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2018年05月15日 「政治的信条に基づく懲戒請求」ならば適法か? カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える 高島章弁護士は、今回懲戒請求に殺到した方々の弁護に名のりをあげています。 それ自体は素晴らしいことであり,「あんな連中を弁護する弁護士はそれだけでダメだ」という弁護士はいないと思います。 高島弁護士は懲戒請求そのものはダメなのだという建前を同時に表明していますが、私は例え高島弁護士が「懲戒請求の何が悪いのだ」と発言していたとしても、高島弁護士を非難する気にはなりません。 依頼者に寄り添うべき立場上、内心と違ったことを言うことだって当然あり得ます。 皆さんもっともっとやれ!などと追加の扇動をするならば話は別ですが、弁護をしたことはもちろんのこと、立場上懲戒請求を正当化するような発言をしたとして、それを公然と非難するような弁護士はいないと思います。 もしいたならば、非難する弁護士の側を
2018年05月17日 訴え提起を「品位を欠く」「品位を害する」という弁護士 (2) カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える 以前の記事でああでもない、こうでもないと書きましたが、今回の佐々木弁護士らに対する大量懲戒請求事件において、共同不法行為が成立するかどうかは、結構難しい問題であろうというのが私の認識です。 ゴールも難しい問題なので,入り口をどうとるかも難しい問題になります。 確かに,被害額総額は数百万円程度,弁護士としてある程度乗せ気味にして請求するにしても1000万くらいが上限であり、共同不法行為とする,というのが私が支持する結論ではあります。 ただそれは,あくまでも「かぜのせいるーらのかんがえたさいきょうのおとしどころ」に過ぎず、実際の裁判がそうなる裏付けはありません。 外れたとしても全く責任を持てないものです。(そもそもガチ予想をするには信頼すべき情報も足りなすぎます) 小倉
2018年05月15日 懲戒請求事件から考える「殺到型不法行為」 (4) カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える 私は,以前,光市母子殺害事件懲戒請求騒動において,懲戒請求に不法行為が成立するとした場合,相互に意思の連絡がなくとも、共同不法行為が成立するのではないかという意見を述べたことがあります。 これに対し,今回の佐々木亮弁護士らの懲戒請求騒動では、弁護士の間では懲戒請求に不法行為が成立するとしても、共同不法行為は成立しないという意見が多いようです。そこで,改めてその点について調べ直したりして思ったことを書いてみました。 共同不法行為とは、複数人が「共同して」不法行為をした場合,不法行為者全員に損害について連帯責任(講学上不真正連帯債務という言い方をしますが、ここではその詳細に立ち入りません)を負わせることが出来る、という考え方です。 不法行為者の一部が逃げてしまったり、お金がなくて払
2007年05月04日 その時歴史が動いた~昭和48年4月4日、尊属殺人罪が消えた日 (7) カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える 今日の記事は、憲法判例の中でもトップクラスに有名かつ悲惨な例を扱うとしよう。 最高裁大法廷判例、昭和48年4月4日である。判決文はこれ。pdfだけど。 この判決は、確かに憲法判例である。憲法の判例百選に載っている。 だが、同時に世の中の刑事事件を扱う際、一つの指針ともなる事件であると考えている。世間では犯罪者=悪人で「どんな場合でも」厳しく処罰しなければならない…的な発想に基づいて物事を主張する人たちに、私ならずとも多くの人が示す実例である。 この事例を示されたとき、そういう発想の持ち主は大概の場合、何とかこの場合は例外と言い逃れを試みようとするのだが、全く筋が通っていない場合が多い。それだけで、この事例の強烈さ加減が物語られている。 今日の「その時」は昭和
2012年06月28日 微罪処分とは?(追記あり) (2) カテゴリ:法律いろいろ 微罪処分とは何か、と言うお話です。 微罪処分とは、平たく言えば「軽微な事件について、刑事事件を警察段階で、特に処罰せずおしまいにすること」です。 厳密に言えば処分とも異なるのですが、微罪処分と言う言葉が実務上使われるのでご了承を。 日本の刑事訴訟法では、警察は刑事事件を捜査したら、被疑者を逮捕した、しないに関わらず全ての案件を検察庁に送らなければならないのが原則になっています(刑事訴訟法246条)。 逮捕・勾留のような身柄拘束の場合には裁判所の許可が要りますが(令状主義)、そうでない場合でも、全てを警察の内々で済ませてしまうことは許されておらず、一度は(建前上)法律の専門家である検察官の判断を仰ぎなさい、ということになっているのです。 マスコミでは送検と言うとなんだかすごいことになってきたぞ、みたいなイメー
2011年07月15日 懲戒請求扇動事件最高裁判決の解説・・・浮かれたアンチ弁護団のお粗末ぶり (6) テーマ:ニュース(99984) カテゴリ:カテゴリ未分類 さて、判決です。 個人的には、twitterでも書いたとおり一審判決復活を本命にしていましたが、敗訴の判決も予想の一つにはあったので、別段驚いていません。 内容的に見れば、個人的にえっといいたくなるような解釈もあるのですが、今日の記事ではその辺には目をつぶり(その辺はまた後日あれこれ言いたいと思います)、最高裁が何と言ったかを見詰め直し、改めて判決を受けて弁護団へのバッシングをするネット世論の不当さを指摘する趣旨で、この記事を作成いたします。 思えば、私が法科大学院に入る直前に第一次上告審欠席事件で騒動が起こりました。 そして、私が初めて新司法試験を受ける直前に第二次上告審死刑判決。 私が弁護士になって初の刑事裁判判決の日に最高裁
2011年01月27日 「知識ない!批判したい!」死刑存置論者の堕落 (110) テーマ:ニュース(99976) カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える この文章は、死刑存置論の全てを腐すものではなく、インターネット上に存在する、あまりにも情けない死刑存置論者に対して警鐘を鳴らすものであることを始めにお断りしておきます。 死刑存置論者であることのみを理由とした批判はしておりません。 先日、死刑制度について、江田五月法務大臣が就任後、存廃も含めて検討していくということを述べ、その際には死刑は欠陥のある制度とも述べました(後に撤回して「悩ましい制度」としていますが)。 因みに江田法務大臣は裁判官の経験もあり、少年法がらみで国会答弁した私の師匠が「よく分かってる質問をしてくる」等と評価していたのを聞いていたりしています。 この発言については、死刑制度が本当に必要であるなら、仮に論議した所でなくな
2010年11月10日 信念の人は超厄介者と隣り合わせ (6) テーマ:ニュース(99978) カテゴリ:その他雑考 漫画やアニメ、映画でよく登場する「信念の人」。 上司その他の言うことに流されず、自分なりの主張や考え方、願いを持って、それを実行できるような人、と言う意味で今日は使います。 かっこいいですよね。昔がどうだったか知りませんが、今その手の信念はヒーローをカッコ良くさせる大切な要素でしょう。最近は、悪役ですらその手の信念の人がごく普通・・・な気がします(私の知っているアニメや漫画は決して数が多くないので、一般化は避けたいですが)。 「誰かを守りたい」でも、「正義を貫く」でも、はたまた「自分が強くなりたい」でも。 私も嫌いじゃありません。と言うか好きです。 しかし、そこには一つの陥穽があります。 世の中には「信念の人」が暴走した結果、周囲に取り返しのつかない大損害を与えてしまうこと
2010年11月02日 裁判員裁判初の死刑求刑事件は無期懲役判決 (1) テーマ:ニュース(99972) カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える こちらですね。 なくなられた両名のご冥福をまずはお祈りいたします。 ざっと事件概要を見た限りでは、死刑の選択も十分にありえる一方で、無期と判断されても特に軽いとも言いにくく、どちらに転んでもおかしくないような事件であったように思います。 裁判員と裁判官のどちらがどれだけ賛成したかは、残念ながら分かりません。まあ評議は秘密である以上仕方ない訳ですが。 あくまで個人的な推測と断った上で言えば、おそらく裁判員の多数派が死刑賛成に回ったということはない(死刑賛成に賛成した人物は最高でも6人中3人)と考えています。 あまりにもむちゃくちゃな見解ばかりを裁判員が主張したのでやむを得なかったというのでない限り、裁判員の多数派の考えを裁判官全員で潰す(裁判員の多
2010年09月17日 ま、一応ね。 (1) テーマ:ニュース(99971) カテゴリ:カテゴリ未分類 今日はローゼンメイデン単行本の発売日♪等とルンルン気分だったのがすっかり冷めてしまいました。 橋下氏の懲戒処分呼び掛けについて、業務停止2カ月とのこと。橋下氏は知事職に振り替わったので、当面の実損害は屁でもないでしょうが…。 なお、一般の弁護士にとっては、業務停止というのは文字通り息の根止められかねないほどの威力があります。単に報酬が受け取れないとかだけではなくて、それまで受けてた仕事ができなくなるわけですから、曲がりなりにも停職期間が明ければ職務に一応復帰できる公務員の停職2カ月などより重いと言ってよいでしょう。 まあ、以前も言いましたが、この件に関しては当面橋下氏を非難する必要はもうないと思います。出しつくしましたし、弁護士会と彼個人の品位が違うのもそれはそれで仕方ないですし、知事と
2010年05月21日 生活保護と自家用車論争に関するネット世論 (87) カテゴリ:その他雑考 むかーしむかし、「貧乏人は麦を食え」と言い放って思いっきり噛まれた大臣がいたと聞いていますが、あれから時代が変わったんでしょうかねぇ…。 (追記:誤解のないように言っておけば、大臣は実際に貧乏人は麦を食えと言った訳ではなく、マスコミが報道に際して見出しで貧乏人は麦を食えと曲げたのですが、つまり「貧乏人は麦を食え」と言ったら非難される時代であったという趣旨です。) 日弁連が意見書で、車を持っている人にも生活保護、と言ったら何だか噛まれているようです。一例としてこちら。意見書本体はこちらからどうぞ。 車を持っていたら、車を売るか、廃車にするかしないと生活保護ができない、という現状を何とかしろと言う訳ですね。 んまあ、感性の違いとして、車はぜいたく品であるから持っている人には生活保護は出せない、と言
2010年01月15日 被告人の利益に関するhidew氏の珍説―前編 カテゴリ:カテゴリ未分類 まあ、色々反論文を用意していましたが、「こ れ は ひ ど い」としか言いようのないほどにぶっとんだ言い分が返ってきました。同時に、hidew氏がどうして法的主張に耳を貸さず、俺様主張に固執するのか、その根源が一つ見えました。 いい話のネタ(笑い話という意味ではない)でもあるので折角ですから先に関連する話題を記事にしてみましょう。 先に総論的な話をして、次にhidew氏の珍説について指摘します。 長くなったので、今日の所は総論だけ。 なお、先に参照資料と本文中の略称を掲げておきます。 前者の著者、佐藤博史氏は刑事弁護の大家として知られる弁護士で、足利事件の弁護人としても有名な方です。 後者は、司法試験に合格し、実務家を目指して修習する司法修習生が刑事弁護のテキストとして使う本です。実務家になって
2009年12月11日 冤罪事件における裁判所と検察批判の方法 カテゴリ:その他雑考 まあ、誰かさんを意識していることはバレバレですが、ちょうどある方からとあるアドバイスを受けたので、こういう一般向けの形式でやってみるとしましょう。 再審で無罪判決が下り、晴れて被告人が自由の身になったとします。 被告人には、損害の満額とは言えないながらも刑事補償金も支払われるでしょう。 ・・・しかし、これではめでたしめでたしとはなりません。 その先に存在するのは、「次にこのような事態を防ぐにはどうしたらよいか」と言う点から、裁判所、検察・警察、弁護人・被告人それぞれの問題点を追及して行くというプロセスです。(この文章に違和感をもたれた方は、とりあえずこの記事を最後まで読んでください) 一般的な裁判手続の中で、無実の人間を処罰から外すプロセスは、 一、検察段階での起訴判断 二、裁判所段階における有罪無罪の心
2006年02月14日 「人質司法」について検察側から考えてみる (7) カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える 昨日、ホリエモンが起訴されたのだが、某刑事法学者(元検事)がテレビで言うには、「否認しているから保釈はされないだろう」。 学者と言う肩書きをつけてこういう予想をテレビで語るのはどうもね・・・と思うのだが、実務の運用でそういうのが多いのは事実。 日本では、逮捕・勾留・取調べで自白を取ることが多い。 しかし、被疑者であれ被告人であれ、黙秘権は保障されている。黙秘権は保障されているのに自白が欲しいという矛盾した状況から、厄介な問題が発生する。何とか向こうに黙秘権を行使させずに自白を採りたい。 そこで、自白せず否認なり黙秘なりをする人間は逮捕期間が長引いたり、取調べを長くやったり、保釈を認めなかったり、弁護士との接見が制限されたり、量刑が重くなったりということで身柄拘束が長くなることが
2008年12月07日 楽しい楽しい陰謀論♪でもね・・・ (1) カテゴリ:その他雑考 表題はギャグめかして書いてありますが、書いている内容は真剣なつもりです。 陰謀論をあれこれ考えて思考を巡らすのは、正直言って楽しいものがあります。 アメリカのエリア51の話とか。アメリカはすでに宇宙人とコンタクトして取引しているなんて話もありますが、その情況証拠となるべき事実をつまんでみると、ものすごく楽しいです。 ネットスラングで諸葛亮孔明あたりがよく使われ、今なお大人気の人物ですが、少なくとも三国志演義などで描かれている諸葛孔明はいろいろな陰謀をめぐらして戦局を有利に推移させていった軍師です。なお、史実として認められている史書の類では、優れた政治家としての色彩が強く、そもそも諸葛亮自身そうまでよく分かっている人物とも言い難い面もあります。何せ、日本で言ったら卑弥呼の時代の人物ですからね。 たぶん、昨
2008年11月15日 愚かなる「深読み」 カテゴリ:その他雑考 世の中には、深読みをする人がいます。 無論、「読みが鋭いこと」自体は、決して悪いことではありません。社会を生きていくうえで、先を読むことは大切です。私も、どこまでも先を読めるようになりたいと思ったことは何度もあります。 碁を打っていれば、盤上の着手の読みは勿論のこと、打った手から相手が今何を考えているのかまで読んでしまいます。囲碁と言うゲームを人間が究め尽くしていないが故に、そういった心理戦の要素も出てきます。 まして社会のあり方が極めつくされることなどたとえ囲碁が極めつくされようとありえないのですから、そういった読みが自分を守るために必要になってくることはあります。深読みをして、それが的中した場合に備え、身を守っておくことが必要になるケースは多々あることと思いますし、深読み能力はぜひともほしい能力です。 また、深読みが的中
2008年10月13日 どんどん見放されるネット世論 (9) カテゴリ:カテゴリ未分類 光市母子殺害事件、懲戒請求の扇動をめぐる地裁判決後、ネット世論の動きを見ていました。 一部の懲戒請求支持派閥は、なお意気軒昂でした。多くの人が手間をかけて懲戒請求したというのに、それを考慮しないというのか、などと、橋下氏がたかじん委員会で言っていた発言とよく似たことを言っている人が主流だったでしょうか。判決が不当だ、あの裁判官を懲戒する方法はないのか、などと書いている人間もいました。 しかし、橋下氏の口の軽さと言う視点に批判を向けた者も少なくなく、特に弁護士として基本的なところが分かっていないと指弾されたも同然の判決文で、橋下氏に対して冷たい目線を向ける人間も相当数に上っていました。 もし橋下氏が府知事でなかったら、逆に彼に対してのバッシングが起こり、彼は仕事を相当程度失ったと想像されます。 すでによそ
2008年10月04日 判決文の要約&補足です。 (1) カテゴリ:カテゴリ未分類 橋下氏vs光市事件弁護団訴訟の判決は、pdfファイルですが、弁護団の広報ページから見に行くことができます。ここをどうぞ。 橋下氏は、非を認めつつも控訴とのこと。しおらしさは安心した一方、意外でした。 それでも控訴と言うのは、一審と全く同じ理屈をそのまま出すのでしょうか?確かに高裁や最高裁の最高の?判断を聞いてみたい気もしないことはないのですが、外野の無責任な感想だよなと思っていたら橋下氏自身が言い出すとは。 いろんな人に謝ったのも字面通りに見れば評価できるかもしれませんが、橋下氏は彼の言葉に応じたと裁判で認定された一般懲戒請求者をどう思っているんですか?とも。 今枝弁護士は、暴走気味の言動が目立ったので不安でしたが、判決後の会見などで話していた内容は私の知る限りでは穏当なものでした。取下げ発言からすれば、橋
2008年10月02日 橋下氏よ、この落とし前いかにつけるおつもりか (27) テーマ:ニュース(99946) カテゴリ:カテゴリ未分類 さて、弁護団勝訴判決です。ソースはこちら。 認容損害額は200万円と言うことです。名ばかりの損害賠償を認めたなどとは言えず、かなりの部分で損害を支払わされているとみてよいでしょう。 昨日は、モトケン先生のブログのかつてのコメント欄の議論の応酬を一通り目を通していました。また、橋下氏のブログも一応・・・と思っていたらなんと記事は消滅。知事になって以降見てなかったせいもあるけど。 さて、判決の方ですが、例えば因果関係がない(個々の懲戒請求者が勝手にやったこととか、弁護士としては私怨ではなく社会的問題意識のある懲戒請求は最高裁判例の射程外で甘受すべき)などという形で請求棄却という道筋もないわけではなかったでしょうし、棄却の理由(特に新事実が見つかったわけでもな
2008年08月20日 医療過誤の刑事責任追及の虚しさ (1) テーマ:ニュース(99945) カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える 福島・大野病院における帝王切開死亡事件について、福島地裁は無罪判決を下しました。私が大学を卒業する前に騒動が巻き起こり、大学院を卒業してから判決…判決を下すに際しては科学的な問題が多く、裁判の長期化が予想される事件とはいえ、2年を超える一審判決は、長いものですね。 人の死亡している事件だけに、めでたいなどとは言えません。亡くなられた女性には、改めてご冥福をお祈りしたいと思います。ただ、それでもこの判決を受けてほっとした人も、がくっと来た人も決して少なくないのではないかと思います。 医療に関することはわからないので、判決の当否にわたるような論評は保留しておきますが、私が思うことは、「この裁判においてはだれ一人として幸せになっている、あるいは不幸から回復してい
2008年04月23日 弁護団を非難する皆さんに質問します。 (57) カテゴリ:カテゴリ未分類 判決を受けて弁護団を批判する人が現れたので、今回の判決を受けての話でもいいですが、本件の弁護方針策定の当時において、弁護団はどうすればよかったのでしょう? 条件は以下の 「被告人は、現実にドラえもんや魔界転生、殺意なしなどの話をしており、どうやら本気のようである」 「無期懲役以下の判決が取れるだけのより合理的な主張は見当たらない」 と言う点だけです。 なお、一つだけ、あらかじめ答えを出しておきます。 一、弁護人を辞める(引き受けない)べき →弁護人は、好き勝手にやめることはできません。被告人に不利な形で辞めてしまえば懲戒処分の対象になりえます。また、辞めた後は国選弁護人がつけられますが、彼は裁判所の許可を取らないと辞められませんし、裁判所がそれを無制限に認めるとは考えられない(結局弁護人がいな
2008年04月22日 死刑判決を受けて~マタイ受難曲を聴きながら~ (17) テーマ:ニュース(99648) カテゴリ:カテゴリ未分類 私が聴いているマタイ受難曲は、ジョン・エリオット・ガーディナー指揮のものとカール・リヒター指揮のものです。(ちなみに、ニコ動画やyoutubeにアップされている冒頭の初音ミクバージョンも割と気に入っています) 意図していたつもりはありませんが、考えてみればこれは「死刑」の曲でもあるわけですね。前々から愛聴曲でしたが、今日はいつになく沈痛に聞こえます。 判決は、大方の(「私の」とは言いません)予想通り、ということになりました。 「死刑判決」の報がほぼ確定に私のところに入ったのは、私の持つパソコンの時計で12時2分でした。 私は、穏やかに寝過ごして、目が覚めたら判決が出ていた・・・となることをホンネでは望んでいたかもしれません。ただ、そうなれば判決がどちらで
2008年04月12日 自衛官宿舎ビラ配り事件有罪判決の感想 (5) カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える まあ、憲法・刑法においては重要な判例となることが予想されますので、とりあえず読んでみました。判決文はこれ。 結論的には、最高裁の判断が不当である、とは私には考えにくいものがあります。 住居侵入罪における「人の看守する邸宅」の定義該当性は、最高裁も比較的こまごまと検討を加えています。(もっとも、「住居」「看守邸宅」「看守建造物」の区別はそんなに重要なものだ、とも思っていないのですが)その上で、建物を人の看守する邸宅に当たる、としたわけですね。 宿舎の個別部分は「住居」に該当すると思われますが、その他の部分は看守する邸宅、と考えたものと思われます。 その上で、管理権者の意思に反する立ち入りが「侵入」に当たるという定義の下、意思に反していたことは明らかであるとして、侵入罪の成立を認める…
2007年03月13日 「それでもボクはやってない」批判的な検討(ネタバレあり) (3) テーマ:映画館で観た映画(8523) カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える 結論を言えば、予想よりはまあよかったかな?という感じであろうか。公開ももう終わりに近かったが、結構人はたくさんいた。 私は、そもそも映画なんて怪獣もの以外めったに見ないし、映画その他のネタバレにあんまり拒絶反応がないから、映画を見る前にネット上で大まかなストーリーも、評判も知った上で行った。そのことを前提に、この評論をお読みいただきたい。 周防監督が自身のブログでTBを募集していたのでTBしようと思ったのだが、ネタバレが禁止であるので断念。公開期間が終わったら解除されるかもしれないのでそれを待ってみることにする。また、核心部分のネタバレに当たると判断したところはかくすことにしたので、反転してお読みいただきたい。 先に言ってお
2008年03月01日 映画「それでもボクはやってない」地上波登場に寄せて (29) カテゴリ:その他雑考 ついに、地上波登場ですか。 ネタバレは致しませんので、ぜひ映画を見る前に読んでいただきたいな、と思います。ネタバレ込みの感想は以前書きましたので、ネタバレでもかまわないと言う方はこちらとこちらからどうぞ。 この映画は、名作と言ってよいでしょう。個人的に不満な部分があるといってしまえばそれまでですが、それを含めても現状の問題点に深く切り込んだ作品であると私は思います。 周防監督は映画のためだけ、と言うわけではないかもしれませんが、法廷傍聴などを繰り返し、痴漢冤罪の問題を深く研究してきたようです。それを生かしたと言うことだけあって、その法的考証の評価は実務家からも高いと言います。私自身、法廷で見たことのない手続がこんな感じだったのかと知ることができました。 しかし、です。どんな映画も、見
2008年02月08日 久々に光市事件のことを書きます。 (7) カテゴリ:カテゴリ未分類 判決(4月22日)まで後2ヵ月半ですね。ちなみに、光市事件の後、1月に結審した秋田の2児殺害事件の判決は3月だそうです。これを見て何か感じる人はいないのでしょうか。 さて、勝谷誠彦氏が、倖田來未氏の発言を巡るバッシングについて、大騒ぎをしているようです。 確かに、つまらないバッシングをあおるような輩は後を絶ちません。その意味では、勝谷氏の見解は一つの立派な考え方といえるのかもしれません。倖田來未氏の発言を彼が弁護しているわけではなく、謝れば済むだろうといっていることからすれば、彼が発言を容認しているかのようなネットの見解には、賛同することはできません。 しかし、私がこの発言に怒りを覚えるのは、勝谷氏が光市事件弁護団バッシングで何をやったかと言うことです。 彼は、あの「たかじんのそこまで言って委員会」
2008年01月13日 「逃げ得」説の流布は許されない犯罪助長行為である! (8) カテゴリ:事件・裁判から法制度を考える どこに行っても、飲酒運転の逃げ得を認めたような判決だと騒ぐ人たちが出る福岡の飲酒運転3児死亡事故の判決。 判決文全体に目を通さないで判決をどう、ということは私は言うつもりはありませんが(まともな法律家はコメントするにしてもその辺は留保がつきます)、マスコミに出ていた情報からでも、そんなに変な認定ではないのではという説は非法律家からも上がっています。事件について批判的にコメントしていた某弁護士(まああの人なんだろうなと言うのは分かりますが)は酒気帯びや酒酔いの弁護をやったことがないんじゃないかと言い放ったキャリア法律家もいました。 いずれにしても、逃げ得説を振りまく人たちこそ、かえって逃走を助長しているということには、彼らは感づいていないのでしょうか。 隠滅して逃げるの
2024年06月12日 保護司の安全対策について カテゴリ:弁護士としての経験から 保護司の方が、保護観察対象者に殺害されたというニュースが世間を騒がせています。 被疑者は否認しているそうですし、事件の真相解明については捜査機関に任せるとしますが、保護司の方の安全性の確保というのは、実は弁護士の仕事などとも共通する問題があるので一筆書かせて頂きます。 弁護士が法律相談などをする場合にも、結構ヤバイ相談者というのはいます。 相談すれば自分が救済されて当たり前だと考えていて、厳しい見通しを伝えると弁護士に向かって暴言を吐いたり、酷いと暴力をふるう……そう言うタイプの人は残念ながらいるものなのです。 自分の相談に乗って助けてくれる弁護士なんだから弁護士が言いさえすればヘコヘコ言うことを聞くんじゃないの?と思っているなら、それは大きな勘違いです。 司法関係では、裁判所…特に家庭裁判所もかなりヤバイ
2007年11月28日 テンプレート懲戒請求者に厳しい判断です(追記あり) (10) テーマ:ニュース(99936) カテゴリ:カテゴリ未分類 碁を打っているとき、石を攻めているときの方が怖いと言うことがあります。むしろ、強い人ほど攻めるのを恐れ、攻められるのを喜ぶかもしれません。別にマゾヒストなのではなく、相手を攻めていれば調子がいいように見えて気分も高揚してきますが、攻め損なえば利得はないばかりかかえって強烈な逆襲を受けるということが少なくないためです。 懲戒請求も、攻めている間は威勢が良かったかもしれませんが、攻め損ないということになったときに受ける反撃は考えておくべきことです。 いよいよ懲戒請求に対して、東京弁護士会の綱紀委員会から通知が届きました。攻め損ないの結果が明らかになってきたと言うわけです。 弁護団に目をつけられる危険を冒して日弁連に異議を申し立てる信念の人(?)がいるか
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