奈良県立大は22日、県立自然博物館をつくる会(奈良市、解散)から預かっていた植物標本約1万点を誤って廃棄したと明らかにした。つくる会の活動を引き継いだ「奈良植物研究会」(奈良市)によると、標本には県のレッドリストですでに絶滅したと考えられる種も含まれるという。大学は同日記者会見し、「寄贈者や関係者に深くおわび申し上げる」と謝罪した。 大学や県によると、昨年10月ごろ、校舎の取り壊しに伴い残された物品を整理していた際、ロッカー内で新聞紙にくるまれた大量の変色した植物を職員が発見。職員はそれが標本と認識せず、持ち主不明のため業者に処分を依頼した。 今年3月、研究会の関係者が大学に標本の所在を確認した際に、処分したのが標本だったことが判明した。 研究会によると、標本は故・岩田重夫氏が昭和25~62年に県南部を中心に採集した「岩田コレクション」と呼ばれるもの。この標本にしか県内産の標本がないものも