米大統領選で共和党のトランプ前大統領が返り咲きを決め、来年1月に新政権が発足します。米国や日本、世界はどう向き合えばいいのでしょうか。国内外の識者に問います。 市原麻衣子・一橋大教授 米国を民主主義の観点から見ると、第2次トランプ政権は1期目よりも悪化すると考える。 第1次政権が連邦最高裁判事に3人の保守派を指名したように、既に人の配置や米社会の制度の弱体化がトランプ氏に都合の良いように進んでいる。こうした状況で、今後は三つの側面で民主主義の弱体化が進むと考えている。 一つは、さまざまな形で自由や人権が侵害される可能性があるということだ。今回の選挙ではトランプ氏への支持を公言しない「隠れトランプ」が少なかった。トランプ氏が作り出す極端な言説に対して、…