JR九州高速船の「クイーンビートル」(後方)に家宅捜索に入り、押収した資料を運び出す海保の捜査員ら=福岡市博多区で2024年10月17日午後0時20分、野田武撮影 JR九州の子会社が日韓を結ぶ高速船「クイーンビートル(QB)」の浸水を隠して運航を続けた問題は、福岡海上保安部による強制捜査に発展した。北海道・知床半島沖の観光船沈没事故を受けて旅客船への規制が強化される中、組織的な不正があった疑いもあり、実態解明が急務だ。JR九州側は10月に改善報告書を国に提出したが、運航再開には不透明感が漂う。 繰り返しの違反 社内事情優先か 「人命を預かる事業で安全管理は大前提。安全を故意に守らなかったなんて聞いたことがない」。福岡海上保安部が「クイーンビートル(QB)」の運航会社「JR九州高速船」(福岡市)を船舶安全法違反(臨時検査不受検航行)と海上運送法違反(安全管理規定違反)の容疑で捜索したのは10