健康百科 腹痛のはなし 群馬大学大学院医学系研究科病態総合外科学 助手 持木彫人 教授 桑野博行 腹痛とは 腹痛は、消化管あるいはおなかのどこかに異常が生じたことを知らせる体の警告信号です。おなかの臓器は炎症や潰瘍などの刺激によってそれ自体は痛みを生じません。臓器からの刺激が脊髄(背骨の中にある太い神経)に伝達され、その臓器と同じ高さにあるおなかの表面に痛みを伝達し、腹壁に痛みを感じます。おなかの臓器に障害があっても、おなかの中よりは表面に痛みを感じ、これを「放散痛」と言っています。 痛みの種類 痛みの感じ方は同じではありません。腹痛は「刺すような」「しぼるような」「切るような」など種々に表現されますが、それだけで原因を特定することは困難です。しかし痛みの種類によってはある程度、原因を推測することができます。 疝痛は差し込むような痛みで、周期的に痛みの強さが変わります。これは胆