時々、ある医者に対して、どうしてこいつはハートもないのに、患者さんの受けはいつもいいんだろう?と思っていた。(私も患者さん受けは、まあ悪くないはず、若い頃演劇学校に行って勉強したし。) 心は、患者さんをみる多くの場合、必要としない。だって今の病院では、もう普通クリニカルパスを使っていて、ただマニュアル通り診断して治療するだけだ。それ以外での事をしたら、病院がつぶれてしまう。 じゃ、患者さんうけ(あまり良い言葉でないが)には何が必要なんだろう。 これに対する答えがわかったように思ったのは、村上春樹さんの「世界の終わりとハードボイルドワンダーランド」をもう一度読んだ時。 以下引用 『僕はベッドの上で体を起して、両手で頬をこすった。顔がひとまわり小さく縮んでしまったような気がした。 「あなたが言っているのはたぶん心のことですね?」 老人は肯いた。 「僕に心があり彼女に心がないから