統一地方選挙の前哨戦として注目されていた愛知県知事選挙と北九州市長選挙は、与野党一勝一敗という結果に終わり、柳沢伯夫厚労相の首はつながったようである。しかし、中盤まで圧倒的な劣勢を伝えられていた愛知県知事選挙で、野党系の候補が肉薄したことは、安倍政治に対する国民の不満が大きいことの表れであろう。共同通信の世論調査では、内閣支持率40%に対して不支持率が44%に上り、不支持が支持を上回っている。柳沢氏の首は安泰でも、もはや安倍内閣全体は瀕死の情勢である。 とは言うものの、安倍政治を終わらせるのは簡単ではない。安倍という人はおそらく、幼い頃から出来の悪さを責められることに慣れているはずであり、むしろこれからその真価が発揮されるであろう。どんなに出来が悪くても、総理が自分から政権を投げ出さない限り、その内閣は続く。また、今のところ安倍政権は自滅の形であり、野党に対する期待感が高まっているわけでは