傷つけられた大地に、黄色の花を咲かせよう−。東日本大震災に伴う福島原発の放射能漏れ事故で、汚染が確認された福島県飯舘村の農地に、放射性物質を吸収するとされるナタネを植える取り組みが進められている。これを「栃木から支援しよう」と、宇都宮市の主婦、飯野恵理さんが中心となって「なたね募金」を立ち上げた。「菜種の花が、飯舘村の希望につながれば」と願いを込めている。 菜種は、土壌中の放射性セシウムの吸収率が高いとされ、1986年のチェルノブイリ原発事故の際も、農地に菜種や、同様の効果があるとされるヒマワリが植えられた。菜種は、収穫後に菜種油に精製し、バイオ燃料として活用することも期待されている。 菜種などの作付けは、飯舘村の菅野典雄村長が提案し、「国家プロジェクトとして進めてほしい」と、国に要請してきた。これを受けた形で先月28日には、国が福島県と共同でヒマワリの植栽や、表土のはぎ取りなどの実証実験