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「やたらとボンヤリしてしまう」「作業に集中するのが難しい」「宙の一点見つめることが多くなった」 こうした自覚症状がある人は、「自分ってADHDなのかも」と思っているかもしれません。 確かにADHD(注意欠如・多動症)には、集中力が不安定とか、注意散漫といった症状があげられます。 ただしADHDの症状で指摘される、集中力の欠如とは集中自体ができないという意味ではなく、興味の対象が次々に移ってしまうことを指しています。つまり新しく目移りしたものに対してはきちんと集中できているのです。 しかし世の中には集中自体が出来ないという症状があります。 それが「認知的離脱症候群(cognitive disengagement syndrome:CDS)」です。 聞いているつもりなのに全然内容が頭に入ってこないという場合、こちらに該当している可能性があります。 これは一体どういう疾患で、ADHDとはどのよう
イギリスの「グリニッジ天文台(Royal Observatory, Greenwich)」が毎年主催する天体写真のコンテスト「Astronomy Photographer of the Year」が今年も開催されています。 Astronomy Photographer of the Year 2024では、約3500枚の写真が応募されており、この度、最終選考に残った作品が発表されました。 それらは、「オーロラ・ドラゴン」「月の前を通過する国際宇宙ステーション」など、どれも魅力的な作品ばかりです。 どの作品・写真家が優勝するのか、今から予想してみるのも楽しいでしょう。 「Astronomy Photographer of the Year 2024」のサイトからチェックしてみてください。 目次 「アストロノミー・フォトグラファー・オブ・ザ・イヤー・2024」のファイナリスト「ドラゴンのような
イギリスのケンブリッジ大学(Cambridge)で行われた研究により、卵母細胞の秘密が明らかになりました。 私たちの体内で細胞は時間とともに変化し続け、皮膚や血液の細胞はわずか数か月で新しいものに入れ替わり、骨の細胞も数年で更新されます。 しかし、その中にあって卵母細胞は際立って長寿であり、50年近くも体内で休眠状態を保ちながら、必要な時には新しい命を育むことができます。 この驚くべき能力は、どのようにして維持されているのでしょうか? 研究内容の詳細は2024年6月20日に『Nature Cell Biology』にて公開されました。 目次 なぜ卵母細胞は体内でずっと健康なのか?長生き細胞のタンパク質も長生きだった なぜ卵母細胞は体内でずっと健康なのか? 人間を含む哺乳類のメスは、一生分の卵母細胞(卵子に成長する細胞)を持って生まれてきます。 保健体育の授業を真面目に聞いていた人なら「私た
2024年5月8日から、太陽は巨大黒点からXクラスフレアを連発。地球を襲った強い太陽風は激しい磁気嵐を起こし、世界中で低緯度オーロラ観測フィーバーが巻き起こりました。 恒星では太陽の100倍、1000倍という巨大な磁気嵐を引き起こすスーパーフレアが観測されていますが、天文学者によりそれは太陽でも起きる可能性が指摘されています。 もしスーパーフレア級の太陽フレアが地球を直撃すると現代文明は突然終焉を迎えます。 衛星は落ち、通信は途絶え、電気系統は全て使えなくなることにより文明は一時的に18世紀レベルまで後退するとも言われています。 今回はそんな、SF映画の導入にされそうな大規模な太陽フレアの可能性について解説していきます。 目次 強い太陽フレアは激しい磁気嵐を起こす屋久島の杉はスーパーフレア級の太陽フレアを記憶していた? 強い太陽フレアは激しい磁気嵐を起こす 太陽は自身の力で光る恒星で、全体
イタリアのカリアリ大学(UniCa)で行われたラット研究により、アルコールとエナジードリンクの「カクテル」は脳に永続的な後遺症を残すことが示されました。 アルコールとエナジードリンクのカクテルは、エタノールの鎮静効果とエナジードリンクの高揚効果を組合わせることで、自分が酔っているかどうかをわからなくさせ、通常よりも深い飲酒につながることが知られています。 研究によると、この危険なカクテルを若い頃から飲んでいた人は、後年の調査でも発見可能なほど脳に永続的な変化が起きてしまっており、記憶力の低下などの悪影響が起きている可能性が示されました。 アルコールとエナジードリンクは脳で何を起こしてしまったのでしょうか? 研究内容の詳細は『Neuropharmacology』にて公開されています。 目次 アルコールとエナジードリンクの危険な「カクテル」アルコールとエナジードリンクの組み合わせは脳に永続的な
多くの人は、血糖値が高い状態が続くと、健康リスクがあることを知っています。 同じように、血糖値を良い状態に保つために、体を動かすことが良いことも、多くの人が知っています。 では、同じように体を動かしても、時間帯によって、その効果が変わる可能性があることは知っているでしょうか? 最近、スペイン・グラナダ大学のルイス准教授らの研究グループは、過体重もしくは肥満の成人男女を対象として、体を動かす時間帯と血糖値との関係に着目した研究結果を発表しました。 その結果を見ると、夜の時間帯に体を動かした方が、血糖値に関する指標が低くなることが分かりました。 日中忙しい社会人でも、夜時間の運動は採用しやすいため、この報告は多くの人の助けになるかもしれません。 この成果は、肥満の人たちに良い治療を促進するための研究結果が掲載される学術雑誌『Obesity』に2024年6月10日付けで公開されています。 Eve
大正時代は人気漫画「鬼滅の刃」の舞台になったこともあり、大きな注目を集めています。 そんな大正時代ですが、西洋料理が広く食べられるようになった時代としても知られています。 果たして西洋料理は、日本国内でどのように広がっていったのでしょうか? 本記事では開国後の日本での西洋料理の受容について取り上げつつ、どのような料理が実際に食べられていたのかについて紹介していきます。 なおこの研究は、大阪国際大学紀要国際研究論叢18巻1号p89-100に詳細が書かれています。
「あ、このひと連絡とってないからアドレス消しちゃおう」 こんな風に何の説明もなく、唐突に人間関係をリセットした(あるいはされた)経験、皆さんにもあるのではないでしょうか。 こうした一方的に連絡を絶って音信不通になる行為を「ゴースティング(Ghosting)」と呼びます。 ゴースティングは一方的に関係を切ったにせよ、切られたにせよ、自分勝手で相手のことをまったく思いやっていない行動と捉えられがちです。 しかし本当は、そんなことないのかもしれません。 米ニューヨーク大学スターン・スクール・オブ・ビジネス(NYU Stern)の最新研究によると、ゴースティングをする側には相手の気持ちを理解して思いやる動機があったのです。 ただゴースティングされる側はそんな事情を知らないので、常に嫌な行動に感じていたようです。 研究の詳細は2024年の心理学雑誌『Journal of Experimental P
例えば、自宅から仕事場への出勤ルート。 探せばもっと短時間で安く行けるルートがあるのに、最初に通って慣れ親しんだルートにこだわり続けることってありませんか。 このように私たちには、他にベストな選択肢がありながら、それより少し見劣りしていてもファーストインプレッションが良かった選択肢に固執してしまう傾向がよくあります。 では実際、この心理作用(バイアス)はどれくらい強いのか。 オランダ・ユトレヒト大学(Utrecht University)が新たに調べてみた結果、かなり強固に私たちの心理を支配していることがわかりました。 研究の詳細は2023年の心理学雑誌『Motivation Science』に掲載されています。
「オスの授乳」が起こらない理由と進化論パパはなんでおっぱいでないの? この疑問を1度は尋ねた人は多いでしょう。 哺乳類において自然環境でのオスの授乳が確認されているのは、ダヤクフルーツコウモリ (Dyacopterus spadiceus)ただ一種でありその他全ての哺乳類はメスだけが授乳を行います。 しかし逆を言えば、オスが授乳するような進化は決して不可能ではないことも示しています。 少し考えただけでも、オスが授乳できるようになることの利点は数多くあります。 たとえば授乳中のメスが死んでしまった場合、オスが授乳することができれば子供を救うことができます。 またオスとメスの双方が授乳可能であることは、栄養供給量の面からみても有利となります。 また哺乳類のどのオスにも遺伝的に乳腺組織があることが知られています。 たとえば乳汁漏出症を発症した人間の男性では、母乳が勝手に漏出してしまうことが知られ
その時代の文明にはそぐわない、当時の技術力では説明ができない遺物のことをオーパーツと呼びます。 人類はこれまでに数多くのオーパーツを発見してきましたが、中でも特に有名なのが「アンティキティラ島の機械」です。 これは古代ギリシャ時代の遺物であり、長年の研究から天体運行を計算するためのツールであることが確実視されています。 さらに今回、英グラスゴー大学(UofG)の最新研究により、これまで知られていなかった用途が明らかになってきました。 それによると、この機械は354日周期の太陰暦カレンダーとして使われていた可能性が高いようなのです。 それでは、アンティキティラ島の機械の謎を一緒に追ってみましょう。 研究の詳細は2024年6月27日付で学術誌『Horological Journal』(PDF)に掲載されています。 GRAVITATIONAL WAVE RESEARCHERS CAST NEW
火星に住むのは危なそうです。 スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH Zurich)らはこのほど、火星で収集された地震計のデータから、火星上にはほぼ毎日バスケットボール大の隕石が直撃していることを明らかにしました。 この衝突頻度はこれまでの推定値の約5倍に相当するとのこと。 火星に移住する際は”隕石”に注意しなければならいかもしれません。 研究の詳細は2024年6月28日付で科学雑誌『Nature Astronomy』に掲載されています。 New class of Mars quakes reveals daily meteorite strikes https://ethz.ch/en/news-and-events/eth-news/news/2024/06/new-class-of-mars-quakes-reveals-daily-meteorite-strikes.html Q
かなり確かな情報です。 アメリカの南カルフォルニア大学(USC)で行われた研究によって、地球の内核の回転速度が減速しており、2008年を境に地球表面からみて逆転しているような動きになったことが示されました。 地球内核の回転速度についてはこれまでさまざまな研究が行われてきましたが、新たな研究では内核を貫通する地震波を分析に使用しており、説得力のある結論となっています。 研究者たちは内核の減速を示す地震データが複数もみつかっており「内核が減速している」という結果はほぼ確実であると述べています。 いったいどんな仕組みが地球の内核を減速させていたのでしょうか? 研究内容の詳細は2024年6月12日に「Nature」にて発表されました。
現代人の悩みは古代エジプトから存在していたようです。 今日のデスクワーカーに特有の「座りっぱなし」は、腰痛や肩こり、関節痛など、様々な健康問題を引き起こしています。 これはデスクワークが急激に増えた現代ならではの悩みと思われていました。 しかしチェコのプラハ・カレル大学(Charles University)らの研究により、古代エジプトの書記官も座りっぱなし仕事のせいで、かなりひどい関節痛に悩まされていたことが明らかになったのです。 研究の詳細は2024年6月27日付で科学雑誌『Scientific Reports』に掲載されています。 Ancient Egyptian ‘office workers’ had terrible posture just like us, disfigured skeletons reveal https://www.livescience.com/arc
牛を「ギュー」っとする抱きしめ療法 / Credit:clip studio . 川勝康弘オランダでは古くからストレス解消法として、田舎の農場で牛と一緒に過ごすという風変わりな伝統があります。 オランダ人は牛と一緒に過ごしたり、ときには牛を「ギュー」っと抱きしめると心が疲れた心を癒す力があることを知っていたからです。 そのためオランダ語には「牛を抱く」という意味を持つ「Koeknufflen(クヌッフレン)」という独自の単語が存在するほどです。 さらに牛の抱きしめ療法の伝統は今でも続いており、オランダでは「Koeknufflen(クヌッフレン)」を体験できるプログラムが頻繁に提供されています。 日本では猫の体に鼻を押し付けて息を吸い込む「ネコ吸い」が癒しとして認知し始められていますが、「ネコ吸い」の歴史は浅く、一般に1つの単語として確立されておらず、医療サービスとして企業などの団体が大々的
適応力を与えてくれました。 イタリアのマルケ工科大学(UNIVPM)で行われた研究によって、極寒の海に住むミミズやゴカイの仲間(多毛類)たちが、共生細菌によって提供される不凍タンパク質のお陰で生きられている可能性が示されました。 南極海域には多くの生命が生息していますが、一部の生命は凍結に抵抗するための不凍タンパク質の遺伝子をもっていないにもかかわらず、平気で過ごしており、大きな疑問となっていました。 自分で作れないなら作れる存在を取り込むのは合理的な進化と言えます。 研究内容の詳細は2024年6月21日に『Science Advances』にて公開されました。
鼻からチューブを通して、胃の内部を観察する胃カメラや、肛門から挿入する大腸内視鏡検査は、できれば私たちが行いたくない検査の1つでしょう。 ただこれらの検査は、早期に発見できる健康問題が多いため、気が乗らなくても毎年健康診断で内視鏡検査を実施している人は多いでしょう。 しかしこれらの検査は近い将来、ぐっと楽になるかもしれません。 医療デバイスを開発するアメリカの企業「Endiatx」は、カメラを搭載したカプセル型ロボット「PillBot」の開発したのです。 マルチビタミンのカプセルと同じサイズのこのロボットは、飲み込むだけで胃や腸を撮影し、検査してくれます。 このPillBotは、現在臨床試験の段階に入っており、アメリカ食品医薬品局(FDA)の承認を得ることを目指しています。 Swallowable PillBot begins clinical trials, and microsurge
科学の理論分野の研究においては、議論を行うために大胆な仮定を導入することがあります。 この方法は時間・空間・金銭などの理由で人間の手で再現困難な状況について考えたいときに特に有効です。 例えばアインシュタインらは光速に近い速度で飛ぶことができるロケットの存在を仮定して特殊相対性理論を考察したと言われています。 このような試みは思考実験と呼ばれます。 実際にやってみることが難しくても、その状況を頭の中でシミュレーションすることで科学者は数多くのヒントやひらめきを得てきました。 思考実験は科学の歴史にとって有益な営みです。 そして思考実験は同時に、超人的な能力を持つ存在を仮定することで、研究者の頭を悩ませるような問題を生み出してきたという側面もあります。 その存在は「悪魔」と呼ばれています。 悪魔は研究者を苦しめ、しかし確実に科学を前へ進める存在として立ちはだかってきました。 今回はその中でも
現在のフリーランスに近かった浪人宮本武蔵、長年浪人を続けていた彼だが56歳の時に熊本藩に客分として招かれた / credit:Wikipedia一般的に浪人は「主君に仕えていない武士」を指すイメージがあり、時代劇などでは「お尋ね者」や「さすらいの旅をしている武士」といった役割で登場することが多くあります。 江戸時代の浪人は武士としての公的な身分こそ失っていたものの、名字帯刀が許されているなど、世間一般からは武士として扱われていました。 その日常生活は後述するような例外を除けば一般の町人と同じであり、手工業や日雇い労働で日銭を稼いでいたのです。 そんな浪人ですが、他の武士から浪人であるという理由だけで軽視されていたわけではありません。 例えば弘前藩(現在の青森県西部)では、家来が「武芸の修業がしたい」と届け出をした書物が残っており、そのときに家来が修業をつけてもらう予定の師匠についても書かれ
モアイ像で有名なイースター島について、以前からこんな通説が広まっています。 「イースター島はかつて数万人規模で繁栄していたが、モアイ製造に狂って採石や伐採などの過剰な環境破壊を続けた結果、人口崩壊を起こし1722年にヨーロッパ人が到着する頃には数千人しか残っていなかった」 この説からイースター島は、”文明崩壊を起こした場所”の代名詞として世界的に語られているのです。 しかし、この物語は真実ではなかったのかもしれません。 米コロンビア大学(Columbia University)の最新研究で、イースター島の人口は元から4000人程度であり、そもそも人口崩壊など起きていなかったことが示されたのです。 研究の詳細は2024年6月21日付で科学雑誌『Science Advances』に掲載されています。 Study Challenges Popular Idea That Easter Islan
私たちにとって「水道蛇口のハンドルをひねれば水が出る」ことは当たり前ですが、世界的に見るとそうでもありません。 実際、世界人口の約3分の2が水不足に悩まされており、「2030年までに世界の年間水需要の約40%は満たされない」とも推定されています。 また、水道設備が整っている日本であっても、被災地では、水を十分に利用できない状態が続くものです。 こうした課題に取り組むため、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)に所属するシャンユー・リー氏ら研究チームは、大気中から水を集める新しいシステムを開発しました。 従来のシステムの2~5倍の飲料水を生産できると考えられており、砂漠のような極度に乾燥した地域でも活躍するようです。 研究の詳細は、2024年6月26日付の科学誌『ACS Energy Letters』に掲載されました。 Small, adsorbent ‘fins’ collect h
今まさに、直径2310mにも及ぶ巨大小惑星「2011 UL21」が地球に向かって近づいています。 これは観測された潜在的に危険な地球近傍小惑星の中で最大級に近いサイズであり、「惑星殺し(planet killer)」と呼ばれています。 エベレスト山の倍以上ある巨大な岩塊が地球に衝突するようなことがあれば、地球は壊滅的な被害を受けることになるでしょう。 ESAによると、惑星殺しは、6月28日午前5時(日本時間)に地球に最接近し、上空約650万kmを通過するとのこと。 「2011 UL21」の規模と接近距離から、多くの天文学者や天体愛好家の注目を集めています。 このサイズの小惑星は、望遠鏡を用いれば観測できるといい、惑星殺しの観測配信なども予定され、話題の天文イベントになっています。 ‘Planet killer’ asteroid set to skim past Earth in just
四肢切断の転換点は近世初期のヨーロッパにあり四肢の切断手術が必要になることも / Credit:Canva医療の現場では、患者の命を救うために四肢を切断することがあります。 例えば、交通事故に遭い、辛うじて手や足が残っていたとしても、その部位の損傷が激しく、細胞組織の壊死に至る場合があります。 壊死した部位は血液が通わなくなり、酸素や栄養が届かないため、再生することができません。その結果、壊死した組織は腐敗し感染源となったり有毒物質を出し、それが血液に乗って全身へ広がります。 そのため壊死を放置することは非常に危険で命を脅かすものとなるため、四肢切断が必要となるのです。 また壊死は糖尿病や動脈硬化などで起きることもあるため、近年では、これらの疾患に対処するために四肢切断が行われることも増えているようです。 しかし、四肢切断という外科手術が定着するまでには、いくつかの転換点がありました。 ハ
子供のころ、「うちは、ハンバーガーやカップ麺は絶対禁止なんだ」という友達の言葉を聞いたことがあるかもしれません。 確かにジャンクフードは健康に良い食べ物ではありませんが、それらを一切禁止する親というのも神経質すぎる気がしてしまいます。 最近、アメリカのジョージア大学(University of Georgia)公衆衛生学部に所属するアラン・テイト氏ら研究チームは、親の精神的な余裕が無くなると、子供に特定の健康食品を食べるよう圧力をかけたり、あまり健康的でない食品を過度に禁止したりする傾向が高まると報告しました。 研究の詳細は、2024年4月20日付の学術誌『Appetite』に掲載されました。 Parents are overwhelmed. It may affect their kids’ relationship with food https://news.uga.edu/pare
米テキサス州の中絶禁止法により、新生児の死亡率が13%も増加していたことが明らかになりました。 米ジョンズ・ホプキンズ大学(JHU)はこのほど、2021年に同州で成立した妊娠中絶を禁止する法律が、新生児の死亡率にどのような影響を及ぼしているかを調査。 その結果、妊娠中にすでに先天異常を患っていることが判明していた胎児や、経済的に育児が難しい家庭も中絶を禁止されたせいで、新生児の死亡率が大幅に増加していたのです。 中絶禁止法は現在、テキサス州に続いて他の14州でも可決されたため、同じことが起こるのではないかと危惧されています。 研究の詳細は2024年6月24日付で医学雑誌『JAMA Pediatrics』に掲載されました。
ファンタジー作品に登場するドラゴンは、口から勢いよく火を吐く姿でおなじみですよね。 もちろん、これは空想の話なので何ら科学的な根拠はありません。 しかし、もしドラゴンがこの世に実在するとしたら、彼らはどんな生物学的なメカニズムを使って火を吐くことになるのでしょうか? 英ハル大学(University of Hull)の研究者であるマーク・ローチ(Mark Lorch)氏が、その科学的な仕組みを大まじめに検証してみました。
風邪をひく人とひかない人。 かつて人々は、その違いをあくまで「確率の問題」と考えていました。 古い諺に「バカは風邪をひかない」というものもありますが、知能と風邪の相関関係を本気で信じていた人はいなかったでしょう。 ですが新型コロナウイルスのパンデミックが起きると、発症する人としない人の間には単なる確率以外の要因、たとえば民族の違いや体質の違いなどに焦点があてられるようになりました。 実際、いくつかの疫学研究では発症率や重症化の度合いに明らかに地域差があることが報告されました。 日本人が欧米人に比べて新型コロナウイルスの「影響を受けにくかった」というニュースを聞いた人もいるでしょう。 しかし疫学的な観点とは別に、個人レベルでの抵抗力の差は解明されていませんでした。 ここで言う個人レベルとは「田中さんは新型コロナウイルスにかかったけど、一緒にいた鈴木さんはかからなかった」という場合です。 現代
なぜ子供と一緒にいると魅力的に見えるのか?女性は数多いる男性陣の中から”生涯のパートナー”を選ぶとき、優しさやユーモア、責任感、経済力など、さまざまな側面を考慮します。 その中でも進化上の利点から重要だとされるのが「子供とのふれあい」です。 その具体的な説明として、研究チームは「親の投資理論(Parental investment theory)」を挙げています。 この理論によると、母親は子供への生物学的な投資(妊娠・出産・授乳・子育てのエネルギー)が極めて大きいため、それをサポートし、安心して生活するための資源や保護(食糧や住居、子育てや天敵から防護)を提供できるパートナーを好む傾向があると仮定されています。 つまり、子供と積極的に触れ合う男性を見ることで、女性は「あぁ、この人なら将来結婚したときにしっかり子育てしてくれるな、家族を守ってくれるな」と好意的に感じるというのです。 この仮定
女性のマウンティングは非常に複雑楽しそうに会話をする女性たち / Credit:photoAC女性がマウンティングに敏感な理由は、男性と異なり、女性のマウンティングには非常にバリエーションが多く、複雑であるためだという予測があります。 そこで今回の研究者は、書籍やドラマ、リアリティショーなどから、先に上げたマウンティングの4つの特徴を満たしたエピソードを抽出し、タイプ別に分類してみました。 このプロセスでは分析者の主観や思想を排除し、エピソード内にある特徴的な単語を機械的に抽出することによって、マウンティングのタイプを客観的に分類しています。 その結果、女性のマウンティングは大きく分けて「伝統的な女性」「自立した女性」「性的魅力」の3つのタイプに分類でき、さらに20個の概念に細分化して分類できることが分かりました。 ①伝統的な女性自分は伝統的に素晴らしいとされる女性像を体現している人間だと
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