藤田に詞を任せ、バンド当初は中学時代から慣れ親しんできたギターを使って曲を作り、模索を始めた。コードを弾きながらの制作だったが、ボビー・コールドウェルの曲は、当時の知識では書けない曲ばかりと感じた。そこでキーボードを購入。これが変化をもたらした。 「鍵盤を押さえていけば、自分の中から出てくるメロディを再現できるんです。同じ和音でも、ベース音を変えれば聞こえ方も変わる。それがSLTの音楽の原点となり、最初のアルバムの曲の半分以上はその作り方でした。当時はコードを知らないコンプレックスもあったんですが」 佐藤の幼馴染だったギターの西村智彦を加え、SLTとなった3人のファーストアルバム「TRY AND TRY AGAIN」の制作時、スタジオミュージシャンから、コードを知らずに作るやり方を変えない方がいいとアドバイスされた。コードを知っていれば便利だが、知識があればある程度、理論に沿った形になりが