2007.12.29 世界を動かしているのは悪意ではない (19) カテゴリ:陰謀論批判 振り返ってみると、「陰謀論」 の誤りと、その危険性について、ずいぶんとごちゃごちゃ書きまくってしまった。なにしろ、クリスマスについて書き出した記事まで、最後は 「陰謀論」 批判という結論になってしまったくらいだ。 「陰謀論」 にはまりやすいのは、ナイーブな人が多いと書いたけれど、もうひとつ付け加えることがある。それは、根は同じことだが、「陰謀論」 にはまりやすい人の多くは、世界を動かしているものは、人間の 「悪意」 であるといった発想に捉われているということだ。 たしかに、世界は不条理であり、様々な 「暴力」 や 「不正」、「悪」 に満ちている。しかし、その多くは、誰かのことさらな 「悪意」 によって生じているわけではない。 一昨日、パキスタンでブット元首相が爆弾テロによって暗殺された。帰国直後にも爆
はてな村の一員として、村のアイドル有村さん*1の観察には日夜余念のないワタクシであるが、このたび*2、なんとなく有村さんのことを考えていた*3ところ、ふいに自分の昔のことを思い出して悲しくなったでござるよの巻。 ということで、この記事は有村さんという人物を出汁にした単なる自分語りであって、それ以上の意味は特にないことを予め言っておく*4。 具体的な事例を引っ張るのは面倒なので止めておくが、有村さんという人物のある一面をいい加減にまとめると、不快感に対しての感度が高く、不快な言説を発する人物に対してはその言説を相手の人格に勝手に投影しての人格攻撃も辞さず、同時に自らの人格を衆目に晒し非難されることを回避しないにもかかわらず大して打たれ強いわけでもなく、しばしば傷だらけになりながら他者を攻撃し、最終的には力尽きてひとり荒野に伏すような人物である*5。 こうした劇画チックな生き様(の必要性)に最
→紀伊國屋書店で購入 「翻訳を切り口に国語の成立をたどる」 東京育ちで、両親も、その親も東京の人で田舎というものを持ったことのない私には、方言で育った人が標準語をしゃべるときの違和感は実感としてわからない。でも英語を話しているときは、それに似たものを思いっきり味わう。 英語は何事もはっきり言い切ることを求める言語で、曖昧さをゆるさない。そう思わない部分が少しあったとしても、「そう思います」と答えることで相手とのコミュニケーションがころがっていく。言い切った直後は日本語で思い惑っていた自分を裏切ったような後ろめたさを感じるが、何度かそういう場面を繰り返すうちに、英語で話している人格が調子づいてきて、しれっと言い切れるようになる。ある言語を使うことは、その言葉がもっている論理や感情や感覚に入っていくことなのだ。 ビジネスが目的なら、割り切れる言葉で言うほうが商談がスムーズになるだろう。学問の世
→紀伊國屋書店で購入 「「帰国」を説明する」 依然として書店の平積みコーナーを占拠し続ける本書。つい最近も「ユリイカ」で水村特集が組まれたりして、日本文学と英語のかかわりにこんなみんなが関心を持つのは良いことであるなあ、と筆者などは職業柄つい軽薄に喜んでしまうのだが、実際に読んでみると、けっこう変な本である。そして、たぶん、そこがこの本の持ち味。 出だしは明らかに私小説である。 「ユリイカ」のインタビューでも話題になっているが、日本での自律神経失調症に悩む生活から、アイオワ大ワークショップでのややすさんだ滞在生活へと話が展開するあたり、日本語論や英語教育論とは無縁、むしろいつもの水村節を、さらにきわどく押し進めたような自虐の語りで、病の匂いが強く漂う。 ところがふつうに読んでいくと、それが一見冷静な現状分析に引き継がれ、日本近代文学の誕生の過程、「国語」概念の発生、「普遍語」の支配といった
「心に青雲」というブログの■ノーベル賞受賞者の哀れというエントリーが注目されている。 ノーベル賞という話題のトピックに加え、「学問の世界の基準からすれば、こんなゴミみたいな研究で、世界的な発見だとは笑止である」とか、「しょせんノーベル賞なんか、ユダヤ陰謀組織の配下の者へのご褒美」とか、「南部氏その他、ノーベル賞をもらった人は感性の薄い顔をしている」とか、「素人ながら私でも、素粒子が非対称であるのは、言われるまでもなく当たり前ではないかと思う」とか、全編にわたってツッコミどころがあるからであろう。念のために言っておくが、これらの主張は、釣りでもネタでもなく、マジである。 以前から「心に青雲」をウォッチしていた私としては、「無名なころから応援していた野球選手がタイトルを獲得した」とか、「新人のころから注目していた漫画家がヒット作を書いた」とか、そんな気分。実はまったく無名だったというわけではな
テルアビブの選挙本部で11日、支持者に応えるリクード党首のネタニヤフ元首相=APテルアビブで、支持者に応えるカディマ党首のリブニ外相=AP 【エルサレム=村上伸一】イスラエルで10日に行われた総選挙(国会定数120)は、11日の開票で右派陣営が大きく躍進、計65議席を占める見通しとなり、過半数獲得が確実になった。労働党など左派が後退する一方で、極右「イスラエル我が家」が第3党に躍進。パレスチナとの和平交渉は、さらに停滞する可能性が高まった。 ■国民は治安を最優先に 「我々(右派陣営)のやり方が勝った」と野党リクード党首のネタニヤフ元首相。 「国民は我々を選んだ」と連立与党第1党、カディマ党首のリブニ外相。 テレビ各局の出口調査が報じられた11日未明、両党首はいずれも「勝利」を宣言した。連立工作により過半数議席を確保し、首相の座を争う姿勢が鮮明になった。 中道カディマは終盤に盛
昨日の続き。今日はイスラエルの総選挙なので、さくさく進めるよ。 ガザ攻撃―――黙認された罪なき人々の犠牲 米国が掲げる人道はどこへ (2009.01.27 毎日新聞 8面) http://mainichi.jp/select/world/news/20090127ddm007030030000c.html だが、問題は米国と国際社会の乖離(かいり)である。米国の2人の大学教授が書いた「イスラエル・ロビーとアメリカの外交政策」(講談社)によれば、米国は72年から06年の間に、イスラエルに批判的な42の国連安保理決議を拒否権で葬り去った。こうした状況で世界の懸案を公正に解決できるのか、拒否権行使は本当にイスラエルの平和につながるのか、という重大な問題がある。 まずは「問題は米国と国際社会の乖離である」について。国際社会と乖離することが、そのまま問題行動である、とは言えないだろ常考。いじめは、い
2007.12.24 「結果論」 と 「目的論」 の混同について (12) カテゴリ:陰謀論批判 気がつくと、いつの間にか今年も残り少なくなっている。今夜はこの国のほとんどの皆さんが、1日だけのにわかキリシタンになるという日である。 昨日、いつものように夕方の買い物に、近くにある大型スーパーに出かけたところ、子供連れの家族客などで店内は熱気むんむんの大賑わいであった。ふと、気がついたのが、4, 5歳くらいの男の子。広い店内を、なにやら泣きそうな顔をしてバタバタと駆け回っている。 どうやら迷子になったようである。店内は大人の背よりも高い商品陳列棚がいっぱいに並んでいるから、見通しが悪い。目の位置の低い小さな子供にとっては、なおさらである。すでに半べそ状態であった。 店員も誰も気付かない (気付かないふりなのかもしれない)。声かけようかな、どうしようかな、でも変なおじさんに間違われてもなんだし
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く