「VR」とは「仮想空間に表示した仮想物体を操作する技術」のことである。 現在のVRには重要な構成要素が二つある。 一つは「視界が仮想空間で覆われている」、つまり没入型ディスプレイである。 もう一つは「自分の身体を動かして仮想物体を操作する」、つまり体感型インターフェイスである。 この二つは同じくVRとして括られつつ、しかし相性がとても悪い。 目隠しをしながら部屋のなかを歩きまわるようなものだからだ。 たとえばFPSゲームをVRでやるとする。 プレイヤーキャラを動かすために自分自身が歩く。 すると現実の壁に頭をぶつけてしまう。 銃を撃つために右手を前方に突き出す。 すると現実の壁に手をぶつけてしまう。 没入型ディスプレイを使うなら身体を動かすべきではないし、体感型インターフェイスを使うなら周囲が見えていなければいけない。 この矛盾は、最先端のVRヘッドセットであるMeta Questでも解消