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親による子どもを巻き込んだ無理心中というのはそれほど珍しくはないが、その行為は最低最悪の暴力である。 なぜなら子どもは自分の思いを基本的に語ることはできない。語っているように大人(親)には見えたとしても、それは大人(親)の願望に即した語りとなる。 なぜなら、子どもは、いちばん身近な大人の欲望に合わせることが、その子どもの「生存戦略」になるからだ。 身近な大人(多くは親)の願望を叶えるよう、自分の発言や考え方を合わせていくことが子どもがその世の中で生きていく上での基本となる。 要は、親に気に入られることが、その子自身の「いのち」を維持することにつながるということだ。 だから、単独親権下の我が国で、理不尽にも片方の親に拉致/連れ去られた子どもは、その拉致の理不尽に憤ることは決してなく、拉致した親の考え方にひたすら「合わせて」いくことになる。 具体的には、自分が拉致されて別居することになったもう
■なぜ妻は根源的に夫を嫌悪するのか 当欄でもたびたび話題にあげておりEU議会も非難決議を下した(ついに日本も「共同親権国」になりそうだ~EU本会議決議)、離婚時の「子どもの連れ去り/拉致abduction」に至る、連れ去る側の親の心理に関して、説得力のあるブログ記事と出会ったので紹介したい。 それは、東北で法律事務所を運営するD弁護士という方がお書きになったもので、僕はお会いしたことはないものの、これまで時々そのブログを読んで勉強してきた。 D弁護士は匿名でブログを書かれており、そのブログはTwitterではよくリツイートされている。Twitter→ブログ→法律事務所サイトとたどっていくと容易に事務所名や写真付き弁護士名と出会うことができるので、ここでもイニシャルにする必要はないかもしれないが、ブログでの匿名性に敬意を払ってD氏としておく。 D弁護士が10月7日に書かれたブログ記事(暴力が
■ 5段組見開き 当欄でもたびたび取り上げる、「離婚時の子どもの拉致abduction 」問題に関して、ついに大手の新聞(東京新聞)で、5段組見開きスペースを使って大々的に特集されている。 記事では、拉致/連れ去りは「違憲」だとする訴訟を紹介しており、代理人の作花知志弁護士のコメントも詳しく紹介されている(ウェブ版はこちらから→別居・離婚で配偶者に子ども連れ去られ、会えなくなるなんて…)。 この問題を大手新聞が見開きで取り上げるのも珍しく、日本社会が「共同親権」のほうをやっと向き始めたようだ。 そんな時、この問題に関してさらに考えたいのが、「DV(ドメスティックバイオレンス)」に関する問題だ。 上の新聞記事で冒頭に取り上げられるのは夫側からの実際にあったDVであり、子を連れ去った加害者は夫側である。DVは夫が行なうもの、という「常識」をもとに言及される事例なので、記事としてもわかりやすい。
■人々のコミュニケーションがポジティブに変わりそう 「革命」と言えば激烈な印象があり、国民自ら変革することが苦手な日本としては最も縁遠い出来事なのかもしれない。 だが、いま日本では、とても静かではあるが、革命というか変革というか、社会や人々のコミュニケーションがポジティブに変わりそうな事態が進行しているように僕には思える。 その変革とは、当欄でもたびたびとりあげ、前回も「オレンジパレード@大阪」として紹介した「共同親権・共同養育」社会のことだ(「僕たち子どもの声はまったく届かない、単独親権制度は、子どもの立ち場にたったものではないんですよ」)。 離婚後、親権が同居する親側のみに移行する「単独親権システム」はもはや世界でも少数派で、日本を含めて数ヶ国しか存在しない。欧米を中心にほぼ世界は「共同親権システム」に移行している。 「平日は一方の親、週末はもう一方の親」というあり方(たとえば、一時期
■オレンジパレード@大阪 前回も当欄で少し触れたように(若者には自民党がリベラル、9月21日、共同親権を訴える(主として子と別居する)親たちの集いが大阪であり、御堂筋を中心に200名もの人々がパレードしたようだ。 そのパレードはオレンジパレードと名付けられ、テーマカラーをオレンジとし、シャツやのぼりなどオレンジで統一されたやさしい雰囲気の集まりになった。 けれどもそこに集う親たちは、子どもの連れ去り/拉致にあった別居親で、中にはその拉致の理由として「虚偽DV」をでっちあげられた方もいる。そうした別居親の悲しみについては当欄でもたびたびとりあげてきた(たとえば子を思って料理する「新しい父」たち)。 思想的にフェミニズムが先導してきた離婚後の親支援は、激しいDV被害者も多発したことからこれまで女性に偏重してきた。 それ自体は有意義な取り組みだったと思うが、当欄で指摘してきたように、そのこと(女
■ 大阪でオレンジパレード 今日9月21日の午後、大阪でオレンジパレードという共同親権をアピールする集まりがある(第3回ウォーキングフェス『オレンジパレードin大阪・御堂筋』開催決定)。 この集まりは今回で3回目で、2回目までは東京開催だったが、今日が初の地方開催で、場所は大阪で行なわれる。 当欄で繰り返し取り上げてきた共同親権を主張する集まりであり、別居親中心にこれまで200名前後の人々が集まり、共同養育・親権をアピールしてきた。 今月は内閣改造に伴い法務大臣も共同親権に理解があると言われる方(上川法相)に交代したこともあり、参加者のボルテージは上がっていることだろう。 この機会を捉えて共同親権化を押し進めようという記事も見られる(新法務大臣・上川氏は、親子引き離し当事者の声に答えられるか)。 そして、Twitterで#オレンジパレードを検索してしていただければ、同パレード参加者の熱いツ
■ ギリギリの範囲で決定されることが、「倫理」 前回当欄で取り上げたシングルマザーに関する記事(夜、子どもを寝かしてから「家を出る」シングルマザーふたりの言い分)は、恋愛や仕事も子育てとともに同時進行させる女性/母を扱ったものだった。 そうした女性/母の思いも尊重しつつ、僕は、「真夜中にひとり部屋で目覚めてしまう子ども」の孤独感について言及してみた(子どもが、家の中でひとり、夜に目覚める~シングルマザーの夜の外出)。 この、子どもの真夜中の不安を想像し、それを自分(大人=親)の欲望や自由と天秤にかけることは、ある種の「倫理」である。 上の事例であげた、子どもを寝かしつけたあと、近所の恋人のもとに向かう母の決断は、この母なりの「倫理」に基いて行動決定されている。 記事を読む限りでは、この母は以下のような理由で自分を納得させている。 「子どもたちには、親を頼らないで生きていける術(すべ)を身に
■シングルマザーが夜、小さな子どもを寝かしつけた後 最初はいつものように読み飛ばした記事だったが、何日かたつと思い出し、その内容がヒリヒリと突き刺さってきた。 それは、シングルマザーが夜、小さな子どもを寝かしつけた後、彼氏の家に泊まりに行ったり生活費のために仕事に行くという平易なルポルタージュだ(夜、子どもを寝かしてから「家を出る」シングルマザーふたりの言い分)。 1人は小6と小1、1人は小1の子どもを働きながら育てている。働きながら育児する、その苦労は本当にたいへんだろう。 登場する2人のシングルマザーのうちの1人は、子どもを寝かしつけたあと外出することに対して、こう語っている。 とはいえ、深夜、子どもだけが家に居て、朝食時、母親が居ないことが常態化していることに、いささかの不安もないのだろうか。 「もう、子どもたちも、この状態で慣れていますから。何かあれば、彼のマンションに子どもたちが
■基本的人権と、監護の継続性 離婚時、「単独親権」システムを明治の近代化より延々採用する我が国では、両親のいずれかのみ子どもと同居できる。この、子どもと同居できるかどうかの判断の基準となるのが、親が子どもとずっと同居していた実績、法的には「監護の継続性」と呼ばれる実態だ。 その監護の継続性の不思議さについては、以前当欄にも僕は書いた(「子の連れ去り」という道徳~共同親権を阻むもの)。それを受けて、Twitterにはこんなふうにも書いてみた。 親子は「基本的人権」だと僕は考える。 それは共同親権をめぐるいくつかの訴訟でも議題となっており、そうした訴訟の代理人でもある弁護士の作花知志氏の「作花共同親権訴訟」サイトでは、このように断言されている。 親権は基本的人権である。離婚は夫婦関係の解消に過ぎず、親子関係の解消を意味しない。 出典:作花共同親権訴訟 提訴 2019/3/26が、日本では、上の
■ 「こんな暑い日、あの子はどう過ごしているだろう」 前回僕は、離婚時の「連れ去り/拉致abduction」の被害にあった(子どもを一方的に連れ去られた)「別居親」の悲しみについて書いた(「パパ、神経衰弱しよう」~連れ去られた親の「抜け殻」感)。 それは父親の悲しみに若干特定してしまった感があったので、今回は母親の悲しみについて書く。 父親と同じく、理不尽な理由で離婚時に我が子を連れ去られた/拉致abductionされた母親は、数は少ないながらも存在する。 その理由はさまざまだろうが、「この場面は自分が引いたほうが子どもが悲しまないで済む」的な、女性ジェンダー的(受動的な配慮に基づく)理由もあるようだ。それは、男性元パートナーと闘うよりは自分が一歩引いたほうが子どもにとっては楽なんじゃないかという、配慮と態度だ。 その葛藤の奥には、それぞれのカップルの事情はあると思う。だから、目の前の傷つ
■自殺の事実が、日本の単独親権の闇を示す 僕はふだんは不登校やひきこもり、発達障害の子をもつ親の面談支援を行なっている。すべて大阪市や大阪府の委託事業内で行ない、それは市民からみると通常の行政サービスに含まれる。そのため料金もすべて無料だ。 そのような看板(不登校相談等)で無料面談支援を行なっていると、時々「妻か夫に子どもを『連れ去られた』別居親」と出会うことがある。当欄でも度々指摘してきた、子どものabduction/連れ去り・拉致の被害者だ。 それらの親御さんは最初はためらってabductionの事実を伏せている。けれども話し込んでいくと、問題の本質は、離婚や別居時に起こったabduction/連れ去り・拉致であり、そのことに関して目の前のその親御さんが深く傷ついていることがわかってくる。 Twitterなどでは、連れ去ったほうの同居親(母親が多数)や弁護士に対する怒りの言葉が並ぶが、
■「親が死ぬこと」 僕は子どもの頃、「親が死ぬこと」がものすごく怖かった。 そのことを考えるだけで、異常に不安になり、頭を大げさに振ってその思いつきを追い出そうとした。 親が死んでしまうことがなぜあれだけ怖かったのか、今もあまりはっきりしない。 が、大人になり、50才で授かった子どもに対して「親が死ぬこと」は語らないよう注意はしている。 けれども、いま僕は56才なのだが、この年になると、油断すると自分が死ぬことを日常的に考えており、それを口に出してしまう。 自分の子どもには最も気を許しているだけに、会話の中で自然に「パパ(僕)が死ぬと」等、それを何かに喩えてしまうこともある。 そんな時、ダメだダメだと自分に言い聞かし、そうした「親が死ぬこと」について語ることを自分に禁じ直す。 僕が子どもの頃、僕の親は時々そのことを言って僕を不安がらせたこともあったが、そんな機会は稀だった。 現在支援者とし
■EU本会議決議と森法相会見 当欄ではずっと「共同親権」について考えてきた。僕のバックボーンから、主として「哲学的に」考察してきたのであるが(たとえば前回の〈母権優先-昭和フェミニズム-単独親権司法〉権力)、現実の動きでも、共同親権は法制化の道をようやく歩み始めたようだ。 まずは7月8日、EU本会議は、国際結婚した夫婦が離婚する際、日本人親によって一方的に連れ去りその後の面会を拒否する事態(abductionなので「拉致」のほうが正確もうひとつの「拉致被害者家族」~離婚時のabduction参照)について禁止するよう日本政府に求めた。 これはEU本会議の決議なので非常に重い意味を持つ。 日本の歴史では、親権などの重要な概念の変更は自主的に変更はできない。それは主として、戦争と外圧によって行なわれ(第二次大戦等)、今回の「単独親権から共同親権へ」という流れについても、僕はそう進むだろうと思っ
■「共同親権沼」 たまたま「共同親権」を当欄で考察し、その記事に対して「別居親」(離婚したあと親権を剥奪され子どもと別居する親たち)の方々から予想外の「感謝」(具体的にはTwitter上での「ありがとうございます」や「いいね」)をいただいたことから、僕はある意味「共同親権沼」にどっぷりつかっている。 この沼は最初想像したよりもはるかに深く、日本社会の課題に光を当てることのできる、多くの問題系を内包している。 日本社会の課題とは、「単独親権」のもとに日常的に起こる、虚偽DVや「子ども拉致」の問題だ。 その一つひとつに対して、当欄ではこれまでこまめに考察してきた。 「虚偽DV」であれば、この虚偽DVは、「昭和フェミニズム」から生まれたや「DV冤罪」~昭和フェミニズムの罪記事で考察した。 「子ども拉致」であれば、もうひとつの「拉致被害者家族」~離婚時のabduction記事等で考察した。 単独親
■単独親権から共同親権へ 当欄ではここ半年ほど、日本の親権問題について言及してきた。離婚後のシングルマザーの貧困問題や、子どもの基本的人権のひとつといってもいい「両親から養育される権利」は、単独親権システムによって阻まれる。 世界でも少数派となったこうした「単独親権」システムを脱して「共同親権」に移行することが、子どもソーシャルワーク支援の根幹である「子どもの利益の最優先」を守ることになる。 養育費の不払いも、共同親権システムになることで現在よりは改正されるだろう。そのためには、共同親権システムに移行し、「共同養育(離婚して別居している一方の親も一週間のうち数日子どもと過ごす)」を現実化させることが必要だ。養育費というカネだけとって、子どもとの時間(ペアレンティングタイム)を過ごせない今のシステムは明らかに欠陥システムとというか古いものだ。 いわゆる先進国諸国では、現在では日本以外は共同親
■拉致の予告 Twitterとはいっても具体的な出来事が書かれているため、このYahoo!記事に直接引用するのは僕はためらってしまう。 そのTwitterでなにがつぶやかれているかというと、 「これから子ども(実子)を拉致して夫の元から姿を消します」 という予告ツイートだ。 これまでは「連れ去り」と表現されてきた、同居親(主として母親)によるこうした行為は、abduction/拉致として欧州議会を中心に激しい批判が巻き起こっていることから、当欄でも正しく「拉致」と記載することにしている(もうひとつの「拉致被害者家族」~離婚時のabduction)。 その、「これから拉致を決行します」というツイートは非常に幼く未熟で、タイムラインをたどっていくと、夫からのDVはどうやらなさそうではあるが、1才すぎの子どもの写真をそのままアップするなど、そのTwitterとの向き合い方も「大人」として疑問を抱
■「超党派」と呼ぶにふさわしい大きな動き 6月25日、超党派の議員で構成された共同養育推進議員連盟の方々が、森まさこ法務大臣に、離婚後の親による、1.養育費と2.面会交流が円滑に図られるよう要望書を提出した。 その詳しいやりとりは、参院議員の嘉田由紀子氏のブログで紹介されている(6月25日、離婚後の共同養育・共同親権にむけて、国会の超党派の議員連盟による大事な次の一歩が動.はじめました)。 要望書を提出した議員は、嘉田議員の記事によると、 今日の要望参加者は「共同養育支援議員連盟」の馳浩会長(自民党)、柴山昌彦幹事長(自民党)、泉健太会長代理(国民民主党)、串田誠一幹事長代理(維新の会)、伊佐進一幹事長代理(公明党)、城内実事務局長代行(自民党)、三谷英弘事務局長次長(自民党)、鈴木貴子幹事(自民党)、そして嘉田由紀子(無所属)です。超党派の議員9名が集まりました。 出典:6月25日、離婚
■EU委員会による決議 6月16日、EU欧州議会の請願委員会において、当欄でも度々指摘してきた離婚時の「子どもの連れ去り」行為を日本人に禁止するよう日本政府に求める決議案を、全会一致で採択した。日本では共同通信がこのニュースを短くとりあげている(子の連れ去り禁止を日本に要請 EU議会委、決議を採択)。 共同通信は「連れ去り」と表現するが、EUの委員会ではこれをchild abduction、つまり「子どもの拉致」と明確に表現している。 このabductionは、あの北朝鮮による日本人拉致問題を表現する際にも同じabductionが使われる。政府による「拉致問題対策本部」サイトでも、Abductions of Japanese Citizens by North Koreaと表現されており、力による強引な連れ去り、という意味でこのabductionが用いられる(北朝鮮による日本人拉致問題)。
■ スキャンダル法相と、「『法務大臣ブランド』の信用失墜」大臣 いま、河井前法相のスキャンダルで政界が揺れているそうだが、この方が法相に就任した昨年後半、法務省は「共同親権・研究会」を成立させていよいよ法制化へ動き出すとみられていた(「共同親権」導入の是非検討 法務省、研究会立ち上げ)。 それがスキャンダルというよりは、「新型コロナ禍」にともなう「面会交流/ペアレンティングタイム」の中断により(<新型コロナ>別居中の親が子どもに会えない 家裁の審理止まり、面会交流できず)、共同親権化への大きな要素であるペアレンティングタイム/面会交流が日本中の別居親と子どもたちの間で中断されている。 その流れに乗ることを狙ったのかはわからないが、離婚後の2大課題である「面会交流」と「養育費」のうち、養育費支払いの動きが目立つようになっている。 それはスキャンダル法相が交代し、現在の、なんと言ったらいいのだ
■ 「他者との信頼関係」の土台=アタッチメント 「イクメン」というわざとらしい造語はどうでもいいが、ここ10年ほどは、多くの夫/男性が乳幼児の育児に積極的に関わっていることは間違いないだろう。 それは現代では当たり前とされる。これまで育児に消極的だった男性が関わることは「当たり前」という論調がメディアの主流だろう。 だが、この、母も父も同じようにディープに育児(授乳・オムツ交換・離乳食介助・あそび・保育園送迎等々)に関わっているという事実は、乳幼児には大人が想像する以上の大きな影響を与えている。 それは、「他者との信頼関係」の土台づくりになっているということだ。 この信頼関係の土台は「アタッチメント」と呼ばれ、日本語では「愛着」と訳されるが、僕は誤訳に近いと思う(東大の遠藤利彦教授なども愛着ではなくあえてアタッチメントを使用する遠藤利彦先生 特別講演「アタッチメントと子どもの発達」 ~親子
■子どもの基本的人権、「家族」を広げる、「地域」を再定義する 5月中はリアルイベントは無理だろうと判断し、先週末にオンラインイベントを4本連続で僕は参加したり行なった。それらは、「共同親権」系が2本、高校生の若年出産(「高校生マザーズ」と名付けている)系が1本、NPO業界のあり方を問う系が1本、というものだった。 ほとんどがクローズドな有料イベントだったので記録を残していないのだが、共同親権系イベントでは、YouTube動画がひとつ上がっている(大西つねき 共同親権と新しい家族の形について(ゲスト田中俊英さん))。 それらイベントのなかで不思議と反復されたのが、 1.「(新型コロナも含めて)社会が混迷するいま、その混乱のなか潜在化させられている『子どもを尊重することの重要性』に気づく必要がある」、 2.そのためには「(毎年20万組が離婚している)家族」の新しいかたちを見つめることが求められ
■「変化し始めた男性」 「離活」とは離婚活動のことなのだろうが、この前Twitterを見ていたら「離活ワーママのお役立ち情報」というサイトで「子連れ別居は違法な連れ去りになる?判例と親権・離婚への影響を解説」という記事と出会うことができ、そのカジュアルなタイトルとは裏腹にかなり専門的にかつ平易に書かれている内容に感心した。 僕もたびたび当欄で取り上げてきた「子の連れ去り」について(「ぼくは、父(母)親に絶対会いたくありません」~「連れ去り洗脳」という児童虐待)、わかりやすく解説しており、同記事では最後に以下のように記し、裁判所の「遅さ」と別居親が諦めてはいけないことを指摘して終わる。 裁判所の実務は世の中の流れに一歩遅れて変更されるのが常です。 でも、子の連れ去りに関する日本国外の問題意識が高まっており、大きな変化が見られる可能性は十分にあります。 子連れ別居を考えている人は、夫婦で合意し
■母の日と武井氏 検察官の定年延長に関して、それに反対する数百万のツイートが寄せられ、また有名芸能人が多数そこに含まれていることが話題になっている。そんなTwitter話題に紛れるようにして、タレントの武井壮氏がこんなツイートをしていることもプチ話題となった(武井壮が『母の日』にTwitter投稿 生き別れた母親への想いに、反響 「感動」「気持ち届いてほしい」)。 どうやら母の日に向けてつぶやいた言葉らしい。それはこんなツイートだ。 このツイートからは、武井氏は幼い頃の父母の離婚に伴い、母とは別れたことがわかる。上の引用記事からは、その後は兄弟ふたりで生活したことも示唆されている。離婚後は単独親権になる日本の法制度の下、氏は母とはそれ以来会っていないようだ。 Twitterではこれが武井氏の美談と化してしまったが、単独親権下における「一般的悲劇」の一つだと言える。毎年20万組が離婚する離婚
■「虚偽DV」裁判 日本は毎年、60万組が結婚し、20万組が離婚している。 その20万組の1割ほどが裁判所が絡む「調停」や「訴訟」になるようだ(「協議離婚」の割合は87.2%、「調停離婚」は10.0%)。 90%が夫婦の話し合いで決める「協議離婚」なのだが、この協議に数年を要する場合もある。 調停や訴訟に発展する10%の離婚(それでも2万組)以外に、協議離婚の何割かは「もめて」離婚する。 そこで自然と生まれたのが「日本の離婚システム」だと僕は思っている。 正確には「単独親権離婚システム」といったほうがわかりやすいのだが、漢字ばかりなのでシンプルに表すことにした。つまりは、思想、裁判所、行政(市役所やDV支援センター)、警察、弁護士、NPO(シングルマザー支援)、といった各社会システムが連合してできあがった大きな社会システム、それが日本の「離婚システム」だ(当欄では「離婚複合体」とも読んでき
■おカネがないことの暗黒さ 新型コロナウィルス対策として、どうやら緊急事態宣言が1ヶ月ほど延長されるようだ。 それに伴って心配されるのが、自殺の増加だ。 自殺数と社会の経済状況とは明確な相関性があり、深刻な経済状況が長引くと自殺数が増える。98年の山一證券倒産前後の金融危機後、自殺数が一気に2万人から3万人になりそれが10年以上続いたことは誰もが知っている(経済不況で自殺が増加する:コロナウィルス経済対策の重要性)。 今回の新型コロナ対策のなかでの経済停止に伴い、4月からすでに影響(非正規雇用者の大量離職等)が出ていることはメディアでは日々報じられている。 そして、今回の緊急事態宣言延長により、この「お金が入ってこない」状況がさらに深刻化することで、中小・零細企業経営者や非正規雇用労働者を中心として、また1万人ほどの人が(ここ数年続いてきた2万人に上積みされて)自殺していくだろう。 僕は、
■20万人の子どもの落胆 現代の日本は世界でも珍しい「単独親権」制度をとるため、両親が離婚したあと子どもはどちらかの親(多くは母)と同居し、別居するもうひとりの親とは会えて月1回のペースになる。 月1回会えればいいほうで、なかには何年も会えない別居親もいる。 また、昨今の新型コロナ禍のために同居親が慎重になったりすることから月1回の子どもとの「面会交流」(この表現には問題があると当欄で指摘したアタッチメントが「ペアレンティング・タイム」をいざなう~離婚後の「面会交流」ではなく)が滞っている別居親もたくさんいる。 それら別居親の嘆きは、ツイッターの話題検索で「面会交流」「共同親権」等で検索していただければ簡単に読むことができる(面会交流 共同親権)。 多くの別居親が月1回の子どもとの交流に期待し、喜び、落胆し、涙している。 毎年20万組の夫婦が離婚するから、 すべての夫婦に子どもはいないにし
■離婚ストーリーのなかで現れる「離婚弁護士」や虚偽DV 新型コロナ禍により、大阪・天王寺周辺の大型書店もほぼ休業中のため未読なのだが、単独親権をもとにした離婚で生じる「虚偽DV」「子の連れ去り(欧米では誘拐犯罪とみなされる)」が月刊誌で2ヶ月連続で特集されているようだ(月刊Hanada)。 なにもこれはこの月刊誌が初めて取り上げた問題ではなく、各メディアでは6~7年前より定期的に取り上げられる話題だ。それらはこのサイトにまとめられているのでご参照いただきたいが(虚偽DVの実態)、その中のテレビ番組のミニ特集には、虚偽DVとみなされ子をある日突然連れ去られ(拉致)た男性の証言が紹介されている。 また新しいニュースでは、半田市での二審に至るまでの虚偽DV訴訟と、その後の行政との和解報道、そしてそれに伴う新聞社の訂正記事なども記憶に残っている(「DVの加害者と判断された」市に損害賠償求めていた公
■「おとうさん すき」から、「ぼくは、父親に絶対会いたくありません」へ 行政の子ども若者支援の委託事業をメインとして仕事をするようになったここ10年近く、僕は主として、不登校やひきこもりや発達障害をもつ親御さんの面談支援を担当している。 行政の事業なので当然無料のサービスで、区役所に置かれているチラシや広報を見てやってくる親御さんは上の3分野に限らず多様だ。あるいは、最初はたとえば子どもの不登校ということで面談に来られたものの、実は発達障害であったり夫からのDVであったり妻の不倫であったりと、真の問題に移行していくことがよくある。 そのなかでも、数は多くはないが、当欄でも度々触れている、離婚の際の「単独親権」にまつわる諸問題には深刻なケースが含まれる。 その代表が、離婚時に同居した親からの、子への「洗脳」問題がある。 Twitterに公開されているとはいえやはり究極のプライバシーだからその
■24カ国中22カ国が共同親権 法務省は4月10日に、24ヵ国対象に「共同親権」の実態について調査した結果を発表した(「共同親権」導入22カ国 法務省 24カ国調査、日本は「単独」 2020/4/11付日本経済新聞)。 それによると、24カ国中22カ国が共同親権であり、単独親権は日本とインドだけだった。 我が国の、単独親権の背景にある「少女フェミニズム」に支えられた複雑な事情については、前回当欄で言及した(「少女フェミニズム」が単独親権を続ける)。 少女フェミニズムが抱く「オトコ社会」への恨み=ルサンチマンをもう少し相対化しないと、多くの当事者たち(子どもと別居親)の悲劇は続く、とした記事だ。 そうした調査や議論を射程に入れつつ、今回は、「ペアレンティングタイム」という聞き慣れない言葉にも言及したい。 これは文字通り、「親との時間」という意味で、離婚後の親子が出会う機会や時間をいう。 離婚
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