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近年、持続的な農業生産技術が求められている中、農林業害虫の防除技術として、振動による害虫の行動制御技術が国内外において注目されている。 振動はトマト、シイタケなどにおいて新たな害虫防除技術として利用できるとともに、さらに収量アップにもつながる持続可能な安定栽培に貢献できる。 今後、振動農業技術の実証と改良を続けて、2025年度以降にトマト栽培用の振動発生装置の市販化を進める予定である。 害虫の薬剤抵抗性の発達、環境に与える負荷、有機栽培や減農薬作物のニーズの高まりなどから、化学農薬のみに頼らない新たな害虫防除技術の確立が急務となっています。そこで九州大学大学院理学研究院、国立研究開発法人森林研究・整備機構森林総合研究所、宮城県農業・園芸総合研究所、東北特殊鋼株式会社、電気通信大学大学院情報理工学研究科、琉球大学農学部、国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構(農研機構)の研究チームは
近年、日本全国でシカの個体数が増加し、森林では高強度な植生採食によって下層植生(※1)の衰退、不嗜好性植物の増加、裸地化など様々な森林構造の変化が生じています。 九州大学宮崎演習林(椎葉村)の山岳林において、高強度のシカ採食によって森林構造が変化した林分で炭素の蓄積量を計測したところ、シカ採食の影響を受けない林分に比べ炭素蓄積量(※2)が最大で約半減することが明らかになりました。 本研究成果は日本の森林で深刻化するシカの植生採食が、森林の二酸化炭素の貯留機能を劣化させることを初めて示しました。本研究は、将来の気候変動を緩和させるためにもシカの食害対策が重要であることを示しています。 森林生態系は二酸化炭素の吸収し、蓄えることで気候変動緩和に貢献することが期待されています。しかし、日本の多くの天然林では現在、個体数の増加したニホンジカの植生採食が深刻化しており、下層植生の減少や不嗜好性植物へ
カメムシに寄生するハエの新生態解明。将来的なカメムシ防除利用にも期待 比較社会文化研究院 舘 卓司 准教授 2024.05.07 呼吸は重要な生命活動であり、呼吸戦略は生物の生息環境と密接に関係しています。そのため、呼吸戦略を研究することで生物の生態や進化プロセスをより深く理解できます。 本研究では、カメムシに寄生するヤドリバエの幼虫が、カメムシの体内で呼吸するために自身のフンを固めてシュノーケルを作り、呼吸していることを明らかにしました。この“フン製シュノーケル”はカメムシ寄生の種を中心に複数のヤドリバエで確認されました。 ヤドリバエの仲間は寄生したホストを最終的に殺してしまうため、農業害虫の密度を抑える働きをしていると考えられています。本研究のように彼らの生態を解明し知見を蓄積することは、ヤドリバエを用いた農業害虫の管理法確立に繋がると期待されます。 多くの生物にとって呼吸は最も重要な
九州大学大学文書館は、日本の科学技術論を牽引し、原子力政策にも深くかかわった故・吉岡斉氏が所蔵していた図書と紙の文書類、電子ファイルからなる資料群「吉岡斉資料」を保管しております。図書につきましては、既に目録を作成し公開しておりますが、その他の紙の文書類と電子ファイルについても現在整理作業を進め、2024年秋をめどに公開を開始する予定となりました。 吉岡氏が2018年に逝去された後、所蔵していた図書・文書等は一度早稲田大学の綾部広則教授と下関市立大学の川野祐二教授が引き取り、仮整理と紙の文書類のPDF化が行われました。その後、2020年に九州大学大学文書館が寄贈を受け、同年より九州大学社会運動資料研究会を立ち上げました。十数名のボランティアと大学文書館職員によって資料目録の作成作業が開始され、図書については2022年に目録が完成しました。書庫を完備し、「吉岡斉科学技術史文庫」としてすでに公
理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センター核反応研究部の上坂友洋部長、多種粒子測定装置開発チームの大津秀暁チームリーダー、中国科学院近代物理研究所のペンジー・リー研究員、パリ・サクレー大学イレーヌ・ジョリオ・キュリー研究所のディディエ・ボーメル上級研究員、香港大学のジェニー・リー教授、京都大学理学部の銭廣十三准教授、金田佳子准教授、九州大学大学院理学研究院の緒方一介教授らの国際共同研究グループは、理研の重イオン[1]加速器施設「RIビームファクトリー(RIBF)[2]」の多種粒子測定装置「SAMURAIスペクトロメータ[3]」を用いて、不安定なベリリウム−10(10Be、原子番号4)原子核の基底状態[4]では、アルファ粒子二つと中性子二つが窒素分子のように結合していることを発見しました。 本研究成果は、元素合成過程の理解に大きな影響を与える、原子核内でのアルファ粒子生成機構解明に貢献す
九州大学の教育における生成AIの利活用に関する基本姿勢 令和5年8月23日 未来人材育成機構 副機構長 教育担当理事 園田 佳巨 教育における生成AIの利活用に関しては、令和5(2023)年4月10日に、「第1報」として学生向け全学指針を示したところです。 その後、全学的に、教育における生成AIの利活用についての検討を続けてきておりますが、令和5年7月、文部科学省よりガイドラインが示されたことも踏まえ、本学の教育における生成AIの利活用に関する基本姿勢を、以下のとおりお知らせします。 なお、本文書において、「生成AI」とは、「質問・作業指示(プロンプト入力)等に応えて文章・画像等を生成するAI」を指します。令和5年8月現在、ChatGPT、Bing AI、Bard、Stable Diffusion、Midjourneyなどのサービスが提供されています。 1.本学の基本姿勢 九州大学は、教
本学では、データ駆動イノベーション推進本部に業務DX推進部門(情報システム部、総務部総務課で構成)を本年5月1日付けで設置し、デジタル技術を活用した業務プロセスの見直しによる効率化はもとより、教員の研究時間確保、学生サービスの向上に貢献することを目的とし、学内公募による68名の参加者により業務DX推進プロジェクトを実施しています。 プロジェクトの開始にあたり、業務DX推進部門主催により、6月13日にオリエンテーションを実施後、6月23日に「業務DX推進プロジェクトワークショップ」を開催しました。ワークショップでは、遠藤佑総務課長より「業務プロセスの改善に向けて~どのように業務の在り方をデザインするか?~」のテーマによる講演の後、参加者が各々実施したいと考えている業務改善を発表し、お互いの意識を共有した上で、それらの業務改善をしていくために重要なことを話し合うグループワークを行いました。職位
ツクツクボウシの鳴き声のパターンが途中で変化するという現象は、世界的に⾒ても極めて珍しいが、途中で変化する鳴き声の⾏動⽣態学的意義については不明であった。 ツクツクボウシのオスに「オーシンツクツク」パートと「ツクリヨーシ」パートを単独で聞かせた時、それぞれのパートに対する応答の頻度が異なることを⾒出し、これらのパートがオスの異なる反応を誘発することを初めて明らかにした。 今後はツクツクボウシにおける⾳声コミュニケーションの実態解明に向け、鳴き声に対するメスの応答や交尾の成功率なども調べていく必要がある。 セミはオスのみが鳴き声を発する動物であり、その鳴き声をオス同⼠の競争やメスに対するアピールに⽤いていると考えられています。この中でもツクツクボウシというセミは、その鳴き声のパターンが「オーシンツクツク」から「ツクリヨーシ」へと途中で変化するという、極めて珍しい特性を持っています。⼀⽅で、鳴
福島の旧避難区域への帰還のためには、安全性に関する情報、特に建物内部におけるセシウムの分布と存在状態に関する情報をできる限り示す必要がある。 原発に最も近い、現在閉鎖されている小学校の内部には高濃度放射性セシウム含有微粒子が最大で1平米あたり2400個以上残留していることを発見。 今後、建物内部における高濃度放射性セシウム含有微粒子の分布を把握、理解した上でより安心できる帰還につながることを期待。 事故後12年経過し、除染等により環境中の放射能は大幅に低減してきたことから、帰還困難区域の一部解除が施行されてきています。現在残っている環境中の放射能は主に半減期が約30年のセシウム137によるもので、私たちの周辺や屋内においてその存在状態、分布を正しく知ることは、帰還をより安全なものにするために欠かせません。一方で通常は環境中に低い濃度で存在しているこの放射性セシウムが高濃度に濃集する直径数ミ
令和5年3月10日、佐賀県鳥栖市において大学生が殺人の容疑で逮捕されたとの報道を受け、確認をした結果、本学の学生と判明しました。 本学の学生がこのような重大事件で逮捕されたことは誠に遺憾であり、大変重く受け止めております。 亡くなられた被害者の方のご冥福をお祈りいたしますとともに、関係者の皆様に多大なご迷惑とご心配をおかけしますことを深くお詫び申し上げます。 現在、警察による捜査が進められており、事実関係については確認中です。 今後、事実関係の確認を進め、詳細を把握のうえ、厳正に対処いたします。 令和5年3月10日 九州大学総長 石橋 達朗
令和4年12月7日 九 州 大 学 博士学位授与の取消について 九州大学が平成27年5月31日付けで授与した博士(比較社会文化)の学位授与の取消しについて、下記のとおり公表します。 記 1.対象者等 氏名:李 慧(り けい) (元九州大学大学院比較社会文化学府博士後期課程 学生) 学位授与年月日:平成27年5月31日 学位名:博士(比較社会文化) 2.学位論文題目 日本語・中国語における仮定表現の対照研究 -日本語の「たら」「なら」とそれに対応する中国語の形式を中心にして- 3.学位授与の取消し日 令和4年12月7日 4.不正の事実により学位の授与を受けた事実の概要 別紙のとおり 5.学位授与の取消し及び学位記の返還 博士の学位取得のために提出された論文について不正行為があったことから、九州大学学位規則第27条第1項「不正の方法により学位の授与を受けた事実が判明したとき」に該当す
常温・常圧の温和な反応条件下で、可視光をエネルギー源とした、窒素ガスからアンモニアを合成する世界初の反応の開発に成功した。 イリジウム光酸化還元触媒とモリブデン触媒を組み合わせて用いて、窒素ガスと水素供与体を可視光照射下で反応させることでアンモニア合成反応が進行することを発見した。 本研究成果は、再生可能エネルギーである可視光エネルギーをエネルギーキャリアとして期待されるアンモニアに貯蔵することが可能であることを示した極めて興味深いものである。 アンモニア(注1)は、取り扱いの容易さ、高いエネルギー密度、燃焼しても二酸化炭素を排出しないことから最近ゼロエミッション燃料およびエネルギーキャリアとして有望視されている。しかしながら、現状のアンモニア合成法では、窒素ガスと水素ガスとを高温高圧の極めて厳しい条件下、鉄系触媒を利用して反応させることでアンモニアを合成している(図1a、ハーバー・ボッシ
量子コンピュータの実現には、量子状態を破壊するノイズの起源を解明する必要がある。 超伝導ジョセフソン接合(※1)内に存在する水素が、超伝導体中の準粒子による干渉を誘起し、超伝導電流に対するノイズになることを初めて観測 量子コンピュータを実現する上で鍵を握る高性能の超伝導量子素子の開発につながると期待 量子コンピュータの開発に世界中がしのぎを削っていますが、この実用化に向けた最重要課題の1つは、演算過程において量子状態をできるだけ長時間維持することにあります。何らかの原因で量子状態が破壊されると素子のエラー頻出、プログラムの複雑化など様々な問題が起こります。この量子状態を破壊する要因として素子に付着あるいは侵入した水素が誘起するノイズが指摘されていました。水素は最も存在比の高い元素である上に強い反応性や量子性を示すため、素子製造工程で混入した水素が金属表面で原子に解離、原子状水素として表面に
本来の生息地から外れた場所で見つかり、在来の個体群に影響を与える可能性もある「迷チョウ」のルーツを解明することは、生態学や島嶼生物学において大きな意義を持ちます。 本研究では、宮古島で発見された迷チョウのルーツを初めて遺伝情報と形態情報に基づき科学的かつ客観的に示しました。 種数が多く同定も難しい昆虫では、既存の遺伝情報を有効活用するために分類学的知見からの‘校正’が必要であり、この新たな役割とともに分類学の重要性は再び高まってきています。 台風や季節風などの影響によって本来の生息地とは異なる場所で発見されるチョウは「迷チョウ」と呼ばれ、日本列島ではこれまでに100種以上の迷チョウが記録されています。迷チョウは侵入先に定着したり在来種と交雑したりすることで生態系に影響を与える可能性があるため、そのルーツ(原産地)を明らかにすることは重要です。 今回、九州大学大学院比較社会文化研究院/農学研
生物標本の維持管理には多大なコストが必要で、かつ標本の劣化は免れない 世界に先駆けてデジタル化された生物標本の3Dモデルを1400点以上オンライン公開 メタバースやバーチャルリアリティへの応用・利用が期待される 生物標本は生物を研究する上で重要な役割を担っており、博物館等で保管されています。しかしその管理は煩雑で、くわえて標本の劣化や退色は免れられません。また、多くの重要標本は厳重に管理されますが、それが故にアクセスが困難で、結局あまり利用されないといったジレンマも抱えています。 本研究ではフォトグラメトリ(被写体を様々な角度から複数撮影することで3Dモデルを構築する手法)により、生鮮時のカラフルな状態での生物標本を3Dモデル化し、オンラインで公開しました。(公開ページはこちら) 九州大学持続可能な社会のための決断科学センターの鹿野雄一特任准教授は世界に先駆けて、独自かつシンプルなフォトグ
物理学最大の未解決問題「量子重力」の実験的検証を目指す理論を構築 重力の実在性の破れを検証する方法を世界で初めて提案 量子技術を用いた量子重力の新しい研究分野の創出に期待 従来、重力と量子力学を統一する量子重力の研究は、超弦理論を中心とする理論研究により進められてきました。未完であるこのアプローチの難しさは、理論と実験が結びつきにくい点にあります。重力と量子力学の融合に関して、重力が量子力学に従うかどうかさえわかっていません。2020年にノーベル物理学賞を受賞したペンローズは、重力が量子力学に従わない可能性を指摘しています。重力が量子力学の枠組みに従うかどうかという「重力の量子性」は、量子重力の出発点となる問いですが、全く確かめられておらず、検証が必要です。 今回の研究は、量子力学の性質として知られる「実在性の破れ」を重力が示すかどうか確かめる方法を初めて提案し、また、実験による実証の可能
このたび、九州大学附属図書館では、ソウル大学校図書館とのドキュメントデリバリーに関する協力協定を締結しました。この協定により、本学に所属する研究者は、ソウル大学校中央図書館の所蔵資料のコピーを本学中央図書館に無償で一定の件数取り寄せることができます。同様に、ソウル大学校に所属する研究者も、同校中央図書館を通じて本学中央図書館の所蔵資料のコピーを取り寄せることができます。 これまで、日韓の大学図書館間のドキュメントデリバリーは、日本側の国立情報学研究所および韓国側の韓国教育学術情報院のシステムを相互に結んで、実施されていました。しかし、この両国のシステム間接続は、2022年3月に運用コストの面等から全国的に廃止となりました。そこで、附属図書館では、職員交流等を行ってきたこれまでの信頼関係を活かし、個別にソウル大学校図書館と新たなドキュメントデリバリーの協力関係を結んだものです。 今後も、ソウ
血しょうメタボローム解析(注1)によって、ひきこもり者の血中では、健常者よりオルニチンと長鎖アシルカルニチンが増加、及びビリルビンとアルギニンが低下することを発見。 男性のひきこもり者において、血清アルギナーゼが有意に増加していることを発見。 血液成分と臨床検査値の情報に基づく機械学習アルゴリズムを作成したところ、ひきこもり者と健常者を高い精度で識別し、また、ひきこもり尺度の重症化予測が可能に。 社会的ひきこもりは6ヶ月以上自宅にとどまり続ける状態であり、ひきこもり状況にある人(以下、ひきこもり者)は国内110万人を越えると推定され、その予防法・支援・治療法の確立は国家的急務です。九州大学病院では世界初のひきこもり研究外来を立ち上げており、ひきこもりの生物・心理・社会的理解に基づく支援法開発をすすめています。 今回、日本医療研究開発機構 (AMED)等の支援により、九州大学病院検査部の瀬戸
日本における男女格差の原因は何でしょうか?日本は、国際的なジェンダーギャップランキングにおいて、先進国の中で最低レベルの結果であり、ジェンダー不平等の解消のために様々な施策が講じられています。しかし不平等の背景にある人々の意識についてはあまり明らかにされておりませんでした。 九州大学大学院経済学研究院の室賀貴穂講師とDartmouth College政治学部のCharles Crabtree助教授の研究グループは、人々のジェンダーに関する意識を解明するために、新しい測定尺度である「性別役割尺度(Gender Role Scale; GRS)」を開発しました。この性別役割尺度は、性別役割意識に関する8つの質問に対する回答結果から作成されます。これまでの性別役割意識に関する調査では質問されてこなかった、女性の就業選択と結婚選択のトレードオフに関する質問を使用することにより、より頑健な尺度となる
近年の自動車への環境対策は自動車走行時の排出削減(例:排ガス規制、CAFE基準規制、HVやEVの利用促進)に焦点が当てられています。しかしながら政策決定者は製品使用時だけでなくライフサイクル全体での環境負荷削減に注力しなくてはなりません。 九州大学大学院経済学研究院の加河茂美主幹教授および大分大学経済学部の中本裕哉講師の研究グループは、「自動車の耐久性」と「新車と中古車の買い替え行動」の変化が自動車のストックとフロー、およびカーボンフットプリント(※1)に与える影響を明らかにしました。 自動車の寿命は、製造から廃棄までの生存期間に関する物理的寿命と、購入から買い替えまでの保有期間に関する経済的寿命があります。本研究ではこの2つの寿命分布を組み合わせることで、自動車の耐久性と新車・中古車の買い替え行動を組み込んだ包括的なカーボンフットプリントの分析のモデルを開発しました。さらに、日本の乗用車
九州大学大学院医学研究院呼吸器内科学分野の松元幸一郎准教授、九州大学病院の神尾敬子医員、山本宜男医員らの研究グループは、線香の煙を吸入すると気道が収縮しやすくなり、気道を覆う上皮のバリア機能が低下することで、喘息を悪化させる可能性があることを明らかにしました。 線香はアジアや中東の多くの国で、宗教的行事や香りを楽しむものとして慣習的に使用されています。線香を燃やすと多くの有害物質が発生し、タバコの燃焼時よりも高濃度のPM2.5が室内に長時間浮遊することが知られています。また最近の臨床研究で、線香を日常的に使用する家庭の子供は、使用しない家庭と比べて喘息のリスクが高く、肺機能も低下しやすくなることが報告されています。しかし、線香煙の吸入が、肺や気道の機能にどのように影響するのかは不明でした。 本研究では、マウスに線香煙を吸入させると、気道過敏性が亢進(気道が収縮し喘息をおこしやすくなる)し、
九州大学大学院理学研究院のキム・クァンス(Kwangsu Kim)特任助教、岩見真吾准教授は、米国インディアナ大学公衆衛生大学院の江島啓介助教らとの共同研究により、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する抗ウイルス薬剤治療が他のコロナウイルス感染症と比較して困難である理由の1つを解明しました。数理科学を駆使した今回の解析結果は、今後の臨床結果と比較することで検証を行い、データ解析の精度をさらに向上させます。 一般的に細胞から上気道(鼻・咽頭・喉頭)へ排出されるウイルス量がピークを迎える前に、ウイルス複製阻害薬剤の投与を開始することが、体内のウイルス排出量を減少させるために重要であることは、インフルエンザなどの臨床試験からも知られています。 研究グループは、COVID-19に加えて、過去に流行した中東呼吸器症候群(MERS)および重症急性呼吸器症候群(SARS)の臨床試験データを
クチキゴキブリは日本では九州以南の森林に生息し、朽木を食べながら朽木内部に掘ったトンネルの中に親子で棲むゴキブリです。九州大学大学院システム生命科学府 一貫制博士課程4年 大崎遥花と、九州大学大学院理学研究院 粕谷英一 准教授は、沖縄に生息するリュウキュウクチキゴキブリにおいて、配偶するオスとメスが交尾の際に互いの翅をほぼ無くなるまで食い合ってしまう「翅の食い合い行動」を発見しました。 翅の食い合いは、4〜7月の繁殖期に翅のある新成虫が朽木の外に出て、配偶相手を探す時期に行われます。朽木の外に出た新成虫は飛翔して配偶相手を探し、オスとメスが出会うとお互いに翅を食べ合います。翅は再生しないため、以後、オスとメスは一生飛べなくなります。 翅の食い合いは「性的共食い」または「婚姻贈呈」と捉えることができます。性的共食いとは、カマキリのメスがオスを食べてしまうなど、配偶相手を食べて殺してしまう行
昆虫の翅にみられる巧妙な折り畳みは,非常にコンパクトでありながら一瞬で収納・展開が可能な究極の展開構造であり,様々な工学応用が期待されています.中でもハサミムシの翅は,展開状態の1/15程度と昆虫の中で最もコンパクトに折り畳み可能であることに加え,広げた状態の 形を維持する特殊なスプリング機構など興味深い機能が多数報告されています. 九州大学大学院芸術工学研究院の斉藤一哉講師は,オックスフォード大学自然史博物館の研究者らとともに,このハサミムシの翅の複雑な折り畳みパターンが極めてシンプルな幾何学的なルールで作図できることを明らかにしました.研究にはマイクロCTによる折り畳み状態の翅の3次元形状解析に加え,日本の伝統文化である折り紙の幾何学が応用されました.本研究成果は令和 2 年7月13日の週に Proceedings of the National Academy of Science
7月8日(水)、「九州大学の主要建造物25カ所を7月10日10時に爆破する」等の内容がインターネットの掲示板に書き込まれていることが判明いたしました。 現在、警察の協力のもと、学内における警備の強化を行っておりますが、学生や教職員及び本学関係者・地域の皆様の安全を第一に考え、7月10日(金)について、以下のとおり大学内への立ち入りを制限します。 ○伊都・馬出・大橋・筑紫・箱崎 (全てのキャンパス(ただし、病院を除く。)) ・教職員:7月10日(金)12:00まで立入禁止、それ以降は在宅勤務等により極力キャンパス内に立ち入らないよう留意 (本件対応その他やむを得ない事情がある者を除く。) ・学生、学外者:7月10日(金)終日立入禁止
九州大学大学院総合理工学研究院の森田太智助教と山本直嗣教授のグループは、レーザー核融合ロケットの実現に向け、株式会社IHIエアロスペース、光産業創成大学院大学、大阪大学レーザー科学研究所、広島大学、パデュー大学、明石工業高等専門学校と共同研究を開始しました。 現在、有人月・火星探査に向けた研究開発が各国で開始されています。核融合プラズマを推進材とするレーザー核融合ロケットは、他の技術と比べて圧倒的な大推力と低燃費を実現できます。そのため航行時間の大幅な短縮(火星まで約3ヶ月で到達)が可能であり、宇宙推進のゲームチェンジャーとなる技術として期待されています。一方、課題も多く、失敗を恐れず開発に果敢に挑戦するスピリッツが求められ、ムーンショットと呼ぶにふさわしい研究テーマです。 レーザー核融合ロケットの概念は40年以上前に提唱され、我々は模擬実験によって推力の発生(doi:10.1063/1.
トップページ ニュース 研究成果 世界初ヒト歯周病の歯茎で脳内老人斑成分が産生されていることが判明 〜歯周病によるアルツハイマー型認知症への関与解明の新展開〜 九州大学大学院歯学研究院の武 洲准教授と倪 軍軍(ニイ ジュンジュン)助教の研究グループは、中国吉林大学(九州大学との協定校)口腔医学院の周延民(シュウ エンミン)教授、同大学の聂 然(二ー ラン)大学院生(交換留学生)らの研究グループとの共同研究において、ヒトの歯周病の歯茎および歯周病原因菌であるジンジバリス菌(Pg菌)を全身に慢性投与したマウスの肝臓に、脳内老人斑成分であるアミロイドβ(Aβ)が産生されていることを初めて発見しました。 臨床研究により重度歯周病の罹患と認知機能低下が正相関することが報告され、Pg菌成分がアルツハイマー型認知症患者の脳内に検出されたことから、歯周病によるアルツハイマー型認知症への関与が注目を集めてい
2018年7月25日付けで健康増進法の一部を改正する法律が公布され、望まない受動喫煙の防止を図るため、学校・病院・児童福祉施設等及び行政機関などは2019年夏頃には敷地内禁煙となっております。 本学においても、敷地内全面禁煙に係るロードマップ及び敷地内全面禁煙に関する指針に基づき、2019年8月末に喫煙場所を全廃し、2019年9月1日から敷地内全面禁煙を実施しています。 本学は、当該改正法の趣旨を踏まえ、学生、教職員及び学内外関係者の受動喫煙防止に取り組むとともに、喫煙者への禁煙に関する支援も併せて行っていくこととしていますので、ご協力をお願いします。 また、喫煙者におかれましては、敷地内全面禁煙の実施についてご理解いただくとともに、本学各地区周辺の店舗やバス停等においても、受動喫煙防止に配慮いただくよう併せてお願いします。 九州大学敷地内全面禁煙 ロードマップ 九州大学における敷地内全面
洞窟にはさまざまな生物が生活しています。日本でも、ヨコエビ、ヤスデ、クモなどのほか、昆虫ではメクラチビゴミムシの仲間がよく知られています。アリ類に関しては、世界各地の洞窟から数種の記録がありましたが、多くはその後、洞窟以外からも採集され、洞窟性ではないことがわかっています。唯一、2003年にラオスで発見されたハシリハリアリ属の一種が、確実な洞窟性種と考えられています。 今回、南西諸島の沖縄島の洞窟から、日本からは初めてで、確実性の高い記録として世界で2例目となる洞窟性のアリが発見され、沖縄県在住で発見者の名嘉猛留氏と九州大学総合研究博物館の丸山宗利准教授により、新種として発表されます。新種はアシナガアリ属の一種で、ガマアシナガアリ(和名新称)Aphaenogaster gamagumayaaと名付けられました。学名は沖縄方言で「洞窟に引きこもる者」の意味です。洞窟に生活する生物の傾向として
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