大阪市淀川区などで人気ラーメン店「桐麺」を経営していた桐谷尚幸さん(41)が加西市北条町に移住し、同名の新店をオープンした。9年かけて築いた3店舗を閉じ、3人の弟子に別れを告げての再出発。すべてをリセットし、縁もゆかりもない加西市に店を開いたのはなぜ? 移住を決意した理由と、新生・桐麺の売りを聞いてみた。(伊田雄馬) 体重約140キロの巨漢だが、表情は常にニコニコ。毎朝5キロ散歩する姿はよく目立ち、すでにかなりの住民から認知されている。下校中の小学生からあいさつされるとうれしげに返し、「大阪だったら、声かけるだけで不審者扱い。こっちはいいっすね」と笑う。 妻の知子さん(40)と2014年、淀川区に同店をオープン。当初はしょうゆ、みそ、塩のオーソドックスなメニューだった。爆発的な人気を集めるきっかけは、3年ほど前に夏季限定メニューとして開発した「冷やし桐玉」だった。 「釜玉うどんにヒントを得