磯山 友幸 2019年度予算が可決、成立し、一礼する安倍晋三首相=19年3月27日、国会内【時事通信社】 国会で大盤振る舞いの予算が成立した。2019年度の一般会計予算は7年連続で過去最大を更新し、101兆4571億円と、当初予算段階で初めて100兆円の大台に乗せた。10月の消費増税に伴う景気への影響を軽減するという名目で、公共事業を中心に大幅に増額しているのが特徴だ。 社会保障を隠れ蓑 景気対策に新たに2兆280億円を使うが、単純計算で、これが無ければ100兆円を突破せずに予算を組むことも可能だった。つまり、意識的に100兆円を突破させる予算を組んだのだ。 背景には景気回復による法人税や所得税の税収増、消費増税による税収増など、次々と生まれる新税による税収増に群がって、予算を膨らませたい永田町と霞が関の思惑がある。これではいつまでたっても財政再建などできるはずはない。 公共事業費は6兆9