交通手段なく ■ 再建に追われ 今回の衆院選で、石川3区は能登半島地震と豪雨の影響で、一部で投票所が減り、投票時間が短縮された。投票率は特に被害の大きい石川県輪島市と珠洲市で前回より10ポイント前後下回り、3区の棄権者は3年前の前回選に比べ約4千人増えた。投票所までの交通手段がなかったり、生活再建に追われて投票に行く余裕がなかったりしたためとみられる。(猿渡健留、高橋雪花、栗田啓右) 輪島市町野町の滝口悦子さん(82)は元日の地震で自宅が全壊し、仮設住宅で生活。独り暮らしで車に乗れず、交通手段は徒歩だけで投票に行くのは難しかった。能登町の半壊した自宅で暮らす女性(88)も交通手段がなく、「遠いもんで大変」と嘆いた。普段の買い物はバスに乗って移動するが、投票日の日曜は運行していない。「こんな辺ぴなところでも、都会でも同じ一票なのにな」とつぶやいた。 「家事もやらないといけない。バタバタして選