サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
ノーベル賞
biochem-fan.hatenablog.com
先日、学部生から、学ぶべきことが多すぎて焦ってしまう・全部習得できる気がしないという相談を受けた。もちろん、試験に通って卒業するために覚えねばならぬことが多すぎるというのではない。ある学問分野を修めたい・憧れの誰かのような深い理解に達したいのに、必要な知識が多すぎて手に負えないという焦りのことである。見上げると高い山があって、そこまでどう登ったらよいのか見当がつかない、そもそも頂上にたどり着けるのかどうかも分からないという気持ちである。自分も学部生の頃、同じような気が急く感覚に悩まされていたなと思い出すとともに、そういう情熱を持つ学生が今もいることを嬉しく思った。 この感覚をもっと身近な場合に当てはめて分析してみよう。例えば漫画やライトノベルには既刊 30 巻といった作品も少なくない。「とても最新話に追いつける気がしないから手を出すのはやめておこう」という判断をする人もいる。追いつける気が
はじめに 専門家としてのアイデンティティ 分野の雰囲気の変化 コモディティ化と専門家の役割の低下 商業化・特許・ブラックボックス シェアの低下 計算資源の不足 新しい IT 技術を習得できない 小回りがきかない 同僚や分野の関心との乖離 他人事になってしまった 自分の存在意義を信じられない 今後の方針 可能性 1: 日本の電顕施設での解析支援とその問題 可能性 2: 電顕施設ではなく(生)化学系グループへ所属する 可能性 3: 仕事だと割り切って企業に行く おわりに 追記とコメント返信 変更履歴 はじめに 筆者*1は構造生物学(X 線回折と電子顕微鏡単粒子解析)のためのプログラム開発とデータ処理を専門としている。昨年、英国の研究機関にて任期なしの investigator scientist ポストに昇進し、Nature に筆頭著者として論文を出し、年間被引用数 1850 以上、h-ind
NVIDIA の GPU の使用率を、Ganglia で監視するようにした。 GPU の状態は nvidia-smi コマンドで取得できる。dmon モードで起動すると、連続的に1エントリ1行の形式で出力してくれる。 nvidia-smi dmon -s pu -d 5 # gpu pwr temp sm mem enc dec mclk pclk # Idx W C % % % % MHz MHz 0 64 36 0 0 0 0 3004 745 1 68 36 94 4 0 0 3004 745 0 64 37 0 0 0 0 3004 745 1 64 37 0 0 0 0 3004 745 0 21 37 0 0 0 0 324 324 1 21 37 0 0 0 0 324 324 0 21 36 0 0 0 0 324 324 1 21 35 0 0 0 0 324 324 .
本記事の目的と注意 注意! 私は、NGS については amplicon sequencing の解析経験(しかも半年)しかない。本記事は、データを解析して、STAP論文(Obokata et al, Nature 2014. Article と Letter)に対して何らかの結論を導くのが目的ではない。これだけリード数が少なくて、しかもサンプルがポリクローナルな混合物であることを考えると、ここから何かを結論するのは極めて慎重にならないといけないと思う。したがって、結果の「解釈」には立ち入らない(し、その能力もない)。本記事は、「ネットで話題になっているデータを、自分も解析してみたい!」と、「行為」そのものに魅力を感じる方のために、私が行った操作の流れを紹介するものである。 私は当初 RNA-seq のデータを解析しようとしたが、リファレンス・トランスクリプトームに存在しない再構成後の T
1年近く下書きに眠っていたのを公開。これは統計的手法を真面目に勉強しはじめて、最初に「面白いな」と思った事柄だから、思い出深い。最小二乗法という昔から知っていた手法が、最尤推定という自分にとって目新しい知識とつながる体験は快かった。 回帰とは、モデルからの予測値と実測値のズレ(誤差, 残差)を最小化するようにフィッティングすることである。 具体的にいうと、説明変数(独立変数ともいう)の列があって、目的変数の列が対応している。我々はモデル f(x) を用意して、モデルからの予測値、すなわちモデルに説明変数を突っ込んだ時の出力 がなるべくに近くなるようにしたいのである。 モデルといっても、その範囲は広い。極論すれば、 に対して を返すような関数も立派なモデルである。しかしそれは実用上何の訳にも立たないので、多くの場合は、より少ないパラメータ によって調節可能なモデル を考えるのである。いくつの
日本語に英語を混ぜる時、どこで切り変えるか、品詞をどうするか悩むことがある。例えば、「飽和する」は「saturate する」か「saturation する」か、「(実益が目的ではなくて)単に面白いからやっている」は「just for fun のためにやっている」か「just for fun でやってる」か。別に芸人のルー大柴みたいに話したいわけではない。元のニュアンスを保つために、どうしてもこの単語は英語のままにしておきたいという場合があるのだ。「飽和する」はともかく、"just for fun" の感覚は日本語にはぴったりしたものがなく、無理に表現しようとすれば迂言的・説明的になってリズムが悪いと感じる。 こういう時、 バイリンガルはどこでコードスイッチするのだろう? コードスイッチング code switching とは、(本当の)バイリンガル同士が話すときに複数の言語が入り交ざる現象
以前所属していたラボで書いたプログラムの話をする。学問的な見所はほとんどないけれど、プログラマとしては愉快なタスクだったし、ラボの仕事の効率化に少なからず貢献できたと思っている。これらのプログラムは、今でもほぼ毎日使われているはずだ。エピソードは全部で3つ。最後に「まとめ」もつけた。 注意: 諸事情により細部を伏せたり変更している。実際のデータやスクリーンショットを出したほうが分かりやすいだろうが、これも出せない。申し訳ない。あと、自慢話うざいという人は読まない方がお互い幸せだと思う。 測定データを記録するバイナリファイルを解析した話 高速液体クロマトグラフィーという装置がある。装置は分離部と検出部からなる。前者はサンプルを分子量や電荷などによって分離する。後者は分離後一定の順序でチューブの中を流れてくるサンプルを、一秒間に数回ずつ検出する。結果は、横軸が時間、縦軸が測定値の折れ線グラフと
私はいわゆる「研究者」、特に「職業研究者」としてやっていくことは諦めた。種々の困難に負けて挫折したというのが半分、性格的にも向いてないと自覚したのが半分だ。#この辺は、ぼちぼち書いていきたい 例えば、プロ野球の監督になるという夢を持っていた小学生も、大人になれば諦める。いくら野球が好きで、毎日欠かさず観戦して、自分の意見を持って評論していても、所詮は素人の戯言、決して監督にはなれないと気づく。私がここで偉そうなことを書いて、後輩に持論を披露しても、アマチュアの放言の域を出ることはできない。 とはいえ、大人の野球趣味が無意味かというと、そんなことは決してないわけだ。好きという気持ちは本物だし、素人なりに観戦を楽しんでいる。私にとっての科学も、そういうものでありたい。実際、趣味として物理学や数学を楽しんで勉強し、ブログや Web サイトで勉強記録を披露している方々がいる。OS をフルスクラッチ
緒言 私は、ネット上でいわゆる「鬱発言」をするのを抑えてきた。筆が滑ってしまって書いてしまったこともあるが、あとで書かなければよかったと後悔した。だから、今、こんなものを書いて公開したところで、黒歴史を作るだけである。それなのになぜ書く決心をしたのかといえば、精神科医が「君は自分の感じていることをうまく言葉にして表現してくれるから、参考になる」と言ったからである。読んで、誰かの役に立つとしたら、それは喜ばしいことだ。あとで書くつもりだが、今の私は誰かの役に立つことに飢えている。――いや、本当か? 分からない。 中島敦の作品には「かめれおん日記」とか私小説的なものがいくつかあって、こういう精神状態の時に読むと、大変救われる気がする。気分がよい時には、とても読めないけれど。私が書いたものに、なんらかの文学的価値が生じるとは皆目思っていないが、それでも何かの役に立つかもしれない。 2014/1/
興味深く思ったことを書いていこうと思う。何もかもつまらなく感じて辛くなることがあっても、今、面白いと思ったことは本当なので。その一方で、持病が悪い相にある時は、愚痴っぽいことを書いていることも多い。そんな恥をあえて晒している理由は、精神不調に書いた。 全角のシャープ(#)は、もっと書くべき・要検討・あるいは直したいが、とりあえず公開してしまう場合につける目印である。本来#がなくなってから公開すべきであるが、完成度100%を待っていると下書きが増えるばかりで、吐き出せるものも吐き出せなくなるので。特に、しばらくは、下書きに溜まった大量の原稿を処分することから始めたい。 学問・技術的な話については、twilog を発掘していただいたほうが良いかと。 → 2023 年 4 月以降、Twilog が新規収集を停止したため、Twitter での発言をここに転載している(正直面倒)。 「SPring-
昨日のエントリでスムージングがうまくいかない旨を記載しましたが、うまくいく方法を見つけたので報告します。左が古い方法、右が新しい方法で取り込んだものです。旧法ではヘリックス部分に三角形のポリゴンが見えていますが、新法では滑らかに表示されています。 この文書は、以前の記事の大幅改訂版です。 できること 分子モデル(低分子・蛋白質・核酸 etc) をビルボードなどではなく、三次元データのまま MMD で表示できます。 分子モデルをミクなどのキャラクタと共演させられるので、「ミクさんと構造生物学を学ぼう」的な講座動画を作ったりできます。化学に興味のない人でも、ミクさんをβシートに腰掛けさせたり、ミクさんにクラウンエーテルを被ってもらったりといったシュールな絵を作って遊べます。 多くの人に構造データで遊んでもらって、化学に親しんでもらう機会となれば嬉しいです。 流れ 1. Pymol に PDB
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『biochem_fanのブログ』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く