ハンセン病元患者の家族に最大180万円を支給する補償法案と名誉回復を盛り込んだハンセン病問題基本法改正案が全会一致で可決された衆院本会議=国会内で2019年11月12日午後1時22分、川田雅浩撮影 ハンセン病の元患者の家族が味わった苦しみに対し、国が補償を決めてから5年になる。だが周囲に身内の病気を知られることを恐れて、請求をしない人も多い。 元患者らも複雑な思いで見つめている。 埼玉県に住むショウジさん(83)とケイコさん(74)夫婦(いずれも仮名)は、2人とも元患者だ。補償金の支給対象のきょうだいの中には、配偶者や子どもに身内の病歴を知られるのを恐れ、請求をしていない人がいる。 兄や弟がいるショウジさんは家族補償法が成立すると、離れて住む弟に電話で補償請求できることを伝えた。だが数日後、「兄と相談して申請はしないことにした」と告げられた。弟は妻にショウジさんの病歴を伏せており、「お金が