政治資金規正法改正案の修正を巡って生じた岸田首相(自民党総裁)と麻生副総裁との溝が埋まらずにいる。関係修復に腐心する首相は会食を呼びかけているが実現しておらず、麻生氏側の不満は根強いとみられている。政権の後ろ盾となってきた麻生氏との関係悪化が長引けば、首相の総裁選での再選戦略にも影を落としそうだ。 【写真】イタリアでのG7サミットに出席するため、羽田空港を出発する岸田首相と裕子夫人 首相は11日午後7時過ぎ、公務を終えると首相官邸を出て、外出することなく公邸に戻った。複数の政府・自民党関係者によると、外遊前に首相は麻生氏との会食を希望していたものの結果的に実施されなかった。 首相と麻生氏の亀裂は、規正法改正案の修正で首相が公明党に譲歩したことに端を発する。麻生氏は公明の求める規制強化を実施すれば若手の政治活動が困難になると何度も首相に訴えていたため、首相の対応に失望したとみられる。