原発の使用済み核燃料を再利用する「核燃料サイクル」のコストが、2006年以降で少なくとも22兆円を超える見通しになっていることが毎日新聞の取材で判明した。その多くは着工から32年たっても完成していない六ケ所再処理工場(青森県)の費用だ。業務を担う日本原燃は工場の完成を26年度としているが、既に27回も完成時期が延期されてめどが立っていないのが現状で、コストはさらに増大する可能性が高い。 同時公開の深掘り記事があります ・葬られた「19兆円の請求書」 反旗翻した経産官僚の懸念が現実に ・費用かさみ続ける核燃料の「全量再処理」 利害絡んで進まぬ見直し 再処理工場は、使用済み核燃料から、再利用できるプルトニウムを取り出すための施設。再処理を担う電気事業連合会は04年、工場の運転期間を完成予定だった06年から40年間と仮定し、その後の廃止も含めた費用を18兆8000億円と試算した。長期にわたって国