お正月休みに『Joel on Software』を読んだ。鋭い考察をした本で、なかなか興味深かったのだけど、とくに面白かったのが「漏れのある抽象化の法則」だった。ちょっと引用してみますね。 P.221 漏れのある抽象化の法則が問題である理由の1つは、抽象化が、それが意図されているほどには私たちの生活を楽にはしてくれないことにある。誰かをC++プログラマとして鍛えていると、char*とかポインタ演算とかについて教えずに済めばいいのにと思う。すぐにSTLのstringに進むことができたらいいのに。しかしある日、彼らが"foo"+"bar"のようなコードを書いて、とても奇妙なことが起こり、私は立ち止まってchar*について教えざるを得なくなる。あるいは、彼らはあるとき「OUT LPTSTRを引数に取る」とドキュメントに書かれたWindows API関数を呼ぼうとするのだが、char*、ポインタ、