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ドラクエ3
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2000年代初期、ハワイのショッピングモールでアバクロ詣でするのが楽しみでした。私にとってアバクロは、「アメリカ」のかっこいいイメージがぎゅっと詰まったようなブランド。棚に並ぶ商品にこれでもかというほど吹きかけられたコロンの香り漂う薄暗い店内に、大音量でかかるBGM。入り口には気怠そうな半裸のイケメン店員が踊ったりおしゃべりしながら立っていて、特に接客するわけでもなく、たまに香水をプシュプシュ振り撒いているだけ。そんな不思議な店、アバクロことアバクロンビー&フィッチは当時、イケてる男女のアイコン的ブランドとして君臨していました。 それが、日本第一号店の銀座店がオープンした2009年以降は徐々に人気が下火になり、2015年には何と、全米で最も嫌われるブランドにまで名声は失落。その盛衰を描いたドキュメンタリー作品が、Netflixで配信スタートになりました。タイトルもそのままずばり、『ホワイト
かねてから“黒いウワサ“が絶えなかった、ラッパーで音楽プロデューサーのディディ。今年に入りマイアミとビバリーヒルズの自宅を家宅捜査されていた彼が、ついにN.Y.で逮捕されました。この逮捕に付随して追加訴訟を予定しているテキサスの有名弁護士トニー・バズビーが記者会見を開き、ストリーミングでも配信。その衝撃的な内容が今、全米を震撼させています。 ※本記事には、性暴力に関する記述が含まれます。 最年少は当時9歳の少年。被害者120名のうち25名が未成年 バズビー氏の元には全米から3000名以上のディディによる「レイプ、性的暴行、性的搾取」の被害者だと名乗る連絡があり、そのうち彼が今回の原告に選んだのは120名。男女の内訳は半々で、最年少は当時9歳の少年。さらに14歳と15歳も含まれるとのこと。未成年の被害者は皆、エンタメ業界でのキャリアを求めていたのが共通点。しかし「その代償としてディディに性的
2ヶ月ほど前に父が自宅で急逝しました。あまりに突然のことだったので、心がついていかないことが多かったのですが、慌ただしいながらも無事に葬儀、そして四十九日法要を終えることができました。 本人も、そして私たち家族も、あと5、6年は大丈夫だろうと油断していたので、まだ何の準備もしていないところでの突然の死別。所謂“ピンピンコロリ”を理想とする人は多くいますが、デメリットもあることを実感したものでした。 あるとき、父の会社の社員から電話がきて、「お父さんが亡くなったよ」と言われました。一瞬、聞き間違えて、「父が何を無くしたのだろう?」と勘違いするほど、私にとってそれは意外なことでした。数日前にも電話をしていて、元気そうだったからです。 亡くなる前の父は、自分なりに1人暮らしを満喫していて(※母とは離婚し、別々に暮らしてはいたが、交流はありました)、毎日、ヘルパーさんや父の弟など、誰かしらが顔を出
「比較三原則って言葉を考えたんですけどね(笑)。自分の過去と、他人と、親族とは比較してはいけないってことです。どんな人でも比較を始めると辛くなったり悩んだりするもんですよ。大切なのは比較しないように努力をすることです」(みうらじゅんさん) * * * * * 自分の理想を追い続ける若きバンドマンの苦悩を描き、大ヒットした映画『アイデン&ティティ』。その公開20周年を記念して開かれたイベントに集ったのは、映画を監督した田口トモロヲさん、原作のみうらじゅんさん、そして主演を務めた峯田和伸さん。 他人に左右されることなく、自由奔放にのびのびと生きているように見える3人。彼らの「軽やかさの秘密」は? そして3人に学ぶ「いまの時代を生き抜くためのヒント」とは? お話を伺いました。 ――それにしても、空気感からお三方の仲の良さがすごく伝わってきます。『アイデン&ティティ』は公開から20年とのことですが
物流2024年問題に代表されるように、今の日本では人手不足が深刻化しており、基本的な経済活動の維持すらままならない状況に陥っています。なぜ日本でだけこのような特殊な問題が発生するのか疑問に思っている人も多いと思いますが、その原因を見事に説明してくれる教科書のような発言が経済界のトップからありました。原因こそ単純ですが、問題は根深いですから、解決は容易ではないかもしれません。 発言の主は、関西経済連合会の松本正義会長(住友電気工業会長)です。松本氏は、大阪万博のパビリオン建設をめぐる「デッドラインは過ぎている」という建設業界幹部の発言に対して怒りを爆発させ、「建設会社はけしからん。万博を成功させようというコメントはどこにもない」と発言。さらに続いて「絶対に万博は成功させなくてはならない」「やめるとか延期するとか(言う人がいるが)、(中略)絶対に許されない」「松本が怒っていたと、書いておいてほ
同じ学生寮に住む田島由希(仁村紗和)、川田恵(莉子)、工藤しおり(片山友希)、浅井紗奈(渡邉美穂)の4人は、みなそれぞれが親からの仕送りに頼れず、奨学金を借り、バイト漬けになりながら生活をする苦学生。 ある日、恵が妊娠。相手は、恵が所属するインカレのサークルの先輩で、名門大学に通い、大手飲食企業の息子でもある鈴木悠馬(一ノ瀬颯)。恵は悠馬に妊娠の事実を告げますが、悠馬はまともに取り合わないどころか、どうせいろんな男と関係を持っているのだろう、と恵を責めるのでした。この出来事が、4人の運命を大きく変えていきます。 恵はつわりで体調を崩し、精神的にも追い詰められ、衰弱。中絶ができるタイムリミットも数日後に迫っていますが、中絶費用は20万円。貧しい彼女たちは貯金もありません。そこで由希、しおり、紗奈は、恵の中絶費用を稼ぐためには「パパ活をするしかない」と決心し、実行します。 3人は、「絶対にホテ
「映画という文化を国民みんなが愛し、その価値を上げていこうというリスペクトが感じられて。観客もまた映画人であるというような感じがしました」。この10月に開催された釜山国際映画祭でそう語るのは、主演作『福田村事件』が出品された田中麗奈さん。同作は、関東大震災から100年目の9月1日に公開され、現在も上映館を全国に広げながらロングラン中の話題の作品です。関東大震災直後、千葉の小さな村で起こった「日本人による日本人の虐殺事件」を描いた同作が、韓国の映画祭で上映されることには大きな意味があります。というのも映画の背景には、同じ時期に起こった「日本人による朝鮮人の虐殺」があるから。日本史のタブーに切り込んだこの作品の大ヒットに、韓国での上映に、田中さんはどんなことを思ったのでしょうか? 田中麗奈 1980年5月22日生まれ、福岡県久留米市出身。映画「がんばっていきまっしょい」('98/磯村一路監督)
ナイフで刺された男性に応急処置をしていた人物によるX(旧ツイッター)の投稿が波紋を呼んでいます。日本社会の縮図のような出来事なのですが、一体何があったのでしょうか。 11月5日未明、新宿歌舞伎町でホストクラブに勤務する男性が、女性にカッターナイフで刺されるという事件が発生しました。ホストを刺した女性は警察官に現行犯逮捕されたそうですが、その場をたまたま通りかかった医学部出身の青年実業家が刺された男性を応急手当したそうです。 この人物は医学部卒業後、医師免許を取得したものの医師にはならず、マーケティングなどの分野で活躍しているネット実業家です。氏に対しては賞賛の声も寄せられたものの、医師としての研修を終えていないにもかかわらず応急手当をしたことについて批判の声が上がったそうです。 一連の批判に対して氏は「研修を終えていない身であることは自覚しているので出過ぎた真似をせず、明らかにまずい処理を
自身の出演する最新映画『月』について感想を聞いた時、「この映画に、あまり褒め言葉は使ってはいけない気がします」と遠慮がちに呟いた俳優・二階堂ふみさん。作品は2016年に起きた相模原障害者施設殺傷事件をモチーフに描かれた原作小説を映画化した作品。二階堂さんは、後に凶行に及ぶ「さとくん」の同僚で、事件が起きた施設で働く女性ーーそして「さとくん」によく似た鬱屈を抱える陽子を演じています。社会に衝撃を与えたその事件の映画化には、様々な論議が巻き起こることは避けられません。それでも作品を作ることには意義があると考えた二階堂さん。彼女が社会を意識し発信を続ける理由は、彼女が生まれ育った沖縄にあるようです。 インタビュー前編 二階堂ふみ「社会全体が当事者と思ってほしい」重すぎる現実に答えが出せなくても>> 二階堂ふみ 1994年9月21日生まれ、沖縄県出身。役所広司の初監督作『ガマの油』(’09/役所広
マイナンバーカードに関する深刻なトラブルが相次いでいますが、河野太郎デジタル大臣が名称を変えるという話まで持ち出すなど、まさに制御不能の状況となりつつあります。 7月5日、マイナンバーカードを巡る問題で、衆院地域活性化・こども政策・デジタル社会形成特別委員会の閉会中審査に出席した河野太郎デジタル相。写真:つのだよしお/アフロ 政府はマイナンバーカードの普及を目標として掲げており、健康保険証や自動車免許証との統合化を進めていく方針です。保険証については来年の10月に紙の保険証を廃止することが決まっており、マイナカードに一本化するスケジュールになっていますから、これは事実上のマイナカードの義務化と考えて良いでしょう。 しかし、実際にマイナカードの運用が始まると、あちこちで深刻なトラブルが発生しており、このままのスケジュールで運用するのは危険な状況となっています。一部の論者は、システム開発に失敗
最近の私のもっぱらの関心ごとは、エイジング。そんな中みつけたのが、アメリカの45歳のスタートアップ企業の元社長が、年間2億円以上をかけて10歳以上若返りを果たした、というニュース。 ブライアン・ジョンソンというその男性が自身のツイッターアカウントで明かしたところによれば、彼は23年間、ずっと不摂生な生活を続けてきたといいます。 「私の肉体とマインドは23年間、打ち捨てられてきました。慢性のうつ病と肥満、酷い睡眠、3人の子どもの育児、スタートアップ企業の創立者でCEOは文化的行動は取らない(さらに過剰な砂糖と日光浴、ジャンクフードの摂取は増え続けるばかり)」。 「プロジェクト・ブループリント」と名付けたこの計画で、彼は自分の食生活とエクササイズと睡眠を注意深く監視。そして内臓年齢を測定する様々な検査を受けたといいます。その結果、肉体のエイジングプロセスを約31年遅らせ、身体の炎症は平均的な1
日本って、こんなに人権が守られていない国だったんだ……。 『武器としての国際人権 日本の貧困・報道・差別』(集英社新書)を読んで筆者はそう感じました。「国際人権」の基準で、日本政府がどのように人権問題に取り組んでいるのか(というか、どれほど人権を蔑ろにしているか!)、日本の現状を詳らかにする一冊です。 先日、5月30日の参議院法務委員会で日本維新の会の鈴木宗男議員が「国益なくして、私は人権もないと思っております。人権だけ、優先してもですね」と発言した出来事をご存じでしょうか。筆者はこの発言、かなり衝撃的でした。人権はすべての人が尊厳を持ち、人間らしく生きていくため、そして社会が存続していくために最も重要なものであるはずですが、政治家がその人権を正しく理解していないことに愕然としました。 人権という言葉自体は誰もが知っているものですが、それがどういうものなのかを正確に認識している人は多くない
『波紋』 2023年5月26日(金)より、TOHOシネマズ日比谷ほか全国公開中 配給:ショウゲート ©2022 映画「波紋」フィルムパートナーズ ミモレ世代にぜひ観てほしい映画が誕生しました。それが、5月26日(金)より公開中の映画『波紋』です。 主人公は、「良き妻」「良き母」の役割を真面目に担ってきた主婦・依子(筒井真理子)。しかし、東日本大震災直後、夫・修(光石研)が失踪。老いた義父の介護を強いられ、孤独の中、依子は新興宗教に救いを求めるように――。 数年後。宗教に心の平穏を見出し、幸せに暮らしていた依子の前に突然夫が帰ってきます。そこから広がる、波紋の数々。 水の中で溺れそうになりながらもがくように必死に生きる依子の姿は、さまざまな犠牲と抑圧を強いられる現代女性そのもので。だからこそ、懸命に手をバタつかせながら、やがて光を掴み取る依子を見て、希望と喝采に震えるのです。 いまだ
今井真実 料理家。神戸市生まれ。「作った人が嬉しくなる料理を」という考えを基に、雑誌をはじめ、web媒体、企業広告など、多岐にわたるレシピ製作を担当。noteに綴るレシピやTwitterでの発信が注目を集める。著書に『毎日のあたらしい料理 いつもの食材に「驚き」をひとさじ』(KADOKAWA)、『料理と毎日 12か月のキッチンメモ』(CCCメディアハウス)、『フライパンファンタジア 毎日がちょっと変わる60のレシピ』(家の光協会)、『今井真実のときめく梅しごと』(左右社)など。 稲田俊輔 料理人、飲食店プロデューサー。鹿児島県生まれ。京都大学卒業後、飲料メーカー勤務を経て円相フードサービスの設立に参加。居酒屋、和食店、洋食、フレンチなどさまざまなジャンルの業態開発に従事する。2011年、東京駅八重洲地下街に南インド料理店「エリックサウス」を開店。南インド料理とミールスブームの火つけ役となる
ある日突然BTS(防弾少年団)に“沼落ち”したという小島慶子さん。 K-POPアイドルの枠を超え、全世界を席巻してきたBTS。なぜ彼らはここまで爆発的な人気を得たのでしょうか。BTSがどんなメッセージを発し、世界中の人々の価値観にどのような影響を与えてきたのか。そして、我々ファンはどんなスタンスで今後の活動を見守るべきか? 本連載では小島さんが、様々な立場の“BTSに精通する人々”との対話を通して、『BTS現象』を紐解きます。 今回は、ポリティカル・コレクトネスについてのご著書を持ち、ご自身は在日コリアン2世でもある、社会学者のハン・トンヒョンさんをゲストにお迎えした対談が実現。きっかけは、エトセトラvol.8『アイドル、労働、リップ』に載ったハンさんのエッセイ「矛盾に満ちた『推される人』たちにかかる負荷が少しでも減ることをいつも願っている」を小島さんが読んだこと。「“推し”という言葉に抵
外出先で靴を脱いだら、靴下から親指が出ていて「あ!」という経験……したことがある人は、意外といるのではないでしょうか? 「朝、靴下をはいたときは、穴が空いていなかったのに……」でも、言い訳するのも恥ずかしいから、見つからないように、穴の開いた部分を、足の親指と人差し指で挟んで誤魔化したりして(苦笑)。 そんな私が、“ある靴下”に出合い、虜になってしまいました。 丈夫で足が疲れにくい靴下を求めて…… 私は、神社仏閣巡りが好きで、山道や坂道の多い場所も多いので、靴下の消耗は激しいほう。 だから、私が求める靴下は、オシャレ度よりも、「丈夫で足が疲れにくい」ことが大事なのです。 これまでは、「靴下は消耗品だから、破けたら捨てればいい」という感覚で3足1000円くらいのリーズナブルな価格のものを履いていのですが、だんだん「それなりの価格をしても、丈夫な靴下を買ったほうが、コスパはいいのでは?」と考え
ユーモラスで一筋縄ではいかない魅力的な女性を描くことで有名な作家の柚木麻子さん。柚木さんが書く小説やエッセイでは常に社会の問題や弱者が置かれた立場への鋭い視点が光ります。 最新作『オール・ノット』では、実家が経済的に困窮しており、運動部に入ることや修学旅行も諦め、奨学金を返済することだけを考えて人生設計をする女性が主人公です。奨学金の返済で苦しむ若者が問題になる昨今の社会ですが、奨学金を借りて進学した若者には、堅実で安定した人生を歩むことが求められ、返済できなければ「自己責任」の目が向けられます。今の若者達は、「失敗できない」状況に立たされている、と語る柚木さんにお話を伺いました。(聞き手・ヒオカ) 柚木麻子 1981年東京生まれ。恵泉女学園中学校・高等学校出身。2008年「フォーゲットミー、ノットブルー」でオール讀物新人賞を受賞し、2010年に同作を含む『終点のあの子』でデビュー。201
インボイス制度を理解するためには、「消費税」の仕組み上の問題点を知る必要がある アツミ:前回は「消費税金は滞納者が最も多い税金」という佐々木税理士の言葉に、ちょっとびっくりしちゃったんですが。 常松:びっくりしましたよね。税金のシステムとして破綻していると。 アツミ:今回はそのあたりから、「STOP!インボイス」小泉さんと税理士の佐々木さんにお話を伺いたいと思います。 アツミ:最初にひとつお聞きしてもいいでしょうか。 小泉:はい、どうぞ。 アツミ:消費税ってこれまで、売り上げ1千万以下の小規模事業者は免除されてきましたよね。それがここにきてインボイス導入の正当な理由みたいに言われていますよね。「これまでチョロまかしてきた税金をきちんと納めろ」みたいに。でも会社に勤めている人は、仕事に必要なものは全部会社が用意してくれるけど、私たちみたいなフリーランスって、全てを自分で買って、そのたびに消費
新刊『おつかれ、今日の私。』を上梓したジェーン・スーさん。本書には、この困難な時代を生き抜くすべての人たちへの優しいねぎらいの言葉がつまっています。 そこで、悩み多きミモレ世代がジェーン・スーさんに人生相談。友達付き合いから生き方まで、時に痛快に、でも愛情たっぷりにスーさんが答えてくれました。 ガリガリ削ってくる友達といるより、1人の方が良くない? ――『おつかれ、今日の私。』の中には、「おつかれ」というねぎらいの言葉が何度も登場します。これはやはり今この時代にねぎらいが必要であるとスーさんがお感じになったからでしょうか。 コロナによって時代の強度が下がっているのを実感していたんですね。とにかくみんな今までとは違うレベルの疲れに見舞われている。だから、励ましとか発破をかけるよりも、ねぎらいの方が私の言いたいことが届くだろうし、そうしたいなと思って書きました。 ――弱った友を労わりながら助け
岸田首相が年頭の記者会見で打ち出した「異次元の少子化対策」に、SNSではさまざまな反応が寄せられました。その中には、「今さら遅い。就職氷河期世代を見放してきたのだから」といった意見も少なくなかったように思います。筆者はまさに就職氷河期世代のど真ん中。子どもはおらず、周囲にも子どもを持たない同年代も決して少なくないため、SNSに飛び交う就職氷河期世代の声を複雑な心境で眺めていました。
またも「誤解と不快」。何度同じ文言を目にしたことか。 岸田文雄首相は6日の政府・与党連絡会議で、荒井勝喜前首相秘書官の性的少数者(LGBTなど)や同性婚を巡る差別発言について、「国民に誤解を生じさせたことは遺憾だ。不快な思いをさせてしまった方々におわびを申し上げる」と謝罪した。(2月6日時事通信) 要人などの差別発言が批判された際のお決まりの弁明です。どうも発言を「誤解」して「不快な」気持ちになっている人がいるようだから、お詫びしますと。差別しておきながら、姑息な言い換えで誤魔化す。そうさせないためには、LGBT理解増進法という曖昧な法律ではなく、性的少数者に対する差別を明確に禁ずる差別禁止法が必要です。今、法整備を求める署名活動が行われています。私も賛同・署名しました。
20年の時を経て映像化される恋愛小説『A2Z』も話題の作家・山田詠美さん。最新作の自伝的小説『私のことだま漂流記』には、黒人米兵とクラブ歌手の同棲生活を描いた『ベッドタイムアイズ』でデビューした当時、様々に届いた非難、罵倒、脅迫などについて明かしています。そこに並ぶ「大和撫子」「貞操観念」「不道徳」などの言葉は、今ではそれほど頻繁に聞く言葉ではありませんが、例えば不倫スキャンダルで袋叩きにされる芸能人を見るにつけ、「外側の衣装は今風になっただけで、本質的な中身の部分は全然変わってないのかも」と山田さんは感じています。恋愛や性を語るとき、人はなぜ倫理を持ち出すのか。恋愛小説の名手が考える、その答えとは? 山田詠美 1959年東京生まれ。’85年『ベッドタイムアイズ』で文藝賞を受賞し小説家デビュー。’87年『ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリー』で直木賞、’89年『風葬の教室』で平林たい子
50代半ばで若年性アルツハイマーになった、元脳外科医で東大教授の若井晋さんは、2021年2月にこの世を去りました。晋さんの妻・若井克子さんは、著書『東大教授、若年性アルツハイマーになる』の中で、認知症によって地位と、知識と、そして言葉を失った夫との歩みを、最期のときまで克明に描いています。認知症介護は、よく「地獄」という言葉で表現されることもありますが、本当にそうなのでしょうか? 著者の若井克子さん、そして取材に同席いただいた長男の真也さんに、晋さんの認知症と歩んだ日々についてお聞きします。 若井克子(わかい・かつこ)さん〈写真右〉 香川県生まれ。日本女子大学在学中にキリスト教に入信。卒業後は徳島県の県立高校などで家庭科教諭を務め、1974年、勤務医だった若井晋と結婚する。99年に夫が東京大学の教授に着任するが、若年性アルツハイマー病とそれにともなう体調不良により、2006年に早期退職。以
甲子園球児が年下になったり、同級生が続々と結婚したり、親が定年退職したり。こういった周囲の状況の変化から、自分が年齢を重ねたことを実感することってありますよね。 そういう意味では「老眼」も同じかもしれません。いやいや、こちらは周囲を見なくても加齢を自覚できるパターンでしょうと言われるかもしれませんが、筆者などはとても往生際が悪いので、老眼を認識する場面があっても単なる「疲れ目」だと思うようにして、ずっと見て見ぬふりをしていました。しかし、最近では同級生が次々と「老眼」を口にするようになったので逃げられなくなり、ようやく現実に向き合おうと決意したという経緯があります。 このように筆者は老眼と加齢を受け入れるのに長い時間がかかってしまいましたが、どうやらさほど恐れる必要はなかったようです。その安心材料をくれたのが、テレビでもおなじみの眼科医・平松類さんの著書『眼科医だけが知っている 一生視力を
タイトルの通り、本書は著者のふたりが勉強法について教える名著100冊を分析し、学習に大切な共通ノウハウやポイントを1冊にまとめてくれたもの。これだけでもありがたすぎるのですが、多くの著者が「大切」だと説くポイントをベスト40にまとめ、ランキング式にしてくれているのです……! 今回はそんな至れり尽くせりの本書から特別に、大事な順トップ8にランクインした3つの勉強法をご紹介します。 「『目的』と『ゴール』を明確にする」については、100冊の著者の多くが、 「自分はどうなりたいのか」(=理想、目標) 「何のために、そうなりたいのか」(=目的、理由) をはっきりさせることの大切さを説いています。「なりたい自分」を明確にする理由は、おもに次の2つです。 ●勉強に対する意欲が湧く 「いつ使うかわからないけど、英語が話せたらいいなぁ」「どこでもいいから大学に入りたいなぁ」「就職に有利かもしれないから、資
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