早起きじいさんのひとりごと。柳田国男の話、商品世界論、1970年代論、読み残した本の紹介、気まま旅の記録など。 経済学の一般的理解によると、「貨幣とは交換を促進させるべく選ばれたひとつの商品であり、じぶん以外の商品の価値を測定するために使用されるにすぎない」。 ところが、実際は貨幣がなければ商品も存在しないのだ、と著者は主張する。さらに、政府なくして貨幣なしともいえるのではないか、とも。 貨幣信用論も登場する。貨幣とはそこに表示されている額面を支払う約束であって、いわば借用証書にほかならない。この借用証書がぐるぐると流通することで、それは貨幣として受け取られるというのだ。そして、この借用証書を最終的に保証するのが国家ということになる。 国家が税として受け入れるものは、それがなんであっても貨幣として扱われる。国家は次第に統一された尺度をもつ貨幣をみずから発行するようになり、それを国民のあいだ