「デマの心理学」(G.Wオルポート他著、南博訳、岩波書店1952年刊)という本を読んだ。その本によれば、「デマとは、特殊な信念の叙述であり、人から人へ伝えられるもの、・・・信じ得る確かな確証が示されないいないもの」と定義される。また「デマの原則は、広い応用範囲を持っており」社会的な行為とされ、「デマが、想起・忘却・想像・こじつけ」として拡がっていくが、その過程の中で「歪み」を受けると説明されている。 このデマの発生から拡散していく過程は非常に重要である。ある根拠のない話がが、一人の人物の口から出ると、それが別の人間の頭の中で、記憶され、一旦忘れ去られたように見えて、忘れ去られた所に想像力が働いて、そこに歪みというものが生じ、こじつけられたデマとして成長していく。それが別の人間に伝えられる。この過程が次々と繰り返される過程で、最初の出だしとは似ても似つかないようなデマとしてエスカレートしてい