忙しいのに加えて飲み会がかさなり、それでも酔っ払って家に帰りついてからなお、寝床で毎晩少しづつ読みながら、かつての自分の姿をその話の中に鏡のように見るにつけ、唸りながら寝返りし、腕組みしては思い出にふけったりしているうちに朝の鳥のがなきはじめ、そうこうして小説が終わる前に疲弊して病気にかかってしまった。吐き気がひどく熱が出て完全にダウン。そのまま寝床で読み終えた。 まずは先日のコメント欄、id:sujakuさんによる秀逸な紹介文から。 雑誌連載時のタイトルは、なんと『日本近代文学 from left to right』でした。 親はウキウキとアメリカへ移住したものの、連れてこられた2人の娘たちは、<教室のなかのアメリカ>という現実に直面。そんななか主人公の美苗は、心を閉ざしながら、一心に、樋口一葉から太宰治までの”日本近代文学”を読みふけってゆくんです。 物語の冒頭では、降りしきる雪の日、