保阪さんは、対外的な戦争がなかった江戸時代から明治維新を経て、10年おきに戦争を繰り返した日清戦争以降へと続く日本の歴史を解説。旧軍人や遺族には恩給が支払われる一方、空襲で被害を受けた民間人や遺族らには補償がないことを例に「戦前のシステムは今も社会に残っており、政治がメスを入れず、反省してこなかった」と分析した。 一方で、昭和史を再検証する必要を訴え、来年の戦後80年と昭和100年が「『同時代』から『歴史』へと移行する分かれ目になるのではないか」と指摘。戦争を「政治の延長」と位置付けた、プロイセンの軍事学者クラウゼビッツの「戦争論」は見直すべき時期に来ていると強調した。その上で、平和の実現に向けて、「私たちが作り上げる新たな『平和論』『戦争論』が必要だ」と呼びかけた。(服部展和)