京都市営地下鉄烏丸線の全15駅で2030年度までに、転落防止用の可動式ホーム柵が設置されことになった。烏丸線4駅(北大路、烏丸御池、四条、京都)ではすでに導入済みで、乗客は安全に、スムーズに乗り降りするのが日常の風景となっている。ただ、この日常は運転士たちが「職人芸」で支え、ホーム柵が全駅に整備されると、より運転士たちの技量が問われることになるといった事情はあまり知られていない。京都市の財政難という裏事情もからむ中、ホーム柵の現場を訪ねた。 1月中旬の朝。多くの通勤客らが待つ市営地下鉄の京都駅。ホームに電車が滑り込み静かに停車すると、電車の扉が開くのとほぼ同時に、ホーム柵が開いた。もはや当たり前の光景だが、市交通局高速鉄道部の運転士は「実は…」と、柵の仕組みを話し始めた。 烏丸線の4駅に設けられているホーム柵は、