ライトノベル研究会のブログでヤングアダルト小説の話を延々と続けるのも問題なので、そろそろ終わりにしましょう。 一連の話は「ライトノベル翻訳がアメリカで苦戦したのは、ヤングアダルト小説の市場がすでにアメリカで確立していたから」という説を検証するためには、実際のヤングアダルト小説を読んでみなければならないだろうというところから始まりました。その結果、それなりに楽しい世界が広がっていたことは確認できたのですが、このヤングアダルト小説というのは、アメリカの他の文化に対してどういう位置付けなんでしょうか? 今回紹介するのは、長谷川町蔵・山崎まどか『ヤング・アダルトU.S.A. –ポップカルチャーが描くアメリカの思春期』(DU Books, 2015)という本です。この著者達は『ハイスクールU.S.A. 〜アメリカ学園映画のすべて〜』(2006)という前著で「学園映画」というくくりでアメリカ映画のあれ