒屋に客がな
youkoseki.com 炎上広告批評:ステマはなぜやめられないか 吉本所属の芸能人が、京都市のふるさと納税事業についてツイートしたことに対して、金銭を受け取っておきながら広告と明記していなったことを京都新聞に暴かれ、ステマだと批判を受けている。 典型的なステマ事案なのだが、一方でこれは地獄の釜の蓋を開ける話でもある。この面白さが広告業界外にはあまり伝わっていないように思うので、ここにまとめておく。 なぜステマと認めないのか 今回の事案に対して、おそらく一番素朴な反応は「お金をもらってるのだから広告なんだし、広告なら広告と明記すればいいじゃないか。なにがそんなに難しいのか」というものだろう。 しかし、広告とはなんだろうか。芸能人がお金をもらってツイートしたらそれは広告だろうか(これについては後述)。もし吉本の回答が「今回は芸能人が納税事業についてコンサルティングを行ったもので、受け取った
youkoseki.com 普通の男 結婚適齢期というのは今ではすっかり聞かなくなったが、私が普通の男と出会ったのはそんな年頃だった。私の大学時代の友人が、普通の合コンをしてみたいと言い、普通のイタリアンレストランに集った連中の一人がその男で、もう一人が私であった。どうということのない普通の会社で働く、普通のサラリーマンで、私と同じ年。来週、普通にまた会ってみますかと言われ、普通にメールアドレスを交換した。名前と誕生日を組み合わせた、普通のメールアドレスだったが、それは私も同じだった。 私達は映画館で普通のデートを開始し、普通のイタリアンよりは少し高級な普通のフレンチでディナーを楽しんだ。気の効いたことが出来るわけでもなく、特別おもしろいことを言うわけでもなかったが、普通に優しい男であった。私達は普通に繰り返し出会うようになり、一年半後、普通に結婚をした。両家の親族だけで普通の結婚式を型通
youkoseki.com セルフUberEatsというイノヴェーション UberEatsが便利でよく使っていたのだが、時間通りに届かないことが多い。注文前は30分の待ち時間というのに、注文した瞬間に40分になって、実際は1時間ほど待たされたりする。Uber自慢のビッグデータを考えるに、「注文前はこれくらい待ち時間を短めに見積っても大衆は我慢するだろう」と精緻に計算しているのではないか、と邪推したくなる。ただ、私は世間一般と比べると極めて短気なのだ。 おまけに、今年に入ったくらいから、確実に値段が上がっているように感じる。私がいつも使う店は限られているので、狭い観測範囲での話かもしれないが、メニューの一品一品が店で直接頼むよりもだいぶ高くなっているのだ。昔は、それこそ店で注文するのと同じくらいの値段だったように思う。店で出すよりも余計なオペレーションコストがかかるのか、Uberの手数料が高
youkoseki.com Twitterと距離を置くこと このごろTwitterと距離を置いている。同じようにTwitterと距離を置きたいという人に向けて、参考のためにその方法を書いておく。ただ、本題に入る前にいくつか断り書きがある。 まず、以前と比べて個人的にはTwitterと距離を置いてはいるものの、Twitterは今も見ている。めちゃくちゃ見ていると言ってもいい。おそらく今もなお9割のTwitterユーザーよりTwitterを愛用していて、Twitter中毒から抜けきれたとは到底言えない。寝る前に缶チューハイを3本空けてた人が、最近はだいたい1-2本、たまに酒なしでも眠れる日が来た、というような話である。 そういうわけで、これはデジタルデトックスみたいな話ではない。私は今もスマホばかり見ていて、パソコンとほぼ一日中向き合っている。Twitterで失っていた時間を取り戻し、家族や友
youkoseki.com 印鑑があって良かったね 琴座からの宇宙人は、ある日とつぜん現れたので、地球人にはなんの備えもなかった。巨大な宇宙船に乗り込んだ琴座人たちは、地球のすぐそばに陣取ると、圧倒的な技術力をもって、きわめて実務的な侵略を推し進めた。つまり琴座人たちは、未知のワープ光線を利用して、大国の指導者たちを順番に誘拐していったのである。まずはアメリカの議長が、それからそれから中国の首相、続いてロシアの王というように。 世界の大国から次々と指導者が消えて行き、指導者の代役が現れると、その代役もまたワープ光線によって連れ去られていった。そうやって世界は静かに、しかし確実に混乱へと巻き込まれていった。 そんななか、日本の権力者たちは、二つの問題に悩まされることになった。第一には、もちろん、いつ日本の指導者が、自分たちが、宇宙人の標的になるのか、そしてその回避策はあるのだろうかということ
youkoseki.com 面白いことが自動で起きない 個人的な例で恐縮なのだが、私は昔からサバゲーに興味があって、機会があれば一度参加してみたいと思っていた。もちろん、オープンなサバゲーの集まりみたいなのはあちこちにあって、そこに参加することも出来るのだろうが、なにせ人見知りだし、いきなり知らない人に撃たれるのも辛いので、知り合いが誘ってくれないかなあと、たぶんもう20年くらい考えていたのである。 サバゲーをやる知り合いはいて、楽しかったという話を聞いたり、Facebookで見かけたりすることはあった。そういうときは「次にやるときは呼んでよ」くらいのことは言った。ただ、知り合いも自分でサバゲーを企画するわけではなく、あるいはただ私に人徳がないのかもしれず、人からのお誘いというのは残念ながらなかった。 それである日、「あれ? このままだとサバゲーやらないまま死ぬのかも」と思った。いや、別に
youkoseki.com 受験改革のジレンマ 仮に、優秀な大学(たとえば東京大学)を卒業して、政治家になった人が、そのあと文部科学大臣に就任し、大学受験制度の改革を試みる、とする。 なぜ改革が必要なのか? いわく、現行の大学受験制度では正解のない課題にいかに取り組むか、評価することができないからである。 そうすると、政治家は、正解のない課題にいかに取り組むかを評価されずに、現行の大学受験制度を勝ち抜いたことになる。受験制度を改革するとして、その先鋒を担うのが、あるべき形の受験制度を経ずにただ優秀な大学を卒業した人だというのは、矛盾ではないか。 とはいえ、優秀な大学を卒業した人であるので、その意見は正しいと考える。そうすると、受験改革のような正解のない課題に正しく取り組めているわけで、そのような人物を評価した現行の大学受験制度は、特に問題がないということになる。 この「受験改革のジレンマ」
youkoseki.com パワポ職人の人生 加藤三四郎は日本を代表するパワポ職人。パワポ職人として初めてノーベル文学賞を受賞したことで知られる。 官僚の父と経営コンサルタントの母を持つ加藤は、幼少のころから自然とパワポに馴染む環境で育った。四歳の時、保育園の担任宛に「ごはん後のおやつを増やす理由」を綴った三枚のスライドが、現存する最初の作品と言われている。箇条書きを用いた端正な作品で、当時の作風が読み取れる。 小学生のころには既に才能を嘱望されており、特にSWOT分析の鋭さでは同年代で他に並ぶ者がいないと言われていた。 中学二年でプロに転向した加藤は、その勢いのまま十五歳で日本選手権を制する。決勝の対戦相手は当時無敵と言われた名人・大西カイロであったが、加藤は6ポイント以下の文字を多用した奇手を繰り広げ、名人を圧倒。この戦いを巡るドキュメンタリー「パワポ新時代」はあまりにも有名。破れた大
youkoseki.com 「オウンドメディアブームの終わり」について オウンドメディアブームは終わったという風潮があるようだ。こういう、マーケティング業界人がよくやる、ちょっとした流行を「〇〇はじまった!」と言って持ち上げ、ほどなく「〇〇終わった!」と落とすサイクルは、本当にいかがなものかと思います。 オウンドメディアは、Wikipediaいわく「自社発行の広報誌やパンフレット、インターネットの自社ウェブサイト・ブログなど、企業や組織自らが所有し、消費者に向けて発信する媒体を指す」ということで、まあインターネット広報誌である。 そんなインターネット広報誌が、なぜ2010年代の終わりになって一瞬ブームになったのか。まずそこが不思議である。 そもそもオウンドメディアの価値ってなんだ 個人でもブログを運営できる今日、メディア運営なんて誰だってはじめられるものだ。 とはいえ、ちゃんとしたライター
youkoseki.com 人の価値をソーシャルメディアで計測しなくて良い Instagramがいいねの数を非表示にするテストをはじめている。これにより、自分の投稿についたいいねの数は確認できるが、他人の投稿のいいね数は見られなくなる。 似たような話で、YouTubeではチャンネルのお気に入りの数を概算にする動きが進んでいる。チャンネルごとのフォロワーの数が、何千人(くらい)~というような表記になり、一人単位の細かな数字では見られなくなる。 素晴らしい動きだと、私は思う。 なんでも計測できるインターネットにおいて、数字とは力であり、その傾向はソーシャルメディアの普及によってますます加速した。テキストサイトのカウンターにはじまり、ミクシイの友達の数、GREEの友達からの紹介文の数(覚えてますか)、ブログのPVやUU、Twitterのフォロワー数、リツイート数、Facebookのいいね数、Yo
youkoseki.com 内定デースケドガー 「そういうわけで、今年の営業部の新卒採用ですが……」会議室にスーツ姿の男たちが集まり、人事部長が前口上をはじめる。 「先日見た、田町くんがいいんじゃないか。学歴も申し分ないし、とても誠実で、優秀そうだったよ」営業部長は言う。彼にとって、安い給料でよく働く優秀な若手は、営業成績の必達には不可欠な存在だった。 「それが……弊社で契約しております採用AIシステムによれば、彼が内定辞退する確率は67.3%と、とても高いようで……」人事部長が答える。 「なんと、どうしてそんなことが分かったのかね」 「他社での選考状況をデータプラットフォームから入手しています。これによると、田町くんはコンサル、金融など名だたる人気企業で最終面接を控えており、この一社でも内定が出ると、残念ながらうちが辞退されることは間違いありません」 「そうか、困ったな」営業部長は考え込
youkoseki.com あえて悪いことをする人は悪い人であること セクハラやパワハラの問題がメディアなどでも大きく取り上げられる今日、表だって「セクハラ、パワハラ、大好き!」と言う人は限りなく少ない。しかし、現実にセクハラやパワハラをする人達は今もいる。 最近、そういう人達に共通する特徴を見つけた。そういう人達はよく、こういうことを言うのだ。 「パワハラがいいことだとは思っていない。自分も普段ならパワハラをやろうとは思わないし、他人のパワハラは嫌悪し、反対している。しかし、場合によっては、冗談で、あえて、パワハラみたいなことをすることがある。そうすることでみんなの笑いをとることができるからだ」 この形式には色々なバリエーションがある。「人に怒鳴ったりするのはみっともない。自分も普段は常に落ち着いている。しかし本当に怒らなければいけないと思ったときは、あえて、声を荒げて怒鳴って見せること
youkoseki.com 炎上広告批評:「ハーフの子を産みたい方に」とコピーライティングの受難 広告業界、今週の炎上という感じである。 概要 広告主:銀座いせよし 媒体:ポスター 企画の是非 まず2016年の広告が、ツイートひとつで今になって炎上しているのがすごい。広告業界ってわりと頻繁に色々な賞があって、過去の作品はマメにまとめられているので、今後こういう例がもっと増えていくのかもしれない。 私達はペットでも人形でもありません。 この屈辱を想像出来ますか? もううんざりです。https://t.co/e6gYtwSHwf pic.twitter.com/W9Oo155pOh — GRAY PRIDE (@graypridejapan) June 19, 2019 「ハーフの子を産みたい方に」が炎上中だが、他にもコピーはある。「ナンパしてくる人は減る。ナンパしてくる人の年収は上がる」「着
youkoseki.com 定額フレンズ 週末、いつものフレンズと、いつものようにドライブに出かけた。温泉に行って、うまい蕎麦を食べて、帰り道。今日も運転をするのはリョージで、いつもどおりタケとジュンヤを先に下ろしたあと、僕を家の前まで見送ってくれた。 僕はスマホで手早く、タケとジュンヤのレビューを済ませた。タケはいつも通り時事ネタに強くて、面白かった。ジュンヤは温泉で下ネタを何度も言ってたけど、スベっていた。 車が僕の家に着いた。「ありがとう、来月はどこへ行こうかな」僕が言うと、リョージは「そのことなんだけど」と言った。 「来月から、俺、レベルが4に上がるんだ。そのことを伝えなきゃ、と思って」 リョージは気まずそうだった。彼の言いたいことは分かった。僕の契約は、グレード3プラン。レベル3までのフレンドを、3人まで、週に1度呼び出せる。 リョージがレベル4になったら、今までのように呼び出す
youkoseki.com 炎上広告批評:自民党とViVi 旬の事案をみんなが次の話題に移る前にまとめてみます。 概要 広告主:自民党 媒体:ViVi(講談社) 種別:ウェブメディアでの広告企画、所属モデルの起用、プレゼントキャンペーン 企画の是非 私は広告業界にいるので一般的な感性とは異なるかもしれないが、最初に目にしたときはすでに炎上状態で、どれほどのものかと思ったら、普通の広告企画で拍子抜けした。PRと明記してあるし、中身の是非はさておき(後述)、特別に変な表現があるわけでもないし。企画としては別におかしいところはないよなあと。 みんなはどんな世の中にしたい?自分の想いを #自民党2019 #メッセージTシャツプレゼント のハッシュタグ2つをつけてツイートすると、メッセージTシャツがもらえるよ!ViVi公式Twitter(@vivi_magazine )からDMにて当選連絡をするので
youkoseki.com 12人いた話 大学一年のとき、ポケゼミという制度があった。一年生を対象とした、ポケットなゼミ? というものらしい。他の大学でも一般的なものなのか分からないし、そもそも私は今もゼミというものがよく分かってない。とにかく一年生が教授とわいわいやる会である。 幾つかのポケゼミがあり、そのうちの一つが昆虫に詳しい大学教授が昆虫「以外」について考える会だというので、面白そうと思って応募した。定員は10人だったが、同じように興味を抱いた人が多かったのか、30人近くの応募があり、私は抽選に漏れた。 私はそのゼミに行きたかった。せっかく大学に入ったのだから、当たり前にとらなきゃいけない講義以外も参加してみたかったし、また地元を離れて一人暮らしを始めた私には友達がおらず、同じ学部で仲良くなれそうな人がそのゼミに受かったとも聞いていた。 そういうわけで、私はそのゼミの初回に、ふつう
youkoseki.com ルッキズムが否定されたとき、広告は何を語るのだろう 私は、広告というものが昔から好きであった。しかし広告のメッセージが、ときどき(あるいは頻繁に)息苦しく感じることも確かである。その息苦しさは、最近、Netflixが見事に広告にしてみせた。 私もこれはすごく良い広告だと思うのだが、ちょっと意地悪に言えば、あれをしろこれをしろと言っていた広告が、次にはリラックスして君は君らしくあればといいと言いはじめるのは、この業界の常套手段でもある。緊張と緩和、アメとムチだ。 一方で、なんだか潮目が変わりつつあるのかなと思うこともある。それはルッキズムに関することである。 たとえば、外見をよくしよう、というのは広告の基本的なテンプレートであった。具体的には、お洒落になってモテよう、恋を見つけよう、できる男は見た目が違う、ママになっても綺麗に、何歳になっても若々しく、みたいな。多
youkoseki.com 初代ガンダムを観た話 私は初代ガンダムがテレビ放映された1979年に生まれたので、ガンダムのことは詳しく知らず、それ以降も知らないまま今に辿りついた。友人が熱心に布教してくれることもあったが、今となっては過去の蓄積が多すぎて、どうも見る気になれなかったのだ。 今ここで私がスタートレックを熱心に布教して、DS9だけでも見てくれと懇願しても、99.99%の人は見ないでしょう。そういう感じである。 ところが、Netflixで面白そうな作品を探しているときに、初代ガンダムの劇場版があることに気付いた。ガンダムなにから見るか問題は今や宗教論争となっているようだが、この劇場版は40話以上に及ぶテレビ版を映画3作にまとめたもので、宗教的にも多数の原理主義者から支持を得ているという。 これくらいなら観られるんじゃないかと思って、4日ほど前から観始めた。そしていま3作を観終えた。
youkoseki.com 完璧な組織を作るむずかしさ、あるいは優先順位の問題 不思議なことだが、技術力のすごい会社というのは、往々にしてマーケティングが下手である。逆に、マーケティングのうまい会社は、だいたい技術力がそれに伴ってなかったりする。「あっちの会社の技術に、こっちの会社のマーケティングがあれば最強なのに」みたいな業界話はいろいろなところで聞くのではないだろうか。 同様に、新しいプロダクトを始めるのが得意な会社は、長い時間をかけてプロダクトをサポートするのが疎かになりがちである。若手がのびのびと仕事をしている会社に限って、マネジメントは疲弊している。経営者にビジョンがあると言われる会社は、現場に発言力がなかったりする。人材が硬直化している会社では中途採用で優秀な人を確保するのが難しいし、流動化しすぎた会社にはよく分からない人がコネで入ってくる。 なぜ完璧な組織はないのだろうと思っ
youkoseki.com 近代店舗建築の父、マ・イバスケット 近代店舗建築の父と呼ばれる巨匠、マ・イバスケットは、従来の店舗建築の概念を著書「夢見る都市」で再構築し、未来の店舗を司る三要素として「赤のファサード」「緑の軒」「小さなエントランス」を挙げた。また、日常生活には生鮮食品を取り扱う小型店舗の存在が不可欠であると説き、無数の小型店舗が都市部に群生することで、どこからでも徒歩で類似の店舗へと辿りつく「循環する街」を提唱した。数字の5に強い思い入れを持ち、5のつく日はポイントを増やすことを訴えた。同時期に活躍した建築家セブンイレ・ブンとは異なり、都市には夜が必要であると主張し、24時間営業には否定的であった。 2019/03/17 - 2019/03/18
youkoseki.com これまでに書いたコラムなど。 2021 キャンセル・カルチャーをキャンセルせよ 医療テックユニコーン「セラノス」の興亡を描く"BAD BLOOD"が面白しんどい 2021年だから人類はHTMLを手打ちしろ 2020 GoToEatで悶えて消えろ Factorioという、仕事以上の仕事をしたい人のための仕事について 西和彦氏の「反省記」がむちゃくちゃで面白い 政治家に学ぶキャリア・デベロップメント マイクロソフトCEOの「Hit Refresh」を読んで、社会と経営を内省的に考える アフターコロナ時代のテレワーク・マナー99 ローソンのデザインの難しい問題 検察庁法改正とTwitterデモの危ういバランス ブラック・ミラー全話(*)ショートレビュー 受験便乗商品がつらい 2019 [PR] 記事タイトルでどこまで開示すればいいか問題 [ではない] 炎上広告批評:ス
youkoseki.com 問題は広告が炎上することよりも、炎上の覚悟がないこと 年始から広告・プロモーションの炎上が続いている。具体的な話にはあまり踏み込みたくないが、例えばそごう、ロフト、グリコ、トヨタ、女子ハンドボール選手権、小学館などである。 驚くべきことに、これらの炎上はすべて女性を題材にしたもので、特に働く女性に関するものが多い。それだけ可燃性の高い題材なのだろうし、「これで良い」と考えるプロモーション側と、「これは許されない」と考える視聴者のギャップがある題材だとも言える。 それでなくても、女性と働き方(あるいは子供の育て方)を題材にした広告の炎上は以前から続いている。この数年ではルミネ、資生堂、牛乳石鹸、ユニ・チャームなどの例もあった。こうした題材へ不用意に踏み込んだら炎上することは、そろそろわかっても良いのでは? ずっとネットを見ていれば、そう思ってもおかしくはない。 一
youkoseki.com 出会う系アプリ:ディスティニー 先輩が結婚することになった。仕事あがりにしょっちゅう二人で飲みに行ってたのに、まったくそんな素振りがなかったから、ただただ驚きだった。 どんな人なのか、どこで出会ったのか。語ろうとしない先輩をしつこく問いただして、先輩はようやく話しはじめた。 「アプリを使ったんだ。いわゆる出会い系アプリだね。いかがわやつじゃないよ。真剣なやつ。真剣すぎたかもしれない」 もちろん、なんというアプリなのか問い詰めた。 「誰にも言わないように。ここだけの秘密だから。ディスティニーで検索すると出てくる。ハートマークにDのロゴが描いてあるやつ」 家に戻って、すぐディスティニーで検索をしたら、簡単に見つかったので、インストールした。出会い系アプリの名前に「運命」とは、なんと大袈裟なのだろうと思いつつ。 起動する。ハートマークにDのロゴが浮かびあがって、すぐ長
youkoseki.com スマホを見て歩こう 歩きスマホはやめろとか言ってもいまさら無駄だよね、と携帯電話メーカー各社は方針を変え、スマートフォンには今まで以上にたくさんのセンサが埋め込まれるようになった。これでスマホを見ながら歩いても、近くの障害物を検知して、警告を表示してくれるのだ。 はじめは素朴なシステムだった。右から人がやってきます。左前から三人組が歩いてきます。左に一歩寄りましょうか、そうそうそんな感じ。もうちょっとゆっくり歩かないと前の子連れにぶつかりますよ。後ろにいるの先輩の中村さんじゃないですか?(隠れます?) でも僕達はネットを見たり、ゲームをしたりするためにスマホの画面を見て歩いているのだ。センサの警告ばかり見せられては本末転倒である。だから警告は、ささやかなスマホの振動に置き換えられた。ブッとスマホの左側が振動したら、左に一歩寄る。右側が振動したら、もちろん右。振動
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『youkoseki.com』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く