サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
体力トレーニング
courrier.jp
国民の43%が貧困に苦しんでいるとされる赤道ギニア。だが、同国の大統領のご子息はそんな状況をもお構いなし。湯水のように金を使い、自分の靴の色に合わせてその日に乗るロールス・ロイスを決めたり、「ガールフレンド」の買い物に8万ドル(約1150万円)を費やしたりするなど、常軌を逸した生活を送っているという。 テオドロ・オビアン・ンゲマ・マングには好きなものが2つある。それは「派手な豪遊」と「自分」である。だから2018年、自分の49歳の誕生日を祝うにあたって、出し惜しみはまったくしなかった。 友人からはテオドラン、一般の人からは「閣下」や「王子さま」と呼ばれるこの人物。自分の誕生日を全世界に知らしめるため、大富豪だけが催せる盛大な祝宴を開いてみせた。 祝宴の会場は、赤道ギニアの首都マラボにある大きなホテルにした。これは、彼の父親がこのアフリカ中西部に位置する小さな国の大統領の座に1979年からず
驚きの閉店率 9月、『ミシュランガイドニューヨーク』に12の新しいレストランが追加された。「高級フランス料理」から「エコシック」にいたるまで、さまざまなジャンルの料理を提供するこれらの店は、今回の成功を祝うことだろう。 タイヤメーカーでありながらレストランの評論も手がける同社のガイドブックに掲載されることは、高級レストランで最も切望される「ミシュランの星」獲得への第一歩となる。 しかし、学術誌「ストラテジック・マネジメント・ジャーナル」に最近掲載された研究によると、レストランは「星ナシ」でいるほうが良いのかもしれない。 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの経営学部助教ダニエル・サンズは、2000年から2014年の間にニューヨークにオープンし、米紙「ニューヨーク・タイムズ」のレストランレビューで星を獲得したレストランのその後を追跡した。 その結果、これらの前途有望なレストランのうち、ミシュラ
地域の夏祭りが突如、急転して、ただならぬ事態に陥った。1998年7月25日、和歌山市で住民67人がヒ素入りのカレーライスを食べて中毒を発症し、そのうちの4人が死亡した。 疑いのまなざしは、ほどなくしてこの近所の嫌われ者だった林家に向けられることになった。一家の母親である林眞須美には、保険金詐欺の疑いがあった。事件当日、林眞須美は調理されたカレーの見張りをする当番のひとりでもあった。 「マスコミは最初から犯人は地元の誰かだと決めつけていました」とフリージャーナリストの片岡健は言う。 悲惨な事件の1ヵ月後、「朝日新聞」がスクープを飛ばした。同紙の一面に「事件前にもヒ素中毒」の見出しが躍った。毒物混入事件が起こる以前に、同地区の民家で飲食した2人がヒ素中毒になっていたという記事だ。 すっぱ抜いた内容に間違いはなかった。林の家で、眞須美の夫である健治と知人の男が保険金の詐取を目的として少量のヒ素を
ビジュアルや機能以上のメリットも いまだに入手困難… 富士フイルムのデジカメ「X100V」の魅力とは? TikTokで人気に火がついた TikTokで富士フイルムのコンパクト・デジタルカメラ「X100V」が話題になって数年が経つが、米誌「ブルームバーグ・ビジネスウィーク」は「その人気はなおも健在だ」と報じている。 2022年9月、写真家でTikTokのインフルエンサーであるカイリー・カティッチはX100Vを紹介する動画を投稿した。彼女は「人生を変えるカメラを見つけた」と当時数十万人のフォロワーに向けて語り、自分の赤ちゃんの写真を次々と見せた。 その写真はどれも温かみのある黄色がかった色調で、まるで一世代前のアルバムから引き出されたかのようだった。カメラ自体はアルミ製でポケットに入るほどコンパクトで、ビンテージ感がある。フィルムのような写真を撮れるシミュレーション機能が搭載されており、スマホ
「すべてを失ってもいい人たち」 ブランドン・ミラーは大学卒業後、父親が経営していた不動産会社で働きはじめた。結婚当初、ブランドンの会社はマンハッタンのトライベッカにマンションを建設し、ブランドンは家族のために、そのマンションの「ユニット3」と呼ばれるペントハウスを購入した。 ブランドンと父親は、ハンプトンズにも2つの隣り合った土地を購入した。1つは池のそばにあり、もう1つはその後ろの土地だ。彼らはどちらの土地にも家を建て、うち1軒を公開市場で売りに出した。ブランドンはもう1軒の邸宅を手元に残した。それは、60人を招待してディナーパーティができるほど広い庭のある、まさに豪邸だった。 父の会社を通じて手に入れた複数の豪邸は、ミラー家に億万長者のなかの億万長者のような暮らしを与えたのだった。 だがブランドンの本来の目的は、商業で成功することだった。典型的なプロジェクトの場合、ブランドンは建築家に
夢のような挙式 ニューヨーカーたちのインスタグラムには、富を象徴する投稿がひっきりなしに流れてくる。ブランドン・ミラーとキャンディス・ミラーもまた、ニューヨークのセレブリティだった。 「真夏の夜の夢」と題された彼らの結婚10周年記念パーティは、ハンプトンズにあるミラー夫妻の豪邸のバックヤードで開かれた。招かれた友人は数十人に及ぶ。 着飾った美しい女性たちとそのハンサムな夫たちが、ミラー夫妻の儀式を見守っていた。プールの水面にはピオニーとバラの花びらが浮かび、2人の頭上にある天蓋は電飾で彩られている。 そのパーティは、彼らの完璧な生活と結婚をみごとに象徴していた。キャンディスは、このパーティについて記事を書いたブロガーにこう語った。 「夫のスピーチの最後に、涙があふれたわ。だって、彼が正直にありのままの感情を伝えてくれて、その言葉といったらとってもロマンチックだったんだもの」 パーティが最高
化石燃料による発電に変わるクリーンエナジーとして期待されている「洋上風力発電」だが、英紙「フィナンシャル・タイムズ」は産業そのものの持続可能性に疑問を投げかける。業界に立ちはだかる3つのハードルとは? 直面する3つの課題 2023年10月半ば、英スコットランド東部沖に並ぶ巨大なシーグリーン洋上風力発電所が稼働を開始した。 このスコットランド最大の風力発電所の年間発電容量はおよそ160万世帯分。化石燃料による発電から排出される二酸化炭素を年間で約200万トン削減し、地球温暖化に貢献できるとされている。 しかし、洋上風力発電業界全体にとっては苦労が重なっている。金利が上昇して資金調達コストが膨らんだのに加え、最新の巨大タービンに使われる資材の多くが値上がりしたことで、おもに米英では、電力販売から手を引いたり、補助金を頼りにしていた一部のプロジェクトを中止したりする開発企業が増えているのだ。 オ
ナスララ師亡き後のレバノンとイラン イスラエルはこの2週間、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラを少しずつ解体してきた。27日のヒズボラ指導者ハッサン・ナスララ師とヒズボラ本部に対する大規模攻撃は、間違いなく最も決定的な打撃となるだろう。 ヒズボラの戦闘能力が激しく混乱していることで、短期的にはレバノンの破壊と政治的混乱につながるだろうが、同国が利己的なテロリスト集団とテヘランにいるその後ろ盾に支配されない未来への扉を開くものだ。 ナスララ師は世界的なテロリスト集団の頂点にいたというだけでなく、ヒズボラの政治部門および軍事部門のトップでもあった。ナスララ師は30年余りにわたって組織の拡大を指揮し、レバノンで最も強力かつ効果的な統治体制を築いた。
※本記事は『万国お菓子物語 世界をめぐる101話』(講談社学術文庫)からの抜粋です。 ショートケーキはどこから? フランス発祥説 日本における洋菓子の代表はなんといってもいちごをのせたショートケーキだろう。どこにもありそうでいて、世界のどの国にも見当たらない。思えば不思議なお菓子である。 ではこれはいつ頃生まれ、いかなるプロセスをもって完成され広まったのか。 このお菓子の組み立てはスポンジケーキと生クリームといちごである。このうちのスポンジケーキについては南蛮菓子カステーラとして伝わって久しい。またいちごも、江戸末期にはオランダ人によって今様のものが伝えられていた。問題は生クリームである。幕末から明治初期にかけて牧場はすでに開かれていたから、牛乳の濃厚な上澄み、すなわち生クリームは、ほんの少しではあるが手に入ることは入っていた。ただ、お菓子に使うほど潤沢な量は望めなかったはず。 こんな時代
鉄とコンクリートよりも二酸化炭素排出量が少ないとして木造建築が見直され、大きなビルを木造で建てるプロジェクトも世界中で進行している。しかし、適切な木材の調達や維持管理のためのトータルコストを考えると、それが常に「持続可能」とは限らない。 2023年に落成したシンガポールの木造ビルの例は、私たちに教訓を与えてくれる。 シンガポールの南洋理工大学の新棟「ガイア」が2023年に落成したとき、それはより緑多き未来への布石として歓迎された。約4万1200平方メートルのこの巨大木造建築は、持続可能な方法で伐採された木材のみを梁とパネルに使っている。 だが現在、その思いがけない欠点が注目を浴びている。ありとあらゆる木材にカビが発生してしまったのだ。「カビが生えているのを見ると、ちょっと気持ち悪くなります」と、4年生のグレース・ウンは話す。 この件は、世界中の木造建築が抱える問題を浮き彫りにした形となった
岸田首相が退陣し、石破新内閣が発足することになったが、「顔」が入れ替わっただけで自民党政権であることに変わりはない。過去70年近く続く自民党の一党支配について、「それは健全な民主主義なのか」と米紙は疑問視する。 他の議会制民主主義と比べても特異 日本の与党・自民党の支持率が過去最低を記録するなか、岸田文雄首相は退任し、10月1日、石破茂が新首相に就任する。 だがこれは大きな変化の前兆とはいえない。石破は岸田と同様、世襲議員であり、自民党は依然として政権を維持しているのだ。 同党は過去69年のうち4年を除くすべての期間において日本を統治してきた。その息の長さは、他の議会制民主主義国と比較しても特異であると専門家らはみている。 評論家や活動家たちは、一党支配の長期化と野党の弱体化は深刻な欠陥であり、日本の民主主義と有権者の政治参加意識の健全性について疑問を投げかけるものだと指摘する。 政治学者
英語で「スモールトーク」とは、いわゆる世間話のこと。内向的な人など、このスモールトークが苦手だという人もいるだろう。だが他愛もない世間話からキャリアが広がることもある。米ビジネススクールの教授らが教えるスモールトークの達人になる方法とは──。 お天気の話やちょっとした雑談などは、表面的だと感じたり、時間の無駄だと思ったりするかもしれない。しかし、そんな世間話(スモールトーク)もやり方次第ではキャリアの役に立つことがある。 世間話を研究する専門家らによれば、定期的に何気ない会話を交わすことには大きなメリットがあるという。より深く重要な話し合いの土台を築き、ひいてはそれが仕事やキャリアにも連鎖的な効果をもたらす可能性がある。 その世間話が、あなたのウェルビーイングを高め、他者とのつながりを深めてくれるのだ。 「スモールトークの最中にビッグなことが起こるのです」と、スタンフォード大学経営大学院で
こんにちは。今日は私の住んでいるキルッコヌンミ市について紹介したいと思います。歴史とロケーション人口約4万人、ヘルシンキから西へ30キロほど離れたキルッコヌンミ周辺には自然が溢れ、かつヘルシンキ中心…
ハリスの経済政策は「バイデノミクス2」 無党派の有権者たちはカマラ・ハリス氏の経済政策について十分に知らないと話している。では見てほしい。ハリス氏の陣営は25日、82ページにわたる政策集「新たな前進への道」を発表した。 ハリス陣営は、自由市場経済学者の言い回しを使って同氏の進歩的な政策を穏健な表現で説明するよう、生成AI(人工知能)「チャットGPT」に命じたのだろうか。 ハリス氏は同日、「私は資本主義者だ」と宣言し、「問題の現実的な解決策を模索する」と約束した。しかし政策の詳細は、どう見てもジョー・バイデン大統領の政策とほぼ同じだ。むしろバイデン色がより濃くなっている。以下、簡単に説明する。
予想に反したバブル到来 2022年、ロシアがウクライナへの全面侵攻を開始すると、ロシア第2の都市サンクトペテルブルク在住のアントンは、自身が経営するレストランが最悪の事態に見舞われるのではないかと危惧した。外国人旅行客は姿を消し、西側諸国の制裁によるロシア経済崩壊を見越して金利は急上昇。地元住民も外食どころではなくなった、とアントンは話す。 しかし、これは取り越し苦労だった。ここ2年で状況は完全に回復し、お金に余裕ができたロシア人は消費に意欲的だ。 対ウクライナ戦争が長期化するにつれ、戦時下にある防衛産業が好況で給与が上昇すると、民間企業も同様に給与を上げないと、深刻な人材不足のさなかに労働者を呼び込めなくなった。こうしてロシアは思いがけず、個人消費ブームを迎えた。 「実質賃金は急上昇しています」と話すのは、ドイツ国際安全保障研究所(SWP)のロシア経済専門家ヤニス・クルーゲだ。「ウクライ
欧米ではEVの販売が低迷する一方、ハイブリッド車の売れ行きが好調だ。各メーカーともEVに専念するのをやめ、ハイブリッド車を作る戦略に切り替えている。しかし、そのブームは一時的なものに過ぎないと、英誌「エコノミスト」が警鐘を鳴らす。 高まるハイブリッド車人気 自動車業界はいま、ガソリン車から、バッテリーで稼働する電気自動車(EV)への転換を通じてCO2の排出をなくそうとしている。しかし、そのどちらも欲しがる消費者が増えつつあり、プラグインハイブリッド車(PHEV)の売り上げが爆発的に伸びている。 PHEVはEVの価格が高すぎる、あるいは充電スタンドの配備が不充分だと考える消費者に人気だ。2023年、バッテリー式電気自動車(BEV)の世界的な売り上げは、PHEVに対して2倍だったが、その差は急激に縮まってきている。投資調査会社バーンスタインによると、2024年上半期、PHEVの売り上げは前年同
日本オタクでなくても、葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』は、海外の人々に親しまれている名画。モネ、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなど、世界の巨匠たちをも魅了し、現代でもファンを獲得している葛飾北斎は、一体何が特別だったのでしょうか? 静嘉堂文庫美術館館長で日本美術史学者の安村敏信さんが解説します。 葛飾北斎(1760〜1853)は、江戸後期の浮世絵師です。浮世絵とは、江戸時代の初め頃に生まれた、現世の風俗を描くことから出発したジャンルです。それまでの狩野派、土佐派との大きな違いは、作品の大部分が版画として流布したことにあります。掛軸や屏風、襖などに描かれた一点物の高価な絵とは異なり、版によって大量生産されたため廉価でした。そのため、一般庶民にも手軽に買える絵画として江戸で大流行したのです。 値段は時代によって異なりますが、16文(もん)、蕎麦一杯分が基準とされています。版画として浮世絵を始めた菱川師
2023年12月、日本製鉄は米鉄鋼大手USスチールの買収計画を発表した。これに対し、米大統領選の激戦州のひとつペンシルベニアに本拠を置く労働組合などが反対の声をあげたことから、買収が政治問題に発展。バイデン大統領だけでなく、共和党候補のトランプ、民主党候補のハリスともに、日本製鉄の買収を阻止する意向を表明した。 英経済紙「フィナンシャル・タイムズ」はこうした米政府の対応を、「最良の同盟国である日本に対する裏切り行為」だと揶揄する。 日本製鉄がこの買収計画を無邪気に発表したのは、2023年12月のことだった。その後、同社は買収価格を当初の合意から40%上乗せすることを提案し、その額は150億ドル(約2兆1600億円)に達したが、米国側は強硬な姿勢を崩さない。 米国の大統領選がおこなわれる年に、外国企業による買収がどんな扱いを受けるのか、日本製鉄はその点を軽視していたのかもしれない。 日本製鉄
太っている自分がたまらなく恥ずかしい──ままならない体型に対するこの激しい羞恥心は、筆者自身だけでなく、彼女の大切な恋人にまで深い傷をもたらした。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 二人きりのときは恥を忘れられる ジェイソンと付き合っていると、心から安心できた。 43歳の私はそれまで、恋をしたのは一度だけだった。車の助手席に座ると(私がいまよりずっと痩せていた頃の話だ)「お前、これがほしいんだろ?」と言いたげに、私の太ももの間に指を突っ込んでくるような男だった。 ジェイソンは絶対にそんなことをしない。優しくて思いやりがあり、ゴミ男ではないから。でも安心できる理由はそれだけじゃない。彼が、私みたいに太っていたことも大きかった。 何年か前に彼と一緒に仕事をしたことがあ
日本の次期首相、石破氏は日米同盟の再構築を提唱 日本の次期首相は、日米同盟を不平等だとして再構築を唱えてきた元防衛大臣の石破茂氏(67)に決まった。米国政府との緊張が高まる可能性を秘めている。 石破氏は27日に行われた与党・自由民主党の総裁選で僅差で勝利し、国会は10月1日、石破氏を首相に選出する。 石破氏は過去4回の総裁選に敗れており、今回が最後の挑戦だと語っていた。9人の候補者からなる混戦の中、同氏は政治資金問題発覚後の自民党のイメージを修復することを公約に掲げてトップに躍り出た。決選投票で、日本初の女性首相を目指した高市早苗・経済安全保障担当相(63)を僅差で破った。 拡大を続ける中国の軍事力、北朝鮮のミサイル実験、そしてロシア軍機の領空侵犯など、日本が前例のない安保上の課題に直面している中、石破氏は首相に就任する。
日本のサービス業界における人手不足が叫ばれて久しいが、この状況が続けば日本のウリであった「最高のおもてなし」を旅行者が受けることはなくなるだろう。日本で教鞭をとる英国人大学教授のフィリップ・パトリックが、日本へ行くならいまがラストチャンスと警鐘を鳴らす。 来日ブームという諸刃のサムライの剣が、利益だけでなく痛みをも引き起こし続けているなか、「観光公害」が、ここ日本の最新のトレンドワードとなっている。 過密やマナーの悪さ、地元住民の締め出し……と次々と挙げられる目下の問題点は、目玉の観光地とそれらを囲むホテルやレストランのスタッフ不足だ。日本文化において質の高いサービスがいかに重要かを鑑みれば、これはまさしく危機である。 もっとも、この話にさほど目新しいことは何もない。社会が高齢化し、出生率は低調なままで、丈夫な若年層が縮小していくにつれ、労働力不足は長年の問題だった。ヘルスケア、流通、農業
9月27日に行われた自民党の総裁選で、石破茂元幹事長が高市早苗氏を決選投票で破り、新総裁に選出された。 ワシントン・ポストは速報の記事で、石破氏を「中国と北朝鮮による安全保障上の脅威に対抗するため『アジア版NATO』の創設を希望している」と紹介。そのうえで、元国防大臣は極めて不安定な国際情勢に対処しなければならない、と書いている。 不安定にしている要因の一つとして、同紙はトランプ大統領の再選の可能性を挙げる。安全保障同盟国の価値を疑問視しているトランプが大統領に復帰したとしても、親密な関係を築いていた安倍元首相はもういないと指摘する。 また、石破氏が回顧録のなかで「日本の安全保障が米国に依存している『非対称性』のため、日本はいまだに真の意味で独立国とは言えない」と書いていることを報じている。
2024年7月17日、スイス・チューリッヒ──フロリアン・ウィレット、フィオナ・スチュワート、フィリップ・ニチキは報道関係者の前にいた。3人とも「サルコ」と呼ばれる自殺カプセルの推進者だ。 サルコは、内部に設置されたボタンを押すと、カプセル内の酸素が窒素に入れ替わり、中にいる人が数分で死に至るよう設計されている。それは「もっとも美しい死に方」だと、プレゼンの途中、ウィレットはうっとりしながら語ったとスイス紙「ル・タン」は伝える。
「不倫よりもセックスレスのほうが罪」──もちろん、ステレオタイプかもしれない。だが、「フランス人は性生活を重視する」というイメージは根深い。そしてそのイメージは、フランス人にとっても同じ(だった)ようだ。いま、フランス人がそんな「普通」のカップル像から脱却しようとしているという。 2000年代──レストランのテーブルを囲んで5人のパリジェンヌが性生活を語っている。「週に何度もセックスしてる」、「私たちも。大好きなの!」、「逆立ちでもやったんだから」……。20年後、彼女たちは笑う。「普通じゃないと思われないように、皆多かれ少なかれ嘘をついてたんです」。メンバーの一人、教師であるジャンヌは言う。 当時は「パフォーマンス崇拝」が夜の生活までも支配していた。メディアや専門家たちは、激しい性生活を送るようにと繰り返し促した。ある年の「エル」誌の表紙はこうだった。「あなたはビッチ? こっそりできる衝撃
インテルには根本的な問題がある。AI向け半導体への積極的な投資が続く中で、中核半導体事業の早期回復が見込めないことだ Photo: Jason Henry for The Wall Street Journal 米半導体大手インテルは3年前、時価総額が現在の2倍以上あり、パット・ゲルシンガー最高経営責任者(CEO)は企業買収を模索していた。 それが今では、インテル自身が買収の標的となっている。戦略上の失敗と人工知能(AI)ブームが相まって、米国で最も有名な半導体企業の運命は大きく変わった。 ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)は20日、米同業クアルコムがインテルに買収を打診したと報じたが、これは56年に及ぶインテルの歴史でほとんど見られなかった脆弱(ぜいじゃく)性を映している。 同社が問題を抱えるようになったのは、ゲルシンガー氏が就任する前の製造分野での失敗がきっかけだった。そして経
戦車はウクライナによるロシアへの越境攻撃で活躍しているものの、近年は脆弱(ぜいじゃく)性が高まっており、各国の軍隊軍はこの強力な兵器の仕様や運用方法を見直している。 戦車はかつて戦場の王者だった。だがドローン(無人機)が普及すると、大型で大きな騒音を立てる戦車は数分以内に見つかり、標的にされるようになった。そのため、西側諸国が供与した最先端の戦車数十両は補助的にしか運用されておらず、実戦投入された戦車は破壊されたり敵に奪われたりしている。 これを受け、軍はドローンを探知してその攻撃から防御する技術を戦車に搭載しつつあるほか、重い装甲車の機動性を高めるための設計変更も検討している。戦場の戦術はすでに変わりつつあり、ウクライナでの教訓は訓練に生かされている。 「機甲部隊の生存可能性を維持するには、何らかの調整を早急に行うことが絶対的に必要になる」。米陸軍将来コマンド(AFC)のジェームズ・レイ
フランスでワイン消費量が激減している。 フランスといえば、「19世紀半ばには、1日1本のワインを飲み干す成人も少なくなかった」ほどのワイン消費大国だった。 1950年代には、いくつかの小学校で8歳以上の子供に、昼食と一緒に少量のワインが提供されていたという逸話もある。 現在、フランスでは18歳からワインが飲めるが、Z世代のアルコール摂取量は減少しており、仏紙「ル・モンド」が掲載したある調査によれば、アルコールを飲んだことがないフランスの10代は、2002年にはわずか4.5%だったのに対し、2020年にはその数値が20%に上昇している。 そんなフランスの年間ワイン摂取量は、1970年代以来、2023年までに4600万ヘクトリットルから2400万ヘクトリットルに減少している(1ヘクトリットル=1hl=100リットル)。
新たな段階 ハマスと連帯するレバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラと、イスラエルの間の小競り合いは2023年10月8日以来続いてきたが、この数日間でその戦いはますます激しさを増している。 9月23日には、イスラエル軍がレバノンにおこなった攻撃で、レバノン当局によると490人以上が死亡した。これは2006年のイスラエル・ヒズボラ戦争以来最悪の被害だという。 これを機に、イスラエルとヒズボラの全面戦争が勃発するのではないかと懸念されている。 米ノートルダム大学の歴史学・平和学教授を務めるアッシャー・カウフマンは、メディア「カンバセーション」への寄稿で、最近のイスラエルの攻撃は、これまで双方が抑制的におこなってきた消耗戦とは異なる新たな段階へと状況を変えたと指摘する。 双方の覚悟は ヒズボラの指導者ハサン・ナスルッラーフは、イスラエルの行動は宣戦布告に等しいと述べる一方、「報復」にのみ言及して
あらゆる人間関係のなかでもっとも激しい対立にいたるのは、異性間の、ときに同性間の、性的なトラブルだろう。出会った瞬間に惹かれ合った恋人であっても、長年連れ添った腐れ縁の夫婦であっても、性生活の不満は別れをもたらすことになる。 だが、それほど重要な問題にもかかわらず、我々はその解決策を持っていない。いや、正確には「話し合う」というすぐに実行可能で単純明快な手段があるのだが、「性的な事柄について話すのは禁忌だ」という思い込みから、この手段を取るには億劫なだけなのかもしれない。 パートナーとの性生活に関する悩みを抱えているけれど、それを解決できずに苦しんでいる人は少なくないはずだ。これに関しては、単純かつ非常に有効な解決法がひとつある。ただし、実行することは難しいアドバイスだ──米紙「ニューヨーク・タイムズ」が、性に悩む人々に向けたヒントを報じた。 結局、解決策はひとつしかない セックスや親密な
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『クーリエ・ジャポン | 海外メディアから記事を厳選!』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く