(CNN) バイデン米大統領が署名した950億ドル(約15兆円)規模の軍事支援パッケージは、現実的な交渉が成し遂げた偉業に他ならない。それはウクライナとイスラエルへの資金拠出を念頭に置いた施策であり、数カ月に及ぶ連邦議会での抜け目ない駆け引きを経て実現した。しかし今回の支援で両国の戦争目的が増大する場合、それはこの種の現実的な交渉を阻害する恐れがある。そうした交渉こそが、両国の戦争に終止符を打つ唯一の方法であるにもかかわらず。 民主国家が反自由主義的な敵に立ち向かうのを支援するバイデン氏は正しい。イスラエルとウクライナは、侵攻という最悪の罪に苦しんでいる。しかし無条件の支持を声高に唱えることは、交渉による和平を妨げるという点でかえって助けようとする国々を傷つけかねない。民間人の命を守り、地域の安定を回復するのはその種の交渉だからだ。 資金の提供によって、ウクライナとイスラエルには勝ち得ない
衆院3補欠選挙は28日投開票され、自民党が全敗。全選挙区で立憲民主党の公認候補が当選した。唯一、与野党対決となった島根1区では、元職の亀井亜紀子氏(58)が当選。自民は派閥の政治資金パーティー裏金事件の逆風を受け、東京15区と長崎3区で独自候補を擁立できず異例の不戦敗に追い込まれた上、頼みの島根1区まで落とした。3議席は元々自民議席だけに、岸田政権への大きな打撃となる。 * * * * 今回の結果で注目されるのが、今後の岸田首相の解散戦略。政治評論家の有馬晴海氏は「そもそも自民は、2選挙区で候補者を出していない。負け前提、分かりきった戦いだった」とした上で「岸田首相自身に関する影響も、あまりないでしょう」と指摘した。 「もともと岸田氏は、直近の解散は考えていない。各政党の調査などを見ると、いま衆院解散すれば立憲民主党が全部勝ってしまう状況ですから」。現在は9月の総裁選に向けて地ならしをして
衆院3補欠選挙で自民党が唯一戦った島根を落とし、自民離れの民意が明確になった。全敗に終わった岸田文雄首相の求心力低下は必至で、早期の衆院解散・総選挙は困難な情勢だ。岸田氏が意欲を示す首相続投も一層厳しさを増す。 【画像】8氏を破って東京15区で当選を決めた酒井菜摘氏 裏金事件などへの国民の政治不信は根深く、保守王国・島根が陥落した。首相周辺からは「安倍派の裏金問題で足を引っ張られた」と恨み節が漏れる。選挙結果は派閥解散も一定程度影響した。多額の資金や議員らの応援といった従来の派閥型選挙が封じられた形で、自民の今後の選挙戦略に根本的な課題を残した。 総裁選前に衆院を解散し総選挙で勝利して総裁再選を果たす-。首相は続投シナリオを描いてきたが最側近の木原誠二幹事長代理ですら「政権交代が起こってもおかしくない状況」と公言するほど党勢は悪化の一途。首相は解散カードを切らずに総裁選に臨む選択肢も視野に
日米株価には厳しい調整圧力が働いている。期待されていた米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が、市場の当初予想していた6月から後ずれしそうだからだ。熊野英生氏のコラム。米首都ワシントンで2017年撮影(2024年 ロイター/Kevin Lamarque) [東京 23日] - 日米株価には厳しい調整圧力が働いている。期待されていた米連邦準備理事会(FRB)の利下げ開始が、市場の当初予想していた6月から後ずれしそうだからだ。 米経済が堅調であることの裏返しとして、消費者物価指数(CPI)は前年比3%台から2%へと下がっていかない。金融引き締めの効果が物価上昇圧力の低下へとなかなか波及せずに高止まっている。米長期金利も、年内利下げの予想が遠のいて、じりじりと上昇を続けている。それが、ドル高圧力となっている。 日銀についても、これまでの「緩和的な金融環境が当面維持される」というアナウンスが、徐々
29日の外国為替市場で円が対ドルで下落し、一時1ドル=160円台と1990年4月以来およそ34年ぶりの円安・ドル高水準を付けた。日銀の政策維持を受けて幅広い通貨に対して円売りが膨らみ、対ユーロでは1ユーロ=171円台と1999年に単一通貨として成立してからの最安値となった。その後は一時1ドル=155円台を付けるなど、円相場は荒い値動きとなっている。日銀が26日まで開いた金融政策決定会合で政策金
自民党は政権与党としての覚悟があるのだろうか。28日投開票の3つの衆院補欠選挙は、2つの不戦敗を含め全敗が確実になった。岸田文雄首相(自民総裁)は選挙前、補選について国会で「私への判断も含まれる」と答弁していた。ならば今回の結果は「リーダー失格」と判断されたことになる。 しかし、補選はあくまで地域限定の選挙だ。信を問うべきは本来、衆院解散・総選挙である。 振り返れば令和3年10月の前回衆院選からさまざまなことが起きた。首相は防衛費増額や反撃能力(敵基地攻撃能力)保持を含む安全保障3文書を決定した。経済安全保障法制の整備を進め、東京電力福島第1原発の処理水海洋放出を実行した。物価高や円安の進行があるとはいえ、大幅な賃上げ、過去最高の株高・税収増と経済は上向きになった。 被爆地初開催となった先進7カ国首脳会議(G7広島サミット)を主催し、ロシアの侵略を受けるウクライナの大統領を招いて連帯を表明
岸田文雄首相(自民党総裁)にとって28日投開票の衆院3補欠選挙で東京15区と長崎3区が不戦敗となり、与野党対決の島根1区も敗れたことで、今後の政権運営に大きな打撃となる。首相はこれまで、9月の総裁選前に衆院解散・総選挙に臨み、与党を勝利に導いた上で総裁再選を目指す考えだったが、戦略の見直しに直面している。 「今はとてもそんな状況じゃない」 4月中旬、首相は早期の衆院解散に打って出る可能性について、周囲にこう漏らした。 首相が解散戦略の展望を悲観的に語ったのは、東京15区と長崎3区で早々に不戦敗が決まり、唯一、公認候補を立てた島根1区でも強烈な逆風にさらされていたからだ。 選挙戦で、首相は自ら島根県内の地方議員や首長らに電話をかけ、公認候補への支持を呼びかけたほか、選挙戦最終日の現地入りを前日に急遽(きゅうきょ)、決断し、街頭演説にも臨んだ。だが、立憲民主党候補が優位に立つ展開は終盤まで続い
自民党が28日投開票の衆院3補欠選挙で島根1区を落とし、不戦敗を含め全敗が確実になったことで、党内で「岸田文雄首相(自民総裁)では選挙の顔にならない」との声が強まりそうだ。とはいえ有力なポスト岸田候補も不在で、「岸田降ろし」の動きがすぐに本格化する気配は薄い。 自民が過去1度も議席を失ったことのない島根1区で敗れるという状況は、派閥パーティー収入不記載事件による逆風の強さを再認識させた。しかし自民執行部の一人は28日、「初めから厳しい戦いだとわかっていた。首相はやめろという話にはならない」との見通しを語った。 内閣支持率が低迷する中、補選の結果を待つまでもなく「6月23日までの今国会会期中の衆院解散」を主張する政権幹部はいない。 複数の自民幹部や議員が「解散しなくても総裁選の勝機はある」との認識を首相や首相周辺に伝えている。幹部の一人は「岸田首相の他にいない」と語る。 自民党政治刷新本部の
Currency exchange shop in central Tokyo on April 17, 2024 Photographer: RICHARD A. BROOKS/AFP 円相場は、日本のレッドラインと言われる水準をはるかに超えて急落している。29日には一時1ドル=160円の安値を突破した。トレーダーらは、当局がいつ通貨買い支えを始めるのか、なぜまだそうしないのかと疑問に思っている。 日本の祝日となった29日午前、円相場は朝方の158円付近から急落した。対ドルで約1.2%下落し一時160.17円をつけ、34年ぶりの安値圏を更新した。日本の休日で外国為替市場の流動性が低下する中、円が一段と急落するリスクが警戒されていた。 日本銀行が金融政策の現状維持を決め、円安が加速した26日の金融政策決定会合後、鈴木俊一財務相は外国為替の動きに適切に対応すると繰り返した。同相は今月初め、イ
老化の兆候が表れるのはいつか。医師の和田秀樹さんは「脳の中の『前頭葉』の機能が衰えると、本当の老化が始まる。最近どうも意欲が湧いてこない、感情が乏しくなった気がするという状態であれば、あなたの前頭葉は劣化が始まっているのかもしれない。このような『前頭葉バカ』の状態を食い止めるには、これまでに経験したことがない新しい体験をすることだ」という――。 ※本稿は、和田秀樹『老後に楽しみをとっておくバカ』(青春出版社)の一部を再編集したものです。 老化のサインは意外なところから 50歳前後になると、人は誰しも、あるサインを感じ取ります。 40歳前半くらいまで「当たり前にできていたこと」が、ふいに難しくなる……。 そう、「老い」のサインです。 わかりやすいのが、視力です。 まず、本を読むのが億劫になります。小さな文字がかすんで読みづらくなります。気がつけば、スマホの画面をうんと目元から離してピントを合
アルツハイマー病は、脳の中にたまったアミロイドβという異常なタンパク質が原因と考えられていますが、通常は、脳内の「脳の中の水」によって日々洗い流されているといいます。前編では、この脳の中の水のはたらきについて、見てました。引きつづき、この脳の水によって洗い流されたゴミの行方を追ってみましょう。 長年の謎、脳のリンパ管 以前の記事*で、老廃物を含む間質液は、リンパ管に吸収されると述べました。リンパ管は、全身をくまなく覆っており、私たちの活動によって生じたゴミを洗い流してくれています。 しかしながら、どういうわけか、脳組織でのみ、このリンパ管が見つかっていませんでした。したがって脳がどうやって老廃物を洗い流しているのかは、医学分野でも長年の謎でした。 じつは、この謎を解く鍵は、これまで述べてきた脳脊髄液の流れにあったのです。 *以前の記事:〈アルツハイマー病に関係する「アミロイドβ」じつは、若
アルツハイマー病に関係する「アミロイドβ」じつは、若い人でも発生していた…!なんと、「スポーツドリンクのような液体」が脳を洗っていた 毎年9月21日を「世界アルツハイマーデー」とし、「国際アルツハイマー病協会(ADI)は、世界保健機関(WHO)と共同でこの日を中心に認知症の啓蒙を実施しています。1994年のこの日、スコットランドのエジンバラで開催された「第10回国際アルツハイマー病協会国際会議」上で、患者とその家族に援助と希望をもたらす事を目的に制定されたことによるものです。 ※ 厚生労働省によるアルツハイマーデーの解説 さて、先日、アルツハイマー病の新薬「レカネマブ」が日本でも承認される見通しとなり、話題となりました。この新薬は、脳の中にたまったアミロイドβという異常なタンパク質を取り除くことを目的に開発されたそうです。 じつは健康な人でも、脳の中でアミロイドβは作られているのですが、脳
ジェットコースターで結石を出す、うんちを移植してガンや認知症を治す、万引きや虐待の時に活性化する脳の部位がある…。こうした研究は実際に存在するものです。 そして、最先端の研究分野ではこのほかにも身体や病気について次々と新しい事実が明らかになっています。そんな“人体の話”をまとめたのが『ウソみたいな人体の話を大学の先生に解説してもらいました』。 Xのフォロワー22万越えの大人気ニュースサイト「ナゾロジー」の協力のもと、岡山大学大学院教授の中尾篤典氏と脳神経科学者の毛内拡氏が解説します。(※本記事は同書の一部を抜粋・編集したものです。) 年をとっても代謝は落ちない 私たち現代人にとっての永遠のテーマともいえる老化とダイエットにまつわる内臓の話です。「内臓年齢」や「内臓脂肪」などの言葉が示すように内臓と老化・ダイエットの関係はもはや常識といってもよいでしょう。 しかし、その常識、どこまで最新の知
ジェットコースターで結石を出す、うんちを移植してガンや認知症を治す、万引きや虐待の時に活性化する脳の部位がある…。こうした研究は実際に存在するものです。 そして、最先端の研究分野ではこのほかにも身体や病気について次々と新しい事実が明らかになっています。そんな“人体の話”をまとめたのが『ウソみたいな人体の話を大学の先生に解説してもらいました』。 Xのフォロワー22万越えの大人気ニュースサイト「ナゾロジー」の協力のもと、岡山大学大学院教授の中尾篤典氏と脳神経科学者の毛内拡氏が解説します。(※本記事は同書の一部を抜粋・編集したものです。) お酒に強い人は糖尿病になりやすい! 肥満に関わる誤解をもうひとつ解いておきましょう。糖尿病についてのお話です。 糖尿病と聞くと、お腹が出た肥満の人、不摂生な人がなる病気というイメージがありますが、これは誤解です。例えば、日本人を含む東アジア人は肥満でなくても糖
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