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やる気の出し方
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今回は久しぶりに、セガ時代の昔話でもする事にしよう。 あれは1993年頃の事だったろうか。まだ私が1研(当時)の企画課に所属して、アーケードゲームを作っていた頃の事だ。以前にも書いたが、私は喫煙室に筆記用具一式を持ち込んで仕事をするのが当たり前な程の不良社員だったので、喫煙室に出入りする人間とは部署を越えて仲良くなっていたものだった。 そんな「喫煙室メンバー」の一人に、隣の部署、すなわち鈴木裕さんの下にいる若手企画マンがいた。私より1年後輩で、「企画を必要としない超プログラマ集団」と噂されていた裕さんの部署に、初めて企画として採用された切れ者――のはずなのだが、見た感じはそんな雰囲気を微塵も感じさせない、タレ目で感じの良い、悪く云えば要領の良さそうな若者だった。彼は煙草は喫わないのだが、喫煙室で日夜交わされるフリートーク(という名の「バカ話」)に参加するため、休憩の度に訪れていたのだろう。
――私、只今、修羅場の真っ最中に居ます。 14年の制作者人生の中で、生命の危険を感じるほど忙しいのは、今回で2度目です。もう2ヶ月も自宅のベッドで寝ていません。睡眠のほとんどが、机に突っ伏して細切れに数分間「気絶」するだけという極限状況。そのため、1日に数十回~数百回も夢を見ます(よりにもよって、仕事している夢を!)。それはあたかも、夢と現実(うつつ)の2つの人生を並行して生きているような感覚(錯覚)で、誇張ではなく、自分が今、寝ているのか起きているのかすらおぼつか覚束ない状態です。前号に私へのインタビューが載っていましたが、モーロー朦朧とした顔写真がその証し。 今週のメモ:これが、ゲーム業界のごく一般的な労働条件です(本当)。 ――でもね、こういう時ほど出るんですよ、「火事場の馬鹿力」的な、凄いアイデアが! さて前回、「クソゲー力(くそげー・ぢから)」について触れたところ、思わぬ反響があ
「さて、休憩前にワタシが唱えた大胆発言、『ゲームと恋愛は似ている』説を解き明かす為に、ここで1冊、ある本を紹介させていただきたいと思います。それは『やる気を生む脳科学』という本です。著書の大木幸介さんという方は、脳生理学の分野では大御所と呼ばれる先生だそうで、なるほど確かにこの本『やる気を生む脳科学』も、深い知識に裏打ちされた、面白くて為になる話が満載です。『やる気』をコントロールする方法など、お子さんをお持ちの親御さんには役に立つ話も多いので、ワタシの話とは関係なく、ぜひお読みいただきたければと思います。実は、ゲームを作る側にとっても役立つ話が多いんですねコレ(笑)。講談社ブルーバックスというシリーズの新書ですから、ちょっとした本屋さんであれば、すぐ見つけるコトが出来るかと思います。 「『やる気を生む脳科学』によれば、人間の脳味噌には『デジタル・コンピュータ的な神経』と『アナログ・コンピ
「枕営業」~性的な関係を利用して売上を伸ばす営業方法。 最近のホットな話題といえば、 アーツビジョン(声優プロダクション)の社長が 声優志望の女のコを食っちゃって逮捕された話。 それをキッカケに、2ちゃんで内実を暴露する野郎まで現れた。 真偽の程はともかく、 アイドル声優の何人もが、実は枕営業で役を得ていた… …という、なんとも青少年の夢をブチ壊す話だ。 鈴木みそサンのマンガ「銭」でも4巻あたりに描かれてたよね。 今日も、知り合いの音監と、その話で盛り上がったトコロだ。 彼の奥さん(人気声優)の名前も挙がっていて、ちとワラタwww 若手声優って、ホント食っていけない仕事だ。超過当競争。 んで、役を貰うためなら何でもします! カラダも投げ出します! ってハタチそこそこのコが本当にいる。 実際に見た。 つうか、ホントに迫られたwww 俺は、自分の作っているゲームの声優キャスティングに関して 最
昨日、7月15日はファミコンの誕生日。その日をわざわざ選んで、友人が飲み屋を新規開店させたというんで、オープニングパーティに行ってきた。場所は新宿2丁目だ。 バー「16SHOTS」 名前から判るように、ビデオゲームをモティーフにしたバー。入ってすぐの場所にはテーブル筐体が置かれ、カウンターにはATARI7800のBallblazerやらファミコンのカートリッジやらが無造作に積まれている。もちろんBGMはゲームミュージック主体だし、プロジェクターではゲーム関連のレア映像が流されている。雑誌の棚にはオールアバウトナムコやら、ガストノッチなLPやらが飾られ、トイレの替えペーパーはワギャンがくわえているし、ゴミ箱はパックマン(貯金箱の方ね)。 店主の趣味全開。 昔よくあった、「お洒落な小道具としてのゲーム」を配したバーなんぞとは一線を画した、「ガチンコのゲームバー」(店主談)だ。いやそれどころか、
「本日もまた、お忙しい中をお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。前回は、子供が何故TVゲームにハマるのか、その理由を『TVゲームは褒める装置だ』というキーワードから説明しましたトコロ、各方面から――特に、ご自分でゲームを遊ばれる方からも、思わぬほどの大きな反響をいただきまして、正直びっくりしています。しかも、そのほとんどが、『あるあるあるあるある!』…ってちょっと古いですね(笑)、まあ『納得した』という反響だったので、安心した次第です。 「あの後で、何人もの親御さんから、ゲームについて色々とご相談いただきました。…ところがですね、その大半が同じ質問ばかりなんですよ。というより、大きく分けて2つだけしかありませんでした。ひとつは、『ゲームは子供に悪影響を及ぼすのではないのか?』というご質問、もうひとつは『子供にゲームをとめさせるには、どうすればよいか?』というご質問でした。…おや
後学の為にパチンコ/パチスロの「ゲーム性」について熟考中の鶴見であるが、最近のパチ業界の状況を眺めていると、まあ何というか、考えさせられるコトが非常に多い。 「全国規模の相談機関が設立 パチンコ依存」(琉球新報) 「依存」は「魅力」の裏返し。ギャンブルは、射幸性こそが魅力であり、根本価値だ。「魅力」自体に善悪はなく、善悪の意味づけは環境によって生み出される。 日本では、パチンコ/パチスロは「ギャンブルではない」庶民の健全な娯楽だという。いくら諸外国のギャンブル産業と比肩しうる30兆円もの総売上を誇っていても、ギャンブルではないと強弁されている。ちなみに強弁しているのは、監督官庁にしてパチンコ業界の寄生虫とも揶揄される警察庁。 建前として「ギャンブルではない」のだからして、魅力の中心を為すはずの「射幸性」は、あたかも鬼子扱いだ。風適法の表現でも「客に射幸心をそそるおそれのある遊技をさせる営業
パチスロ「クラッシュ・バンディクー」のシミュレータがセガから発売されるかも!?と思って気にかけていたのだが、一向に発表される気配がない。その上、後からリリースされるパチスロ「俺の空」のシミュレータが、3月に発売になると発表されてしまった。 推測だが、権利元のユニバーサルとの契約上、クラッシュのパチスロ・シミュレータは出せないというコトなのだろう。まったくザンネンだ。 前回のエントリーでもチラッと書いたが、「クラッシュ・バンディクー」というタイトルは、マーク・サーニーがユニバーサル・インタラクティヴ・スタジオ(当時)に在籍していた時に、制作会社ノーティ・ドッグを見出して、制作をスタートさせたモノだ。 当時のコトを思い出すと感慨深い。ロス・アンゼルスはユニバーサル・スタジオの麓に位置する、旧テキサコ・ビルの一角で細々と開発していたあの頃。しばらくしてから、インソムニアックの面々が隣りの部屋で、
何度か書いているが、鶴見は『バイトヘル2000』に感銘を受けた(ハマってもいる)。ゲームの制作を生業にしている身だからして、ゲームをみる目は人並み以上に肥えていると思う。そんな鶴見が、久々に自信を持って薦められる良ゲームだ。実際、インターネット上での評判を漁っても、悪評はとんと聞こえてこない。むしろ絶賛に近い感想やら、中毒の報告やらが大勢を占めている。 だが売れていない。 いや別に、直接の関係者ではない鶴見にしてみれば、バイトヘルが売れようが売れまいが、全くどうでもいいんだけど。…でも、自分が高く評価しているゲームが売れないというのは、いくら「良いゲームが必ずしも売れるワケではない」という事実を身をもって知っている鶴見にしても、なんとも寂しいコトではある。 良ゲームなのに売れないというのは、マーケティング施策的に何らかの失敗があったというコトに違いあるまい。例えば、有名サイト「忍之閻魔帳」
トートツに思い出したんで、忘れない内に書き留めておく、ちょっとした昔話…。 16年前、鶴見は『マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー』というゲームの開発に携わっていた。企画こそマイケル本人だったとはいえ、細かいゲーム的設定は我々日本のスタッフに任されていたので、鶴見も無いアタマを絞って考えたモノだ。もちろん、全ての面においてマイケルの承認が必要だったコトは云うまでもない。 ゲームのイメージは、マイケルの原案・総指揮によって製作された映画「ムーンウォーカー」をベースにし、敵キャラは20世紀初頭のギャング&特殊部隊、敵メカもレトロ-フューチャリスティックなイメージで統一した。その方が、マイケルのモダンさが際だつという計算だ。 んでもって、「何かミニボス的なメカが欲しいよね」という話になったので、映画には出てこないメカを創作したのだが、それが今回の本題… 正式名称「チンコロボ」(ズコズコ有り)
ゲームに関する言説を「日本語で」眺めると、なんていうか、とても基礎的なトコロであーだこーだ云っている様に思えてウンザリしてしまう。舶来主義を気取っているワケではない。「Rules of Play」なんて2年前の本だろ。コスティキャンの論文に至っては、NIFTY Serve全盛の頃だから…えーと…10年以上も前の話じゃないか。しかもTRPGに関する論文だ。そういった古文書をありがたがって引用している方々というのは、本当に「ゲーム大国・日本」に今を生きている人間なのか? とか云いながら、鶴見がするのも古文書の話だったりする(笑)。今から13年前に初版が発行された「ゲームデザイン入門」(ざるの会、1992-1997)という同人誌がある。初期においては、コミケその他の同人誌即売会でしか入手できず、一種「知る人ぞ知る」…いやむしろ「知る人ぞ識る」的な冊子だったのだが、現在、リンク先に全文が再掲されて
すっかりフェードアウト組の鶴見ではあるが、流行に追いつこうとWeb2.0とゲームを関連づけるような言説を読み散らかしていたら(「発熱地帯」のこれとかこれとか、「ゲームのマボロシ」のこれとかこれとか、他にもこことか、まあここも)、なんだか妙なデジャ・ヴュにおそわれた。このコンセプトってなんだか、どこかで見たコトあるぞ。つうか、考えたコトがあるぞ。 昔々のはるか昔、SCEIのサイトが「GARAGE」という名前で手作り感バリバリだった頃、鶴見達は本業の合間にネットワークゲームの実験なんぞをやっていた。あれは1997年頃のコトだったろうか。 形になったモノ(ロドモンとか)もあったけれど、形にならなかったモノの方が多かった…マルチプレイヤー海戦交易シミュレーション「キャプテン・フネゲール」なんて、プロトタイプは公開したものの、今やググってもヒットすらしやしない。伝説の巨人族船長フネゲールが遺した財宝
「本日いらしているお母さんお父さん方は、なんでお子さんがTVゲームに『ハマる』のか、全くわからない方がほとんどだと思います。今日はその辺りについて、TVゲームを作っている側のワタシが、その仕組みについて解説させていただこうかと思っています。なにせ、子供をゲームにハマらせようと、あれこれ知恵を絞っている悪人(笑)というか張本人なワケですから、これ以上に的を射た話はないと思いますよ。それではご静聴よろしくお願い致します。 「まずお話を始める前に、ちょっと皆さんに質問をさせていただきたいと思います。よーく思い出してから答えてくださいね。――昨日、お子さんを『褒めた』という方、いらっしゃいましたら挙手願えますか?それじゃあ、もうちょっと範囲を広げて、今週、お子さんを『褒めた』という方? 「どうやら、あまり多くはないようですね。いや、なんでそんな質問をさせていただいたのかというと、実はここに、子供が
NHKスペシャル「サイボーグ技術が人類を変える」を観て、鶴見が最も衝撃を受けたのが、「脳味噌にコネクタを付けた人が既に存在する」というコトだ。 番組中では、カメラの映像を脳味噌に直接入力している盲人の方が紹介されていた。原理的には、眼鏡に付けたCCDカメラの信号を、腰に巻いているコンピュータを使って、脳の中を流れる視覚信号に変換(変調・シンセサイズ・エミュレート、どの語が適当なんだろう?)し、頭蓋骨に設置したコネクタを通じて神経に入力する、というやり方だ。 かき分けた髪の毛の間に現れるコネクタ。フィクションの世界ではお馴染みの光景だが、実際に観るとかなり衝撃的。その思いっきりにキンタマキュ~。 ちなみに、この方が見ている画像は白黒で解像度も粗いのだが、それは、このシステムを開発した研究者が開発後に逝去してしまった為だという。もしバージョンアップを続けていれば、最新の技術で今頃はカラー画像に
『テレビゲーム解釈論序説/アッサンブラージュ』(八尋茂樹)を読み了えて、根本的な疑問が湧いてきた。 「この本は一体誰に向けて書かれたんだろう」、と。 同じく最近読んだ『パックマンのゲーム学入門』(岩谷徹)ならば、よく分かる。「入門」の謳い文句に偽りなく、これはゲーム業界を志す人間に向けて書かれたモノだ(鶴見にはちょっと食い足りなかったが、良書と云える)。だが、『テレビゲーム解釈論序説』は、読み了えた今も全く判らない。 発行元の紹介文(上記リンク参照)によれば、こう書かれている。 テレビゲームファンはもちろん、テレビゲーム批評家、クリエーター、研究者にもお薦めの必読書であり、今後のテレビゲーム研究の基本文献! 『ドラクエ』がRPGの本場であるアメリカではなぜ人気が無いかを考察した日米文化の違いや、日本では許される内容でも他国では検閲の対象になるということを、比較文化論・社会論として分析してい
マイケル・ジャクソン氏の事は、皆さん御存知ですよね? 世界に名高いエンターテイナー。ビデオゲームにも造詣が深く、最近ではスペースチャンネル5にも出演。そして――世界で最も毀誉褒貶が激しい人物の内の1人でもあります。 ワールドツアーのチケットが各国で即完売するかと思えば、整形失敗!と東スポ一面を飾りもする。世界平和の催しに積極的に参加するかと思えば、幼児性愛(ペドフィリア)か?と疑惑の目を向けられる。彼の博愛と奇行とが混淆するパブリックイメージは、天才と何やらは紙一重、の謂いを体現していると言えるでしょう。 こんな人、他に居ません。居っこありません! そんな彼のゲーム「マイケル・ジャクソンズ・ムーンウォーカー」アーケード版こそが、私がセガに入社してから企画として携わった第1作だったりする訳です。 彼のゲーム、と書いたのは、それが正に「マイケルの企画」によるものだったからです。マジです。そうい
神奈川県、残虐ゲーム「有害」に(日経新聞5月30日付) 神奈川県は三十日、カプコン(大阪市)が販売するソフトを有害図書類に指定し、十八歳未満の青少年への販売を禁じる方針を固めた。ゲームソフトが有害図書類に指定されるのは国内初。業界にはこれまでの自主規制の甘さを指摘する声もある。 ゲーム業界では業界団体のコンピュータエンターテインメント協会(CESA)が主導して、評価機関を設立。内容により「十八歳以上」とするなどの自主的な審査制度を導入している。ただ、同制度はソフトのパッケージに注意書きを記載する程度。一部ゲームメーカーの間では「店頭販売のあり方についても自主規制を整備する必要がある」との指摘もある。 3月3日のエントリーでも書いたが、鶴見はゲームを「有害」扱いするような思考停止的なレッテル貼りには強い不快感を覚えるが、とはいえ、「成人向け」の商品が成人以外の目に触れないような社会環境の整備
ラチェット&クランク FUTURE外伝 海賊ダークウォーターの秘宝 2008年8月21日配信開始/プレイステーション3 Ratchet and Clank is a registered trademark of Sony Computer Entertainment Inc. Developed by Insomniac Games. © 2008 Sony Computer Entertainment America Inc. Published by Sony Computer Entertainment Inc.
「PinMAME」というエミュレータで、我が青春のピンボール「Rollergames(Williams)」を遊びまくっている。 正確には、ピンボール製品のCPUボードをエミュレートする「PinMAME」と、ピンボールのコンストラクション・キット&プレイヤーである「Visual Pinball」とを連動させて遊んでいるコトになる。海外の有志達が作った、実在するピンボールの台データ(Table)のデキは相当なもので、旧台が驚くほどの精度で再現されているのだ。やるな、海外のマニア達。 システム全体のインストール方法は、VPForums.comのFAQに書かれているし、VPinMAMEに至っては、Visual PinMAME Guideというページで、手取り足取り図入りで詳しく紹介されているのだが、英語が苦手な向きのために、大雑把ながらメモっておく。 Visual Pinball&VPinMAME
とある海外の番組制作会社から、日本と欧米のゲーム市場の違いについて取材を受ける事になりました。 具体的には、大ヒットした「Grand Theft Auto」シリーズやFPSのように、欧米では驚異的なセールスを記録しているにもかかわらず日本では全く売れていない製品/ジャンルがあるのは何故か、といった内容です。ちょうどGDCで喋る内容と被るので、今回はそれでいきましょう。 日本では、First Person Shooter(主観視点シューティング)、所謂「FPS」の市場が、欧米に比べて極端に小さい事が知られています。有名な例では、N64「ゴールデンアイ」は日本と欧米では売り上げが十倍以上も違いますし、「Doom」以降の名だたるシリーズですら、どれも日本ではマイナー洋ゲー扱いです(制作者の方いらっしゃいましたらゴメンナサイ…)。 一般にその理由としては、FPSが生まれたPCゲームの市場規模が、日
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