編者: 神田由美子・高橋龍夫 出版社: 翰林書房 参考税込価格: 1,995円 ISBN-10: 4877373314 ISBN-13: 978-4877373313 国家システムから諸学問、医術に至るまで、2000年近く中国文明の圧倒的な影響下にあった日本。しかしその「知的宗主国」が、ライオン群に襲われる巨獣のように、欧米列強の餌食になっている様を見てとった日本人は、学ぶ方角を決定的に変える。19世紀の「遣唐使」、欧米視察=洋行の始まりである。 坪内逍遥+二葉亭四迷という旧尾張藩コンビがスタートさせた日本近代文学も同様だった。明治だけでも、明治17年の森鴎外・ドイツ留学を嚆矢に、明治33年の夏目漱石・英国留学、以下、明治36年の永井荷風(米仏)、有島武郎(米)、明治39年の高村光太郎(米英仏)、明治45年の与謝野晶子(仏)と続く。――1カ月半もの船中生活のあと、地球の裏側に輝く近