9月、東京都内の地下鉄駅で50代の男性が後ろから蹴られる暴行事件があった。男性には視覚障害があり、相手の姿は見えない。目の不自由な人が被害者の事件は泣き寝入りとなるケースが多い。だが、今回はある行動によって容疑者が逮捕された。男性は事件を振り返り「暴言を吐かれたり、白杖(はくじょう)を折られたりした経験が多くの視覚障害者にあることを知ってほしい」と訴える。 よく使うトイレで後ろから 男性によると、9月3日夕、東京都千代田区の都営地下鉄神保町駅ホームにある多目的トイレに1人で立ち寄った。男性は網膜の難病で、現在は光の明暗は識別できる状態。よく使うトイレで、白杖を左右にスライドさせてドアが閉まっていることを確認し、白杖をドアに当てながら待っていた。 その後、ドアが開いたので中へ進んだが、後ろから衝撃を感じて前へつんのめった。思わず白杖をぎゅっと握り踏ん張ったが、背中のリュックが浮き両肩からずれ