北の達人コーポレーション社長の木下勝寿氏と、『顧客を見れば、戦略はいらない 解像度を上げるボトムアップマーケティング』(日経BP)を出版した川端康介氏による対談の後編。前編 北の達人・木下社長と語る“コンバージョン・エントリー・ポイント” ではコンバージョン・エントリー・ポイントの有効性などについて意見を交わしたが、後編では「顧客理解の誤解」や戦略と実行のバランス、A/Bテストへと話が広がった。 「誰しも反応する部分」にフォーカスする 川端康介氏(以下、川端) 競合が増えてニーズが多様化し、顧客理解の難度が上がっていると感じることはありますか? 木下勝寿氏(以下、木下) いや、それはないですね。顧客というか人って、「誰もが同じように反応する部分」と「人によって異なる部分」があるじゃないですか。この商品が売れました、この広告が当たりましたというときに、誰しも反応する部分を探って、セルフ・イン