唐突だが、ニッポンを休むことにした。 日本人であることは国籍を変えでもしないかぎりやめられない。 けれど、ニッポンはお休みできるのである。 徒歩5分の区役所出張所に行って転出届を提出し、ニュージーランド南島のクライストチャーチ市へ。 わずか半年だけれど、さよならニッポン。 子どもは現地の公立小学校に通わせ、ぼくは空と町が見える丘の上の家で、優雅に執筆生活の予定。 我ながら上出来な計画である。 以前からニュージーランドには愛着があって、これまで何度も訪ねている。それもほとんどが、自然が多く残る南島。いつか住んでみたいと思っていたけれど、頭の中では「子どもたちが巣立ってから」というイメージが強かった。 けれど、去年の5月頃だったか。息子が中学受験をしないと早々に決めてくれたため、ちょうどこの時期に行ってしまってもいいんじゃないかと気づいたのだった。 なぜ、ニュージーランドなのか、と聞かれる。