Jリーグ公式試合の年間総入場者数が1200万人を初めて超え、1993年のリーグ開始以来、過去最高の数字をたたき出した。好調の裏には、顧客基盤を9つの層に分け、アプローチする層ごとに設定した精緻なマーケティング戦略がある。顧客が心を動かされやすい2つのコンセプトを設定し、それを基にした施策がファン・サポーターの心をつかんだ。 2024年、Jリーグ公式試合における年間総入場者数が1254万265人となり、これまで最多だった19年(1104万3003人)の記録を更新した。 これはビッグクラブだけの成果ではない。 明治安田Jリーグ(J1、J2、J3)をカテゴリー別に見ると、平均入場者数は前年比でJ1(107%)、J2(111%)、J3(112%)と、全てで上回った。J1が18から20クラブに増加したことで全体を押し上げただけでなく、地域に根ざしたローカル戦略の効果が実を結び、J2やJ3でも入場者数