サクサク読めて、アプリ限定の機能も多数!
トップへ戻る
大谷翔平
oizumi-m.hatenadiary.org
皆様、遅ればせながら明けましておめでとうございます。 えー実はお願いが二つあります。 一つは今年の2月から「映画秘宝」で消えたマンガ家の連載を再開することが決まりまして、もし『あのマンガ家はどうしているのかな』という疑問がありましたら大泉が調べつくしてお知らせしますので、どうか教えてくださいませ。 えーもう一つは、昔大恩のある方から「相棒」の謎本を作ってくれないかな、と頼まれておりまして、どんな謎でも結構ですので、お教えいただければ幸いです。こちらも大泉が責任を持ってお答えします。 ではどうぞよろしくお願いいたします。
ええと、去年の夏息子があまりに遠くの天国にいってしまいまして、その夢と、それと水木先生の夢を見たのでご報告します。共同通信に書いた原稿なのですが、いつどこでどういう形で出ているのか紙面を送ってもらっていないのでさっぱり分からないため、こっちに出しときます。 昨年の夏、大学生だった一人息子が急病で死んだ。そして年末には、とても親しくしていただき、何度も国内や外国をともに旅をした、自分にとっては心のふるさとのような水木しげる先生に逝かれてしまった。なにか、まるで見えない巨大なハンマーに、思いっきりぶったたかれたようで、その反動なのか何なのか頭がボーっとしてしまい、まったく実感がない。 ただ、この二人に関しては不思議な夢をいくつか見た。 一つ目は息子が急死してから10日ほど過ぎた日のことで、息子が家のすぐ外に立って大声で(とても声の大きな男だった)スマホに向かって誰か友人らしき人間にしゃべってい
水木先生が亡くなって、新潮45の追悼文を書き終わって一息ついていたら(新潮45の次号に出ます)今度はNHKが番組に出ろということで、総合の朝八時代の番組に出ることになりました。 なんたらかんたらニュース深読みとかいう番組(今調べたら「週間ニュース深読み」という番組でした。関係者の皆さんすみません)、12月12日の朝8時過ぎにやる番組みたいです。 僕はその時間起きていたことは全くなく、たまたま起きていれば原稿書いてるか釣りに行ってるかなんで、どんな番組かさっぱりわかりませんが、まあ水木先生の追悼だからねえ。 うまくいくとはとても思いませんが、25年前に教育番組の司会者をやっていたことを思い出して、何とかがんばろうと思います。 そんなわけで水木関係の仕事が殺到して死にそうです。 これまで書き溜めたやつを本にしろというのもあるし、新しく評伝書いてという注文もありまして、だいじょうぶか、俺。 ただ
昨日水木しげる先生が亡くなって、いろんな記憶が走馬灯のように押し寄せてきて困っていました。 そうしたら新潮45が長い追悼エッセイを書かせてくれるということで、とてもありがたくおもいました。 ほんと、えらそうなことは一言も言わない人でした。 なんの虚飾もない人で、本音の人。 自分の興味のあることには、子供みたいに迫っていく人。そして興味のないことは、あっという間に忘れる人。『驚くべき記憶力と、驚くべき忘却力が同居する』と週刊SPA!がコピーをつけましたが、まさにそのとおりの人でした。 戦争に行って、腕が一本なくなって、そんな人生における圧倒的な経験値があるので、僕のちっぽけな悩みなんか一緒にいるだけでいつのまにかほどけてしまう人でした。 ただ話しているだけでも抱腹絶倒の人なのに、その上いっぱい一緒に外国に旅をして、げらげら笑うような事件がたくさんあって、一緒に妖怪探検の本を作って、2005年
本日、『さらば、ヘイト本!』(ころから)が出版されます。 このなかで、あの『ガロ』の青林堂が、なぜ元在特会会長・桜井誠の『大嫌韓時代』を出版するようなヘイト出版社になってしまったのか、というルポを書きました。結局のところ、分裂後の青林堂を入手した蟹江という社長が、オタクでネトウヨだった、ということに尽きるのですが、「オタクとは何か?」を書き続けてきた僕にとってはなかなか考えさせられる取材でした。ご興味がおありの方は是非。
「マンガ、神話、宗教−エヴァンゲリオンという物語」という文章を「宗教と現代がわかる本2015」(平凡社)に書きました。エヴァンゲリオンをひとつの神話として見るという視点を手がかりに、マンガ、アニメ、ゲームと神話、宗教の関係を考察したものです。 ただ残念なことに紙幅の関係で一節分丸々削らねばならなくなりましたので、参考のためこちらに置いておこうと思います。本来は今発表されている最終節5の前にこの節が入ります。 5 一時ネット上で、エヴァンゲリオンと「バナナ型神話」についての関係が、熱心に議論されたことがある、 「バナナ型神話」は死の起源を説く有名な神話の一つである。 いわゆる「南方系」と呼ばれる神話で、バナナがキーワードになることから「金枝論」のフレーザーによって命名された。例えば、インドネシアのポソ族の神話では、人間は神が与えるバナナを食べて生活していたが、ある日、石が与えられたので神に対
前回の続き。 オウムの体験修行をしていた頃「よく洗脳されませんね」みたいなことを言われたのだが、それもそのはず、僕は徹頭徹尾宗教としてのオウムを評価していなかった。 「ダメな宗教」としか思っていなくて、そこになんでこんな善人が捕らわれていくのか、ということに興味があった。 宗教系ライターの経験から、まずダメなのは「予言」と「超能力」を売り物にするところである。予言という意味ではエホバの証人がそうで、30年おきぐらいにハルマゲドン予言を起こしては外し続けている。麻原は1997年は「真理元年」になり、自分は日本に君臨すると予言していた(笑)。また、オウムが超能力を売り物にしていたのは周知の通り。 鎌倉時代に活躍した明恵にも不思議なことがよく起こったようだが、彼は、「それは仏教の修行をすれば自然に起こることで、別にたいしたことじゃない。くだらないことで大騒ぎするもんだね」と述べている(「伝記」よ
このところ、テレビや雑誌の取材で元オウム信者によく会う。先日はひかりの輪の上祐さんに会った。 僕自身、取材のため2年近くオウム内で体験修行してきたので(上祐さんの説法も聞いた)、知り合いの元信者に会うと同窓会をやっているような、懐かしい気分になる。脱会した人たちはみな麻原の呪縛から逃れるための凄まじい体験をしており、何か憑き物が落ちたような柔和さで話をしてくれる(ちなみに上祐さんのインタビューは「徹底検証 世紀の大誤報 別冊宝島2281」宝島社)。『麻原彰晃を信じる人びと』という本の中にも書いたが、僕は麻原に聖性を感じたことがまったくなかった。僕が聖性を感じ続けたのは、彼らのような信者たちだった。 いまさらながらなのだが、元オウム信者たちは、どうして麻原のあの顔に聖性を感じることができたのだろう、と思う。僕はオウム内で数限りなく麻原の顔を見たが、傲慢さ、征服欲、攻撃性の強さ、といったものし
先日、福島の原発事故後に焼身自殺をした渡辺はま子さんの地裁判決が下り、裁判所は自殺と原発事故の因果関係を認め、原告側が勝訴した。画期的な判決であった。 昨年原告の渡辺さんのインタビューを行ったのだがボツになってパソコンの肥やしになっていたので、よい機会と思いこちらに載せることにした。 東京電力は事故被害者の負担を配慮し、控訴をするなどしてこれ以上の負担をご家族など関係者にかけないよう希望する。 1 「おたくらはね、いつもそうやって被害者の家族のプライバシーを暴きたてるんだよ」 電話の声はいきなり怒っていた。 この仕事をしていると時々こういうことがある。単に取材依頼の電話をしているだけなのだが、それがいとも簡単に相手の怒りの導火線に火をつけてしまうのだ。何が困るといって、怒っている人間からインタビューを取ることほど難しいことはない。 2011年7月1日未明、避難先から計画的避難区域にある福島
(7) 不思議なことはほかにもたくさんあった。たとえば、一番大きな症状が出ているのは臨界を終息させるために現場で作業したJCO社員のはずであった。しかし彼らは会社によって囲い込まれ、情報がまったく出てこない。 ある時、被害者の会にやってきた女性が、村で出回っているという次のような噂を話してくれた。 東海村から出る特急ひたちに、JCOの幹部社員たちが乗り合わせていた。これはそこに同乗していた人の話で、東海駅を離れると、たぶん夕食時だったのだろう、彼らは弁当を食べながら軽く酒を飲んで同僚の噂話を始めた。それは事故の処理に当たった社員の一人だったが、会社の強い慰留にもかかわらず退職し、かねてから念願だったそば屋を開店した。開店して数ヶ月してから店を訪れると、珍しく頭にバンダナを巻いている。不審に思ってたずねると、「どういうわけか髪の毛が抜けちゃって」と言ったという。また数ヶ月して店を訪れたとき、
4月20日に、友人のノンフィクションライター・木村元彦とドキュメンタリーのVTRをつくり、BS11の「ONZE」という番組で放映してもらって、スタジオで元村有希子キャスターや二木啓孝さんと話しをした。「サリン事件から19年 元オウム信者たちは今」みたいなタイトルだったと思う。 これからアップするのは、その取材で知り合った林久義さんというチベット仏教徒で、オウム信者の脱会カウンセリングをやっている人から依頼された文章である。オウム信者の疑問にはきちんと仏典に当たって答えることのできるすごいひとで、脱会させた信者も多く、カウンセリング成功率も高い。 また福島の支援も行い、原発問題全般にも目の行き届いている人だった。 この原稿は2010年の福島原発事故前から書かれていたのだが、書いている途中で原発事故が起こってしまい、2011年の5月に「怖い噂」誌上で発表したもので、さまざまな原子力問題に触れて
事故から2年ということで、先週あたりから大量の福島原発事故特集が組まれていますね。JCO事故のときもそうでしたが、事故何周年で番組が集中するというのは、通常のニュース枠からはどんどん外れていきますよ、という徴です。首相官邸前の抗議デモも、最大時で15万とか20万とか言われましたが、先日調べたら200人代まで減っていたとか。今後増えるにしても一時的現象にとどまるでしょうね。「忘却」というやつですね。残念なことですが。 昨日、奥様が焼身自殺された川俣町山木屋の渡辺幹夫さんのところに行って話を聞きました。詳しくは後でウェブマガジンで発表する予定ですが、奥様が原発事故の避難生活によってうつ病になり自殺をされたことは、2人の精神科医の判断からも、常識的に考えても間違いないところだと思います。この問題については、初めは裁判にするつもりはなく、東電に交渉に出向いたのだが東電の対応は門前払いだったというこ
みなさまごぶさたしております。エヴァQでございます。今回特に大きな感想はないんですけど、とびしんが『「Q」の感想書かないんですか』とうるさいので、思いついたことを書いておきます。ネタばれ全開ですので、ダメな人は読まないこと。 まず思うのは、相変わらず全力の庵野監督の仕事ぶりで、本当に頭が下がります。 で、今回は学園パートがないんでえらい重かったですね。神話世界に放り込まれたようでした。やっぱ緩急は欲しいなと思います。緩がなくて急だけだから今回Qなのか、などとくだらないことを考えてしまいました。こんなことなら「エヴァンゲリオン緩」というのも見てみたいですね。「補完? ま、いいんじゃね」とかとことんゆるいやつね。 それにしても、今回なぜこのようなウツ展開になったんでしょうか。 話は「破」のラストまでもどるわけですけど、全体的な傾向として、シンジ君がオトコなわけですよ、「破」は。シンジ君、ってい
5 「彼女を説得してきました」 ととびしんは言った。 瞬間、この男がなにを言っているのか、ビールでぽおっとしていたおれにはにわかに理解できなかった。 とびしんは、おれたちとモンハンをやるために、泣いてしまうぐらいとびしんと話をしていたい彼女を説得してきた、と言っているのであった。とびしんが闇に消えてから1時間以上たっていたが、その間とびしんは店の駐車場の車の中から電話をかけて、彼女を説得していたらしい。 「エライ」 とおれは言った。深夜のすき家で、おれたちは口を極めてとびしんを褒めたたえた。とびしんはちょっと得意そうな顔で3DSを取り出し、 「さて、どこに行きますか」 と言った。 部長が戻ってきた。 リベンジの時が来たのだ。 おれたちはまず、直前にやられたブラキディオスのところに行くことにした。どうせなら2匹クエに行くか、ということになった。「爆砕の連鎖」である。おれととびしんが何度となく
3 その日曜の夜、というのもおれがとびしんに冒頭のセリフを申し渡した日曜の夜であるが、すき家にはおれ、もふらせろ君、コウキ、新人のS君の4人が集まった。といってもモンハンをやるのはおれともふらせろ君の二人だけで、後はめしを食ったり情報交換をしたり他人の悪口を言ったりするために集まっていたのである。まさにみなと店モンハン部は壊滅寸前であった。 批判は当然のようにこの日もそこにいない部長のとびしんに集まり「ふざけんな」「最低最悪」「なめとんのか」「無責任」「人間のクズ、いや、ゴミ、ゴミそのもの」「いいかげんなやつ」「わがままで人のことを全く考えてない」「テッキットー」「リア充爆発しろ」などのセリフが気持ちよさそうに各人の口から発射されていた。こういうことをみんなに気持ちよく言わせている、というのが、現在とびしんの唯一の存在価値であろう。 やがてモンハンになり、おれたちはまずグラン・ミラオスに行
2 そのころおれたちの狩りの現場は、コンビニの駐車場の時期を脱し、近所のファミレス期を経由して、牛丼の「すき屋」になっていた。ファミレスは場所は悪くないのだが、田舎のファミレスなので午前2時で閉まってしまい、朝の4時5時ときには7時8時まで狩り狂うおれたちの需要には合わないことが分かったのである。つまり24時間営業の店がいいのであり、24時間営業の居酒屋なんかがあればおれとしては理想的なのであるが、田舎の港町にあるこのショップの近辺で24時間やっている店といったら「すき家」しかなかったのである。 深夜零時半ごろ、あるものは徒歩で、またあるものはチャリで、またあるものは車で、といった具合にすき家に集まってくる。なんといっても午後6時から6時間以上接客やDVD、CDの返却などを行ってきた後であるから、おれたちの体は極度の空腹と疲労の状態になっており、のどはからからである。 そして、このような状
1 「おまえなあ、いったいこの事態をどうするつもりなんだよ」 温厚な性格で知られる僕、いやおれではあったが、この時は思わず語気鋭くつっこまざるを得なかった。というのも、あまりの理不尽さに、深く静かに怒っていたからなのである。そんなわけで今回は「僕」なんて言ってられないので「おれ」で行くのである。 といっても、この時は原発問題とか東京電力とか政府の責任などについて激しく怒っていたのでは別になく、話はモンハンについてのことなのであった。 このブログを読まれている方なら、おれがオタク修行のためそれ系のショップで潜入取材を行っていることや、その過程で激しくモンハンにはまってしまったことなどをご存知であろう。ドスから始まり、2nd−2ndGにいたってはプレー時間が1700時間を越え、「それだけの時間があったら何冊本を書けると思ってるんですか」と周囲をあきれさせた。PSPを3台つぶし、英語版までやった
原発の補償問題に関するニュースを見てみたんですが、このままだと健康被害も精神的被害も補償されない可能性が高いですね。意外に聞こえるかもしれませんが、これはJCO事故の時もまったく同じでした。僕はJCO事故被害者の会の事務局員としておよそ10年間被ばく事故の補償問題を見てきたわけですが、健康被害も精神的被害も補償されなかったこの事故の時とほぼ同じ展開になっています。 まず、現在出されている「精神的損害に対する幅広い補償」というニュースですが、これは避難させてしまったことに対する「迷惑料」としてJCO事故でも一番初めに払われたものです。確か避難所に一泊させた迷惑料とかで、一人一万五千円とかでした。これは事故によってPTSDやうつ病などの重い精神疾患になってしまったというような「精神的被害」とはまったく別物です。 次に各産業の被害や風評被害が検討されます。これはまったく十分ではありませんでしたが
なんか仕事が忙しくなってしまってこちらはしばらく放置していたんですが、こんなご時世だし活動報告ぐらいはしたほうがいいだろうと思い、ぼちぼちやることにしました。 で、5月16,17日と東京新聞の夕刊に記事を書いたんですが、半分ぐらいに削らねばならなかったので、こっちに元バージョンを載せておきたいと思います。 福島第一原発事故の被害補償について、現在さまざまな意見が述べられている。その中でも、最近になって精神的な被害の補償をどうすべきかという議論が見られるようになってきた。1999年にJCO臨界事故に巻き込まれた母の精神的被害(PTSD)の問題について加害者のJCOと交渉し、その後2002年から2009年まで損害賠償裁判を行った体験から、今回の事故の精神的な被害の補償をどうすべきかという点について、経過を説明した後に若干の私論を述べたい。 母はJCOの敷地から約80メートル、事故現場の転換試験
みなさん、お元気でしょうか。僕はこのところとても元気にしております(なんか手紙みたいだけど)。というのも、なんというか今年は当たり年で、けいおんは面白かったし、春樹さんの新作1Q84もすげえ面白かったし(こういうベストセラーは普通一年ぐらいしてから買うんだけど、今回週刊現代さんに書評を書くということで送ってもらった。原稿は先先週ぐらいに載ったと思う)、さらに最近中国留学生腐女子に薦められて買った『鬼畜眼鏡』がなかなかのできばえで楽しませてもらっているし、そして、ああ、エヴァですよ。(ネタバレあるんで、困る人は読まないように) 店の同志が予約を取ってくれて、総員6名、行ってきましたエヴァ(ヱヴァ)破初日初回、あんまり楽しみで前日は夜中に何度も目が覚めたよ。で、朝7時に起きて、眠い目をこすりながら車で近くのシネコンヘ。待ち合わせ時間の20分前についてしまって、車の中で、フランスパンを包丁で切っ
1 そろそろ腐女子について考えねばなるまい、と思い、手始めに『腐女子彼女』『となりの801ちゃん』などの関連書を買ってきて読む。 なんというか、こわごわと読み始めたわけだが、自分の知らない異界の話というのはやはりそれなりに面白く、再読三読する。異様な話の連続とはいえ、扱っているのが女の人たちなので、少しゆるやかな気分になる。ふーむ。これらの文献から推測すると、2006年から2007年にかけて、腐女子ブームというのが静かに展開されていた模様である。 非常に印象的だったのは、801ちゃん1巻のラストの四コマ。久々の彼氏のスーツ姿に思わず801ちゃんの中身が飛び出す。 「ギョヘーーー! スゥツゥ!! スゥツゥ!! スーツや!! ええのう!! たまらんのう!! グェッヘッヘッヘッヘッへェー!! 男前が3割増やないか!!」 声を発しているのはかわいい女の子である。しかしこの反応は、制服を前にしたオヤ
発売日に買ったばかりの「Don’t say “lazy”」を大音響でかけ、いっしょに歌いながら車を走らせていたところ、携帯に電話がかかってきた。 「たいへんですよ大泉さん、聞きましたか、モンハン3で狩猟笛が使えなくなったんですよ」 え、なんですか。 電話はGさんからだった。それもひどく切迫している。しかし、今は平日の午前中であるし、この人はサラリーマンとしてこの時間は仕事のはずである。こんな電話をしていていいのだろうか。 「仕事なんてやってる場合じゃないですよ。これは僕のアイデンティティーにかかわる問題ですよ。まったく、Capcom公認で、『僕の笛の音色は君の心には届かなかったのか』ですよ。それに大泉さんの愛するガンランスも使えないんですよ」 なにっ。 「水中では火は使えないとか息継ぎできないとか。水中戦闘がありますからね」 おう、これは確かに仕事どころの騒ぎではない。そう思ったのもつかの
再びご無沙汰でした。連載原稿や飛び込みの締め切りの合間に書いていたらいつの間にかこんなに時間がたってしまいました。 それから国立さんアドヴァイスありがとうございました。設定変えてみました。 では。 1 実は僕の場合極めて珍しいことなのだが、この文章は締切日が決まっていないのに書き出されている。なぜかというと目の前で非常に興味深いことが起きており、にもかかわらずこのまま放っておいたら僕のヤクザな記憶力から考えて事の細部はきれいさっぱり忘れてしまうだろうと思えるからである。 何が起こっているのかといえば、オタクの恋である。しかも三次元での、つまりは現実の恋である。こういうのを身近なオタクたちは「リアルが充実している」略して「リア充」という。 事の発端は、Sさんというひとりの女子高生がアルバイトとして店に入ってきたことだった。15歳。去年までは中学生だ。際立って美人というわけではないが、それなり
長らくのご無沙汰でした。 「オタクとは何か」の連載を草思社さんで続ける約束になっているのですが、担当が会社を再建中の身でなかなかうごけないとのこと。そこで、あまり中断が長くなると取材に張り合いがなくなるので、草思社さんの了解を得てこのブログで連載を続けることになりました。それでは第18回。 1 店でレンタルDVDのディスクを拭きながら、先輩のHさんとの会話。レンタル部門では今年もアルバイトの半数以上がコミケに行くのだが、Hさんも初参加するという。 「何でも挑戦だー、って言われたもんですから」 「それじゃこれから『オタク』と呼ばれても反論できませんね」 「たしかにコミケはなあ。何か一つのキャラにはまったー、というのとはわけが違いますからね」 Hさん自身、外見からするとオタクというものとはかけ離れている。すらりとした長身で、メガネを外せばいわゆるイケメン。ファッションセンスもよく、彼女もいる上
先日水木先生のところへ行ってきまして、少し力んで「先生、猫娘がかわいくなってしまった件についてなんですが」と切り出すと、「えっ、ねこむすびがなんだって」とお答えになられました。ちがうっつーの。そんなおむすびの話はしていない。 容易に予想されたとおり、先生は新鬼太郎アニメは一度も見たことがありませんでした。資料を見せると「ぁ、初めて見ました」と述べました。「猫娘のエロ本がコミケで売られていますが」という質問にも、そこにどのような問題も感じておられないようで(同席した娘さんは嫌がっていましたが)、泰然としていました。そして、自分は長い間妖怪にこき使われてきたので、妖怪が金を運んでくるようになったのだ、というようなことをにっこりしながら言いました。つまり猫娘はどう変貌しようと、金を運んでくれればよい、というのが先生のご主張のようでした。さすがです。軸がまったくぶれません。どうでもいいことはとこと
ヱヴァを見て以来「俺はやはりオタクではないのでは」と考えている大泉です。長くなるので詳しくはこちらへ。 http://web.soshisha.com/archives/otaku/2007_0920.php 10年遅れで庵野秀明のオタク批判に対する反論なんぞを書いています。 たとえば、学校に行けばむちゃくちゃいじられいじめられる高校生がいて、その人がすがるようにアニメを見て、感動して力を得て、手のひらにお守りみたいにキャラの名前を書いて、それで何とか一週間生き延びて、みたいな生活を送っていたとする(取材では良く聞く話です)。彼に対してあの庵野秀明のオタク批判は届くのだろうか、というような青いことを、取材をしたことによって初めて考えるようになったんですね。脱オタクだって?何をキレイ事を言ってやがる、と。 確かに庵野は、そのキャラを産出する側で、ファンにしがみつかれるのが不快で突き放すような
エヴァ見ました。 それにしても、視点も変えずに同じ話を繰り返すのか、というのが第一感。普通もうちょっと何とかしようとするもんですが、飽かずに同じ話の繰り返し。しかもそれをねっとりとやるというところが「粘着だなあ」。きっと前回のエヴァでできなかったことがたくさんあるんだろうなあ、と思いました。しかし、映画館ではこの繰り返しに対する不満がけっこうありました(特に中高生の女の子)。 圧巻だったのは第三新東京市や使徒の作りこみ、戦闘シーン(とくにヤシマ作戦)など、一緒に行った店の先輩後輩たちの話題は、もっぱらここに集中しました。こういう要素を考えると、改めて「オタクの作ったアニメだなあ」と呻かざるをえませんでした。こういう徹底した仕事は、オタク系クリエイターのストロングポイントですね。 人物でいうと、ミサトさんが丁寧に描かれているのには好感が持てました。綾波は前回より母性的というか丸くなっていて、
今度久しぶりに水木しげる先生に会いに行くんですが、なんといっても一番聞きたいのは、この4月から始まった鬼太郎、特にあの猫娘についてなんですよね。僕はあの萌え猫娘を見た後しばらく衝撃で動けなかったくらいですから。萌えやオタクの取材でいくらか免疫は出来ているはずなのに「なんじゃこりゃ〜」と思わず雄たけびを上げましたからね。水木先生はウエンツ鬼太郎について「鬼太郎はあんな二枚目じゃありません」と述べた人なので、この猫娘についても何らかの感想を持っているはずで、是非それを聞きたいでんですよ。 水木先生が女を描くのが苦手というのには定評があって、物語の必然で美女を出さなきゃいけないときには、「美女」と言う指定だけあって、後は全部アシスタントにお任せだったそうです。そこでつげ義春など歴代のアシスタント達が腕によりをかけて美少女を描いてきたと。 そんななかで猫娘だけは水木先生らしい少女だったので、まあ最
オタク店員修行中の大泉は、諸先輩に誘われましてカラオケ(忘年会)に行ってまいりました。オタク系カラオケの経験がなかったので、もう何が飛び出すのかドキドキものでした。酒は飲まないということで、生まれて初めてのノンアルコールカラオケ。いくつになっても新たな体験というのはあるものです。 「プロジェクトA」のテーマから始まり、「ふたりはプリキュア MaxHeart」でしめるという内容で、朝6時近くまで歌いまくりました。非常に楽しく、まったく違和感がなかったので物書きとしてこれでいいんだろうかとか、俺は本当に非オタクなのかとか思いましたが、この際どうでもいいやあという感じで歌いまくりました。 思い出す限りのラインナップ。 ・プロジェクトA ・鳥の歌 ・ブリーチ オープニング(曲名は忘れた・以下同) ・デジキャラットのテーマ ・Fate 1期、2期オープニング ・ハレ晴レ愉快 ・勇者ラムネス ・イチゴ
次のページ
このページを最初にブックマークしてみませんか?
『核と萌えの日々〜ライター大泉実成のたわごと』の新着エントリーを見る
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く